健康のための食事術②
前回に引き続き今回はマグネシウムについて勉強していきます。
マグネシウムを普段の生活で意識することはあるでしょうか。
多くの方はカルシウムの方が印象が強いと思います。
マグネシウムはカルシウムのブラザーイオンと呼ばれており、双方のバランスが取れた状態が理想的と言われています。
しかし、皆さんの印象に残っているのはカルシウムでありマグネシウムは忘れられがちです。
今回はなぜマグネシウムが必要なのかを解説していきたいと思います。
まずマグネシウムは細胞のエネルギーであるATPを産生するために重要な働きをしています。
ATPは体の中で使われる通貨のようなもので、このATPがあることで筋肉や内臓、脳を動かしています。
つまり体を正常に動かすためにはATPが必須であり、そのATPを産生するためにマグネシウムが不可欠ということです。
前回も少し触れましたが、加工食品や食品添加物の影響により、食品中に含まれるマグネシウムの量は減少しています。野菜においても農薬や農法、化学肥料の使用や生産効率、見た目を重視するあまりに、栄養素が少なくなっているようです。
マグネシウムはリラックスしたり、血管の収縮などを抑える働きがあります。こむら返りなどの痙攣や血管の過剰な収縮による頭痛なども、よく観察するとマグネシウムの不足が原因の場合があります。
さらに心臓病の増加や片頭痛、便秘、高血圧、不整脈などもマグネシウムが関連している可能性があります。
糖尿病にも関係している可能性があり、血糖値を下げるインスリンというホルモンの効き方に影響を与えているようです。
糖尿病はあらゆる病気の根源であるため、糖尿病をコントロールすることは、その先にある数多くの病気を予防することに繋がるため、とても重要になります。
エネルギー産生の役割があるため、単純に疲れやすい、だるいなどの症状やうつ症状などにも影響していると考えられます。
さらっと紹介しただけでもこれだけのものに関係しているとなると、やはり社会的にマグネシウムを過小評価しているように思えます。
次にマグネシウムを多く含む食材を紹介します。
基本的には緑色の濃い野菜に多く含まれていますので、ブロッコリーやケール、ほうれん草など青汁に元になるような物がいいでしょう。
その他にもひじきやわかめなどの海藻類にも豊富に含まれています。
納豆や味噌、豆腐などの大豆製品もお勧めです。
マグネシウムは食品からだけでなく、皮膚からも吸収できるため、入浴剤として使用することも効果的です。
マグネシウムは血流がよくなるため、温泉の効能に関節痛や神経痛、肩こりなどの記載がある場合は温泉に含まれるマグネシウムによるものかもしれません。
マグネシウムはカルシウムのブラザーイオンであるといいました。冒頭でも書いたようにマグネシウムの摂取量が少ないこともさることながら、カルシウムの摂取量が多すぎるという問題もあります。
もちろんカルシウムも重要な栄養素であることは間違いありませんが、やはり何にしてもバランスが大切です。
カルシウムの摂取量が相対的に多くなると、石灰化が起こったり、高血圧になるなど多くの問題が起こりえます。
逆にマグネシウムとのバランスが整うと、血管系の問題が少なくなり、血流が改善します。そのため狭心症や高血圧、動脈硬化など多くの問題を解決してくれます。
頭痛などが収まるのも血流がよくなることによる効果です。
高血圧の原因はナトリウムの摂取量が多くなることが原因であるという話は多くの方が知っていると思います。
これもカルシウム、マグネシウムと同じで、ナトリウムとバランスを取るべきものの存在があります。それがカリウムです。
そのため血圧を下げるためには、ナトリウムの摂取量を減らすことと同時にカリウムの摂取量を増やす必要があります(腎不全の方や透析患者さんは注意が必要です)。
このようにミネラルは、一つの物質だけで働いている訳ではありませんので、ナトリウムとカリウム、カルシウムとマグネシウムのようにセットで考えるとうことを覚えておきましょう。
次回は引き続き『亜鉛』について勉強していきます。