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京都の「一見さんお断り」の裏にみる人間への果てしない信頼 【世界は畸人で満ちているvol.2】
大学卒業後、京都に和菓子職人の修行に出向いたものの、2ヶ月で倒れてしまった私。
ただの虚弱、されど虚弱。いまの状態で和菓子職人見習いを続けるのは無理だということで、そのまま店を去ることになった。
そんな私を、職人長が食事に誘ってくれた。
職人長が指定した場所へ行ってみると、それは、路地にたたずむ小料理屋だった。いかにも京都らしい、こじんまりとしているが気軽には立ち入れない敷居を感じる、そんな店
インドア系文学女子が和菓子職人をめざして修行するとどうなるか【世界は畸人で満ちているvol.1】
子どものころから職人にあこがれていた。
多分それは池波正太郎の影響で、渋めの職人ライフをおくりたいとずっと思っていた。
中学生のとき「高校に行かずに寿司屋に修行に出る」と宣言してみたけれど、親と担任の猛反対によって挫折。それでも職人へのあこがれは心のどこかに残っていて、大学を卒業してから京都に和菓子職人の見習い修行に出かけた。
ちなみに、大学は辺境にある某公立大学の文学部国文学科で、古文書を読
序 世界は畸人で満ちている(ような気がする)
これといって特技がなく、そうはいっても協調性がないため、一般的な会社でお勤めするのはどうも苦手だ(というか、したことがない)。好奇心がかなり強めで、気になったことは、つい首をつっこんでしまう。そんな困った性質をもって生まれたため、大人になったいま、妙な働き方をして暮らしている。
変わってるね、と言われることには慣れてしまったけれど、いやいや、私から言わせれば、世のなかは奇特な人や面白い人(=畸人