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序 世界は畸人で満ちている(ような気がする)

これといって特技がなく、そうはいっても協調性がないため、一般的な会社でお勤めするのはどうも苦手だ(というか、したことがない)。好奇心がかなり強めで、気になったことは、つい首をつっこんでしまう。そんな困った性質をもって生まれたため、大人になったいま、妙な働き方をして暮らしている。

変わってるね、と言われることには慣れてしまったけれど、いやいや、私から言わせれば、世のなかは奇特な人や面白い人(=畸人)でいっぱいですよ。

私は、そんな「どうかしてるぜ!(褒めてる)」という人に出会うことがとても好きだ。

音楽も自然も好きだし、最新テクノロジーも気になるし、動物はモフりたくてたまらない。けれど、私がいちばん心を動かされるのは、やはりパンチの効いた人間と出会ったときだと思う。心を動かすというのは両面あって、人間ってほんとにしんどい生きものだなという場合も、人間ってこんなにまぶしい生きものなのか、という場合もある。その底知れない幅広さこそが、人間の魅力かなもしれない。

思い返せば、
『近世畸人伝』伴蒿蹊(岩波文庫 1940)
『幕末百話』篠田鉱造(岩波文庫 1996)
『忘れられた日本人』宮本常一(岩波文庫 1984)
などのノンフィクション系人間記録が大好きで、いつのまにか、自分が出会ったさまざまなグッとくる人を心のノートに書きとめることがライフワークのようになっている。それを言葉に表したいなと思い立って、このノートを立ち上げた。

というわけで、実際に私が出会った魅力的な人間達のエピソード集を書いていくわけだだが、このご時世、先方の迷惑になってもいけないので、固有名詞などは出さず、特定できない状態で記録していこうと思う。エスノグラフィーとしては不十分かもしれないけれど、目的は、生身の人間のおもしろみを紹介することにあるので、特に問題はないでしょう。

淡々と生活を送っていると、日常の世界観がかたまってしまうけれど、まったく違う世界に足を踏み入れてみると、そこには一見すると理解不能な謎の生命体UMAが生きている。ただし、彼らと向き合おうと心に決めれば、毎日が旅のように発見に満ちているし、いつでもどこでもUMAと友情を育むことはできる。

退屈な日常に飽きているあなたへ、ちょっとしたスパイスになりますように!

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