CDを売らないことに挑戦できたワケ
もし藤森愛がいきなりダウンロード&ストリーミング配信でリリースをして、CDの代わりにブックレットを発売した場合、恐らくそんなに聴かれないし売れなかったと思います。
私はCDを売らないことに挑戦するために4つのことを行いました!
作ることからエンターテイメントにする
完成した物を販売するのが本来の流れですが、曲作りやプロジェクトで起きるトラブル、レコーディング現場すらもエンターテイメントとし、制作過程の全てを応援してくれる皆さんと共有することから始めました。それが「INSIDE RECORDING(インサイドレコーディング)」というプロジェクトです。"内側から皆んなで一緒に作っていきたい"という想いを込めた造語になります。
発売前の商品を購入した方だけが閲覧できるブログで制作状況を綴り、レコーディングやその打ち上げに参加できるプランも販売。より一層作られる音や物が参加者の思い出になるように、プロジェクトの一員として感じてもらえる体験型を重視しました。
資金をなるべく制作費に使うために
2017年に初めてクラウドファンディングをCAMPFIREで行なった際は、ありがたいことに310%達成の総支援額¥2,174,000が集まりました。CAMPFIREは認知度も高く色んな人が利用している信頼性のある大きなプラットフォームなので、初めての挑戦には最適でした。
しかし手数料を17%(改定後)も取られてしまうため今回はなるべく資金をプロジェクト自体に使えるように、手数料6.6%+40円で販売できるオンラインショップBASEを利用しました。
プロジェクトにかかった費用¥1,000,000ちょいは、売上金¥920,000で賄っています。色々やり過ぎたので足りていませんが(笑)それでも制作過程をエンタメにしたことで、制作費をほぼ賄えている状態からリリース日を迎えることができ、無料ダウンロードにして制作費を回収できないようなリスクも抑えられました。
参加した後の未来を伝える
そのプロジェクトへ参加すると何が得られるのかも大切ですが、そのプロジェクトに参加したことで得たものがこれからどうなって行くのかがさらに重要です。潰れそうな会社の株は買わないように、未来が見えないものを前売りで買ってもらうのは難しいです。
INSIDE RECORDINGはただ音源を作りたいのではなく、インディペンデントアーティストとして音楽を続けていくために、CDではない物でも音楽を届けられるというアーティストの新しい可能性を見せていきたいというコンセプトがあります。私一人の力だけで出来ることなんて相当限られています。なのでより多くの人達へ認知されるために、応援してくれる皆さんと一番最初にシェアをして共作者になってもらいたかったのです。
アーティスト以外への還元も考える
今回のリリースでは特にCDショップでのCDではない物の販売をこだわりました。アーティストが売り上げることはもちろん大事なのですが、アーティストに携わっている支えている人達にも利益が還元されなければCDにしない意味がないと思ったからです。
規格が違うので今回流通は出来ませんでしたが、新星堂さんの協力を経て各地のショップでのインストアライブが実現しました。売ることをやめてしまうのではなく、売り方を変えれば双方がwin-winになれる道があると思っています。
作品の前売り販売をする、レコーディングを見せる、CDを作らない、これら一つ一つは別に珍しいことでも何でもありません。ですが組み合わせてみると、それが新しいものになったりします。
そしてこうやって仕組みに捕らわれず、その都度自由に形を変えることが出来るのもインディペンデントアーティストの強みです。音楽を届ける可能性はまだまだ無限大!
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インディペンデントアーティストとしてCDを作らないという記事が掲載