家族の条件
10連休の中腹、我が家は互いの実家に帰省をした。全三日間の行程で、私は二日間自分の実家(名古屋)に宿泊、だんなは初日に一緒にきてもらい、その日にだんなの実家(静岡)の方へ行き、そちらに宿泊、三日目に、私がだんなの実家の方へ行くというスケジュールだった。
そんな中、家族とはなんなのかを考えさせられることがいくつかあったので、まとめてみようと思う。
体調が悪いとすぐに言えるか
私の実家は、昨年末引越しをしていて、自分が住んでいた家はもうない。母が一人暮らしのアパートに引っ越していて、今回はそこにお邪魔した。
お昼は三人で外食し、その後母に何か足りないものはないか聞き、ニトリで買い物をして、タクシーでアパートまで行った。しばしテレビを見ながらくつろぐ。そんな中、私は頭痛がひどくなり出していた。(ちなみに、連休前後からの寒暖差の激しさに、身体がついていけず、連休前日から風邪気味で3日寝込んでいた。)しかし、私は母の前で何故かそれを言い出せず、薬も飲めなかった。
夕飯までまだ時間がある中、このまま家にいてもやることがなく、私はだんなと2人少し出かけてくる、とアパートを出た。だんなと2人になり、私はようやく、実はさっきから頭が痛い、できればカフェとかで休みたいと伝えることができた。
薬を持って出ればよかったのだが、ポーチだけで荷物を置いてきてしまい、薬も飲めず、だんなにごめんねと言いながら、カフェを探し、お茶だけして時間を潰した。
結局、薬を飲んだのは夜、母がお風呂に入っている間だった。私は母の前では体調が悪いことを言えなくなっていた。一緒に暮らしていない相手と会う時間は、非日常。母の家は実家ではなく、他人の家。帰るのではなく、お邪魔する場所だ。私はもう、母は気を使う相手で、我慢をしてしまうんだなと感じた。
食べ残しを食べられるか
そして夕方、母のアパートの近所のなか卯にいき、各自注文した。すると、母が食べ切れなくて、私やだんなに残りを食べてと言ってきた。私もあまり余力なく、自分が頼んだものも食べ切れてなかったので、矛先はだんなへ。すると、だんなが私の残りを食べてくれ、私が母の残りをなんとか食べる感じになった。
だんなは普段、私が食べられないもの(ネギ類)や食べ切れなかったものを食べてくれるので、感覚が麻痺していたが、後から聞いたら、まだ私の母の食べ残しを食べるのは抵抗がある、といわれ、反省した。自分と同じ感覚でいたが、母とだんなは一緒に暮らしたことのない他人だった。今後は食事の際、母からの横流しに気をつけようと思った。
朝ごはんの自由があるか
私の母は、朝5時に家を出てパートにいく。4時過ぎには起きるので、目を覚ましてしまう。前の実家の時はそれでも、寝る部屋と居間は別だったので、母が起きた時だけ気になるが、またすぐに眠り、あまり気にならなかったが、今はワンルームの部屋で寝る場所も居間も一緒のため、母が起きたら起きてしまうし、いくら電気を明るくしなくても、近くで生活音がしたら気になってしまうようで、結局、母が家を出るまで寝られず、期せずして早起き、無理やり二度寝という謎のサイクルで、体の調子が狂った。
母も起こさないよう気をつかっていたが、これならやはりホテルに泊まり、食事だけ一緒にした方がお互い気をつかいすぎなくていいなと思った。
きわめつけは、3日目の朝、朝時間がないのにわざわざ私の朝ごはんをコンビニに買いに行き、戻ってきたことだ。私は普段、朝は食べないので、あれば食べるけど、なければ食べなくて平気だし、食べたかったら喫茶店でモーニングすればいいからと言っていたのに、いらない、大丈夫という私の声を聞かずにわざわざ、時間のない中、買ってきて置いて行ったのだ。
そこまでされたら、こちらも食べざるを得ない。机に置かれたサンドイッチを食べ、ペットボトルをカバンに入れて家を出た。ありがたいけど、正直いらない気遣いだった。ほっておいてくれた方が楽だった。
うちはだんなは朝ごはんを食べる人で、私は食べない人なので、休日はだんなは自分の朝ごはんを自分で調達し、私はその間寝ているのが日常だ。だんなが気を使って、私の朝ごはんを買ってくることもないし、欲しい時は自分で用意する。それが当たり前だったので、他人に用意される不自由さは、どうにも居心地が悪かった。
言いたいことか言えるか
そして三日目。だんなの実家へ。駅まで両親と車で迎えにきてくれ、昼を食べて観光地まで行こうというプランを立ててくれていた。車に乗り込み、観光地に向かう途中、どうにも車酔いして気持ち悪さに襲われてしまった。しかしせっかくいろいろ考えてくれているし、気を遣わせたら申し訳ない、と、しばらく我慢をしていた。車中の会話にはほとんど参加できず、ぐったりしていた。
とりあえず昼を食べるか、と店を探す中、だんなが黙り込む私に、大丈夫?と聞いてくれ、酔ったかも、気持ち悪いとようやく言えた。すると案の定、観光なんか無理でしょ、やめよう、帰った方が…となり、昼飯を食っただけで、すぐに帰る運びとなった。
帰宅してすぐに床につき、夜まで寝てしまうほどには体調が悪く、熱を測ったら、予想以上にあり、結局翌日は一日ほぼ寝て過ごすことになった。
一緒に暮らしていたら、言いたいことを言えないとやっていけないので、適度にわがままになれる。しかし、たまに会う相手には、できるだけ、摩擦が起きないよう、取り繕う。気を使うのは悪いことではないが、使い過ぎて、逆にしんどくなってしまう。
遠方にいる配偶者の親との付き合い方
遠方にいる配偶者の親との付き合い方ってほんとに難しい。まだ近場でごはんだけして帰れるくらいの距離の方が楽かもしれない。泊まり問題は今回、自分の実家に泊まることで回避したが、長い時間滞在するとなると、とにかくどう時間を過ごすかが問題になり、なんだか疲れてしまう。
自分の親でも疲れるという体験を今回したので、ほんとに今後は食事だけ一緒にするぐらいの感覚で考えた方がお互い気が楽かもしれない、と思った。
そして、改めて、今自分の家族はだんなだけなんだなあと思ったのだった。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?