最良の採用要件とは
こんばんは。今日もお疲れ様です。
久方ぶりの投稿ではありますが、一旦言語化しておこうと思ったので採用について書くことにしました。※『2期目の振り返り』で触れた内容の加筆です。
まず簡単に自己紹介ですが、20室程度のホテル(自社ブランド)と1軒の古民家ホテル(他社ブランド)の受託運営をしつつ、別事業としてDX支援を行っている3期目(2024年現在)の会社の代表の者です。
この記事を書くのに至ったのは、昨年末(2023年末)に大変ありがたいことに正社員1号の子が入社してくれて、今月(2024年6月)2号社員の子が入社してくれたので、そこで自分が何を思い、選択を行ったのかを自分なりに整理するためです。
1号社員に求めたもの
正社員の採用活動自体は、2期目(2023年1月)が始まってまもなく開始しました。そこから、恐らく累計では30-50人くらいの方とお話をさせていただきました。
ただ、なんとなーく良い人はいても、いまいちピンと来ない日々が続きました。理由としては、「1号社員」というブランド?を私が重く考えすぎていたからです。
重すぎた1号社員の要件
私の中では1号社員と聞くと、
・社長の右腕
・今後入社者の規範となる存在
・事業成長を牽引する存在
・組織のカルチャーを体現する存在
など、多くを求めすぎていました。
一方で、お世話になった経営者の方からは、『1号役員は拘るべきだが、1号社員にそこまで拘る必要はないよ』という言葉を頂きました。またある経営者の方に「こんな方から応募が来ているのですがどう思いますか?」と相談すると(1号社員となる子の話ではないです)、『そいつのこと使い倒せるん?』という言葉を頂きました。
そこからもモヤモヤとした採用が続きましたが、ある候補者の子(のちに1号社員となる子)と出会い、自分の中で答えが出ました。
最良の採用要件
それは、『後悔のない選択をすること』でした。当たり前と言えば当たり前なのですが、では、私にとって『後悔のない選択』とは何でしょうか。
恐らく、100%私と考えが一致し、100%私の期待に応えてくれるような方と出会うことは奇跡に近いと思っていますし、100%考えが一致するなんてことはそれはそれで良くないことかとも思います。であるならば、誰を採用したとしても、どこかで「あぁ、もっと良い人がいたかもしれない…」と思う日が絶対に来るはずです。そんな時に、『でも、後悔はない!』と前向きになれる理由がほしかったんです。
結論を申し上げますと、『その子を応援したいと思えるか』が、私にとっての『後悔のない選択(採用)』の最重要観点であり、最良の採用要件だと思うに至りました。※正確には、以前からこれは私の中で重要な採用要件だったのですが、この時に改めて確信になりました。
その子がミスをしようが、思ったよりも成果が出なかろうが、辞めてしまおうが、どんな時でも『その子を応援したい』と思えるのであれば、後悔はありません。
結果として、この選択は私にとって、弊社にとって、最良の選択となりました。何があっても私はダークゾーンに堕ちることなく、温かく1号社員の子を見守ることが、これまでも、そしてこれからもできています(=事業、自分のやるべきことに集中ができる)。
2号社員に求めたもの
2号社員の採用にも本当に悩みました。2024年3月、あと一歩のところまで採用するかどうかを迷った方がいました。何度もオンライン面談を重ね、その方は山口在住だったのですが福岡まで来ていただき、お食事も1号社員の子を交えて3人で行いました。ただ、採用には至りませんでした。
何が足りなかったのか
では、その方には何が足りなかったのでしょうか。結論を申し上げると『その人らしさ』です。前述の通り、私は採用において『その子を応援したいと思えるかどうか』を最重要観点とすることに決めました。その意味において、この方からは『その人らしさ』があと一歩感じることができませんでした。
この方は、10年ほど国家公務員を務め、今回キャリアチェンジとして、ベンチャー企業やスタートアップへの転職を目指していました。この挑戦自体は素晴らしいなと思います。一方で、その方とお話しさせていただく中で、「行政での仕事には不完全燃焼感がある」「10年先、20年先を考えた時に、民間企業でスキルアップしたい」というようなお話しは出たのですが、一般論の域を出ず、『その人らしさ』『その人ならではの考えやきっかけ』が足りませんでした。上手く言語化はできませんが、私の中の『応援したいスイッチ』はONにならなかったのです。
何が私のスイッチをONにしたのか
あの時、採用を踏みとどまった「選択」は、今のところ今期の最も重要な選択の1つとなりました。なぜなら、その後に、1号社員の子と同様に心から採用したいと思える子と出会うことができたからです。※現状、私しか育成できる者がいないので、そんなにポンポン採用を進めることができないので、あの時あの方を採用していたら、今回の採用はなかったということです。
これまた先に答えを申し上げますと、この2号社員の子と面接する中で「あなたの在りたい姿はなんですか?」というような質問をした際の『誰かの傘になりたいです』という回答が、私の『応援したいスイッチ』をONにしました。
なぜそう思うようになったのかも含めたその子の話には『その人らしさ』を感じることができました。誰かのために頑張れる方、誰かの役に立ちたいと思える方は、自分のためにしか頑張れない人よりもきっと強い人であると私は思います。
どうしたら『その子を応援したいと思えるか』について、(1)その人らしさを感じられるか、(2)自分のためではなく誰かのために頑張れる人なのかどうか、が今のところ私にとってのキーポイントになっています。
最後に
スティーブ・ジョブズ氏の言葉に、『何を捨てるかで誇りが問われ、何を守るかで愛情が問われる。 - What pride is being questioned at or throw away, love is asked in what defend. - 』という一節があります。
ここからは私の解釈です。その人が捨てたものを視れば、その人が何を誇りに思っているのか、大事にしたいと考えているかがわかります。一方で、その誇り(利己)すら投げ打った時に、その人の愛情(利他)が問われる。と、私は解釈しています。
今後も私は多くの選択をすることになると思います。何かを選ぶ際には、他の選択肢を捨てることになるはずです。それを繰り返す中で、自分にとっての誇りが何なのかを知ることができると思います。また、その誇りすら投げ打ってでも守りたいと思えた時、本当の自分の『在りたい姿』が見えてくるような気がします。
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