川本ふき

マルチ・ポテンシャライト。大学講師、防災コンサルタント、NPOスタッフ、研究者などを日…

川本ふき

マルチ・ポテンシャライト。大学講師、防災コンサルタント、NPOスタッフ、研究者などを日替わりでつとめてます。畑を耕したり、寿司職人になる日もあります。博士(文学)。

最近の記事

お寺で働く人々の煩悩にまみれた日常 【世界は畸人で満ちているvol.3】

人となごやかな関係を保つには、政治と宗教の話はタブーだと言われる。 政治や宗教は、個人の主義主張や価値観の根幹にかかわっていて、意見がちがった場合の調整がむずかしいからなのだろう。 今回のテーマはお寺だ。 大丈夫だろうか。 まだnoteをはじめて間もないのに、炎上したりしないだろうか。町を歩いていて、知らない人に石をぶつけられたりしないだろうか。 たぶん大丈夫です。宗教的なにおいの少ない、生活感のあるお寺の話をします。 私は、京都の某世界遺産のお寺で、10ヶ月ほど働

    • 京都の「一見さんお断り」の裏にみる人間への果てしない信頼 【世界は畸人で満ちているvol.2】

      大学卒業後、京都に和菓子職人の修行に出向いたものの、2ヶ月で倒れてしまった私。 ただの虚弱、されど虚弱。いまの状態で和菓子職人見習いを続けるのは無理だということで、そのまま店を去ることになった。 そんな私を、職人長が食事に誘ってくれた。 職人長が指定した場所へ行ってみると、それは、路地にたたずむ小料理屋だった。いかにも京都らしい、こじんまりとしているが気軽には立ち入れない敷居を感じる、そんな店だ。少なくとも、大学を出たばかりの小娘がふらりと入って飲める雰囲気ではない。

      • インドア系文学女子が和菓子職人をめざして修行するとどうなるか【世界は畸人で満ちているvol.1】

        子どものころから職人にあこがれていた。 多分それは池波正太郎の影響で、渋めの職人ライフをおくりたいとずっと思っていた。 中学生のとき「高校に行かずに寿司屋に修行に出る」と宣言してみたけれど、親と担任の猛反対によって挫折。それでも職人へのあこがれは心のどこかに残っていて、大学を卒業してから京都に和菓子職人の見習い修行に出かけた。 ちなみに、大学は辺境にある某公立大学の文学部国文学科で、古文書を読んだり図書館にこもったりとスーパーインドア生活を送っていた私。協調性がなく世間知

        • 序 世界は畸人で満ちている(ような気がする)

          これといって特技がなく、そうはいっても協調性がないため、一般的な会社でお勤めするのはどうも苦手だ(というか、したことがない)。好奇心がかなり強めで、気になったことは、つい首をつっこんでしまう。そんな困った性質をもって生まれたため、大人になったいま、妙な働き方をして暮らしている。 変わってるね、と言われることには慣れてしまったけれど、いやいや、私から言わせれば、世のなかは奇特な人や面白い人(=畸人)でいっぱいですよ。 私は、そんな「どうかしてるぜ!(褒めてる)」という人に出

        お寺で働く人々の煩悩にまみれた日常 【世界は畸人で満ちているvol.3】

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