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Poetry:

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ただうたうだけ、それは自由な世界。
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記事一覧

【詩】そのまま

金箔の指先をひとかじりする
生まれたての模様が広がる

昨日みた夢の
真ん中で
フルートの吹く部分と
ボタンの数々だけを
剥ぎとること

のんびりと
水面を伝わった心の音

聞き取ってくれたから
まっすぐに返事をする
「何時間でも寝てられるから、
そのままでいてくれればいいよ」
そうこたえた

真後ろの鏡が
乱反射して私を突き刺したままだ
#文学 #小説 #エッセイ #日記 #自然 #哲学 #詩

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【詩】たどう

向かい側の生活
そのアウトラインを辿ってみた

右足に履いたレザーブーツは
マスタードカラーの紐がほどけて
でんでん太鼓の両手みたいに自由気まま
左足に履いたお勝手サンダルは靴裏の内側だけ削れてる

揃った靴は全部誰かにあげてしまったから
残ってる靴は全部バラバラ
思うように歩けない

それでも
路肩にたなびくハルジオンや
真っ直ぐに幹を伸ばす楠の木の梢を
しっかりとみられるから
私は歩ける 辿っ

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【詩】ちから

縮んだパンケーキに
塩気のあるバターを
べったいスプーンで押し付ける

向こうの方から聞こえる声に
耳を傾けないように
押し付け続ける

横に縮んだパンケーキは
縦もずっとずっと薄くなってく

左耳の鼓膜に
カワセミの啄ばみを感じて
聞こえない

右耳の真ん前にはたぶん
ススキが一面に広がってる
さわさわという雑音だけ
聞く

べったいスプーンは
どんどんどんどん
折り曲がってく
かたい面に当てら

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【詩】たまる いかる

木目の色合いを
変化するまで眺めていた
夕方の七時

文句の一つ言えなくなって
昨日の折りたたみ傘は
水が滴ったまま

音速で変わってく
ムラのある気持ちに
仕切りをしてしまったから

事の始末に
目を向けないままで
苦しい

ボタンが外れない
襟元が外れない
誰かとってしまってよ

憐みは要らない
慈善も要らない
怒りだけが偽りない

偽らない
#文学 #小説 #エッセイ #日記 #自然 #哲

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【詩】ひとり

モノクロの紋様を指でなぞった。

苦し紛れの吐息が
砂の被ったそれの正体を露わにする。
もうじき動き出す。

500m先に進んでる
あなたを
ずっと眺めながら私
進んできたの。

秒速1.7m進むあなたと私
一度だって落ち合うことはできない。

眺めた背中からは
たくさんの若葉が生え始めていた。
摘み取って、摘み取ってしまいたくて
そしてすりつぶして飲み込んでしまえば
きっとうまくいくと思って。

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【詩】さようなら、ポセイドン

ポセイドンの奥の方から
野太い声がした

魂の声

心のむせび泣き

メランコリーの隙間に
目を当てて
こちらを見ている
見下ろして 見上げてる

この頃は栄えてきてる
心臓を覆う繊毛
密集してまるで絨毯
右から左へ波打ってる

強いということも
弱いということも
私にとっては無味の桃
しぶきも一切無関係

もぎ取った時
私たちの目が見つめあったこと
手が少しだけ震えていたこと
触れたこと
それも

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【詩】膜破り

しっかりとすくい上げてほしい
柔らかな表面
なめらかな肉体
プリンのような内容を含んで

そんな中に埋もれていってしまった
私の魂は
息ができない

ゆで卵を包む薄膜みたいな
煮た牛乳からうまれる薄膜みたいな
そんなものに真空パックされてる

たぶん
爪楊枝とか
アイスピックとか
お父さんが毎晩使ってるフロスの先端とか
そんなのでほんの少し触れてくれれば良いのに
そんなきっかけは
誰のポッケにもあ

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