パティシエ×バリスタのスペシャリテ【kashinoki coffee】
昨年11月に立川にオープンをしたコーヒースタンド「kashinoki coffee」
オーナーを務める林 巨樹(はやし おおき)さんは日本一を決めるコンクールを最年少で決勝に出場した実績のある凄腕のパティシエだ。
ただ、林さんはお菓子だけでなく、コーヒーに精通したバリスタとしても活躍されている。
パティシエとバリスタ、2つの顔を併せ持つ林さんが作るスペシャリテ2種と今のイチオシを今回は紹介させていただきます。
スペシャリテ カフェラテ
カフェラテ:460円(税込)
ーーーよろしくお願いします。普段はSNSでふざけた絡みをしていますが、今回は真面目にいきたいと思います。
林さん:臨むところです。よろしくお願いします。
ーーー早速なんですが、カフェラテのこだわりを教えてください。
林さん:はい、カフェラテには「スペシャリティーコーヒー」という市場に0.5%しか存在しない希少価値の高いものを使用しています。
ーーー0.5%ですか。めちゃくちゃ少ないですね。そのスペシャリティーコーヒーとはどんな特徴があるのでしょうか?
林さん:特徴は徹底した栽培方法です。コーヒー豆やカカオ豆って発展途上国で生産されているイメージがあると思います。生産者の方は、その豆が何になるのか知らないってのはよく聞く話ですね。生産者の方はお金を貰えていないので、当然栽培にお金をかけられず、十分な管理ができないんです。
スペシャリティーコーヒーは畑単位でしっかりとした管理がされています。きちんと農家さんにお金をお支払いして、良いものを作ってもらう。これがスペシャリティーコーヒーです。
ーーーなるほど。フェアトレードみたいな感じですね。
林さん:そういうことです。このカフェラテはそのスペシャリティーコーヒーをブレンドしているんですけど、焙煎からこだわって、より理想の味に仕上げています。
そしてせっかく良い豆を使っているので、牛乳にももちろんこだわっています。
ーーー牛乳にもこだわりが。是非聞かせてください。
林さん:牛乳は北海道産の脂肪分3.7%のものしか使いません。
ーーー3.7%ですか。細かいですね。四捨五入して4%じゃダメですか?
林さん:これ以上脂肪分が高いと、夏場に飲んだ時に重たく感じてしまいます。逆に低いと、カフェオレのような感じになってしまいます。一年中楽しめて、かつ牛乳のコクと脂肪分を味わって貰える最適解が3.7%だったんです。
温度も人間がもっとも甘さを感じやすくなる60℃にすることで、砂糖を入れなくても、牛乳の自然な甘さを感じられるようにしています。
ーーー確かに優しい甘さがありますね。コーヒーの香りもしっかり感じつつとても飲みやすいです。うまピヨです。
ハートの形が納得いかいないと、二度作り直した林さん。職人のこだわりを感じる。この後フジノシンは三杯を飲み干し、カフェイン過多でクラクラすることになる。
スペシャリテ エスプレッソティラミス
エスプレッソティラミス:670円(税込)
ーーー2つ目のスペシャリテ、ティラミスについても教えてください。
林さん:注目していただきたいのは、コーヒーシロップです。カフェラテに関しても同じなんですが、もともと牛乳に合うように豆をブレンドしています。なのでティラミスに使っている、生クリームやマスカルポーネとも相性が抜群です。
ーーーオープンしたばかりの時にいただきましたが、確かにうまピヨでした。クリームとの相性ももちろんなんですが、シロップ単体で食べたいと思うほどの魅力的なシロップでしたね。
林さん:ありがとうございます。理由はエスプレッソにあるんです。
ーーーすいません。正直エスプレッソって名前は聞いたことあるんですが、具体的にどんなものなのか分からないです。
林さん:エスプレッソは水蒸気と圧力を利用する淹れ方で、お湯で濾過するドリップコーヒーよりも水分量が少なく濃い味わいにすることができます。
ーーーインスタントコーヒーのような淹れ方よりも濃縮されているということですね。
林さん:そういうことです。あとは砂糖のバランスですね。苦いだけだとエスプレッソの香りがあまり出てこないんですよ。香りのキャッチを広げるために砂糖の甘さを加えることで、エスプレッソの香りがより感じられます。これはパティシエだからこそできることですね。
逆にコーヒーにこだわれるのはバリスタだからこそなので、このティラミスはパティシエでありバリスタでもあるからこそできたケーキです。
ーーーまさに林さんだからこそ作ることができたスペシャリテと呼ぶに相応しいケーキですね。
林さん:ありがとうございます。kashinoki coffeeは「美味しいコーヒーと美味しいお菓子があって幸せ」っていうコンセプトがあるので、コーヒー自体がちょっとお菓子に歩み寄って欲しいんですよ。そしてお菓子もコーヒーに歩み寄って欲しい。
ーーー単体で美味しいではなく、それぞれが歩み寄って美味しいを作っているんですね。
林さん:そうです。ブレンドコーヒーを作ろうと思った時に、コーヒーとして優れていても、お菓子と合わせた時にお菓子の良さを殺してしまっては意味がないと感じました。それをパティシエの目線からこんなコーヒーがあったら良いなというところからスペシャリテが生まれました。
なのでこのティラミスとラテは是非一緒に召し上がって欲しいですね。
ーーー確かに食べたあと全部コーヒーの味に持っていかれたなってことが僕もあります。そこまで考えて作っていらっしゃるとは、いや〜深いですね〜。
林さん:深いです。豆は浅煎りなんですけどねwww
ーーー、、、、、、、、
林さん:。。。。。。。。。
ーーーはははははは(精一杯の愛想笑い)
こだわりを持ち、美味しさと真剣に向き合いながらも、常にユーモアを忘れない林さん。このチャーミングな一面も彼の魅力のひとつだろう。
今のイチオシ エスプレッソトニック&抹茶ソーダ
ーーーすでにたっぷりとお話を聞かせていただきましたが、続いて今のイチオシ商品を教えてください。
林さん:はい。今のイチオシは、エスプレッソトニックと抹茶ソーダです。
ーーーすごくキレイです。巷で言うところのインスタ映えですね。これはどういったドリンクなんですか?
林さん:これは落としたてのエスプレッソにトニックウォーターを、抹茶にサイダーを合わせたドリンクです。
ーーートニックウォーターですか。抹茶と炭酸はありそうですが、コーヒーと炭酸は初めて聞きました。
林さん:そうなんですよ。美味しそうなんですけど、コーヒー×炭酸って実は美味しくないんですよ。ただの炭酸だと何か足りないんです。そこで見つけたのがトニックウォーターです。
トニックの苦味と甘味、そして炭酸が清涼感を与えてくれるので、コーヒーよりも軽く飲めるドリンクになっています。またオレンジの爽やかな香りが鼻からスッと入ってきてめちゃくちゃ美味しいです。僕はこれが大好きなんです。
エスプレッソトニック:700円(税込)
ーーーこれは本当に味わったことのない味ですね。でも美味しいです。アイスコーヒーだと逆に喉が渇いちゃうってこともありますが、これはしっかり潤いますね。そしてちゃんとコーヒーの味わいも楽しめます。
林さん:カフェインが欲しい人はきちんと摂れるし、ノンアルカクテルとしては上品なドリンクになっています。
ーーー本当に飲みやすいですし、お菓子と合わせても良さそうですね。
林さん:抹茶ソーダなんですが、抹茶自体はお茶、つまり清涼飲料水なので清涼感があって正解なんです。
抹茶の香りって鼻から抜けた時が1番キレイなんですよ。だから炭酸水でその鼻から抜ける香りを演出しようっていうのがこの抹茶ソーダです。
ーーー林さん…これめちゃくちゃ美味しいです!舌の奥の方で香りがパッと咲いて鼻から抜けていきます。本当に香りが”咲く”って感じです。
林さん:ありがとうございます。浮かせたレモンスライスの爽やかさが、抹茶の青臭さを消してくれるのもポイントです。
抹茶ソーダ:700円(税込)
ーーーいや、本当にめちゃくちゃ美味しい。抹茶好きの人には是非飲んで欲しいですね。
林さん:コーヒーや抹茶って色んな飲み方があって、例えば水出しコーヒーや抹茶ラテなんかですね。その飲み方も美味しいんですが、もっと違う飲み方っていうのもあるよねってなった時に、この炭酸を出したいなと思いました。
どうも千利休です。
ーーーあ、初めまして千利休さん。いつもお世話になっております。
令和の千利休、林 巨樹さん貴重なお話をありがとうございました。
林さんは美味しさだけでなく、環境問題にも取り組んでいらっしゃいます。
スプーンはプラスチックではなく木を、ストローはサトウキビ由来のものを、カップは再生紙のものを使用しています。
「美味しさは地球ぐるみで作っていく」
消費者だけでなく、生産者や地球のことまで考えた”美味しい”を作るkashinoki coffeeに是非足を運んでみてください。
kashinoki coffee(カシノキコーヒー)
営業時間:10:00-20:00
業態:コーヒースタンド(イートインできるテラス席あり)
休業日:なし
住所:東京都立川市柴崎町2-10-14 矢沢ビル1F
オーナー:イケメン
kashinoki coffee、林さんのTwitterはこちら↓
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