我が子と1年ぶりの図書館は驚きをくれる場所だった
久しぶりに子どもを連れて図書館へ行った。
前に行ったのが去年の11月ごろだったからほぼ1年ぶりだ。
本は好きな方だけど、図書館に頻繁に通う方ではない。なぜなら、理由は至ってシンプルで私が返し忘れるからだ。
こんなに堂々と言うことではないのは承知している。
今回は、夏休みの宿題で読書感想文を書かなければいけないことから、図書館へ行くことにした。
1年も経つと、子どもはとてつもなく成長する。私はここでそれをヒシヒシと実感することとなった。
まず、本を読むスピードが明らかに速くなっている。えほんはもう大人が読むのと同じスピードで読めるようになっていた。
借りる本と、今すぐ読む本を選び次から次へと読んでいく。
もう読み聞かせる必要もなくなっていることに少し寂しさを感じながら、私は隣で、子どもが他にどんな本を持ってきたのか見てみた。
子どもが選んできた本の中に「怪談えほん」があった。
私は目を疑った。こわい話どころか、アニメでも少しヒヤヒヤするようなシーンは大の苦手なはずの子がこんな明らかにこわそうな本を選んでくるはずがないと。
表紙はそこまでこわさを感じるものではなかったから、「これはきっと題名だけみて持ってきたな、きっとこわくて読めないな」と思った。
「ねえ、これ怪談えほんって書いてあるから、少しこわい話かもしれないよ?」
と伝えてみた。すると、
「知ってるよ、さっき向こうで1回読んできたもん」
と平気な顔してサラッと答えたのだ。
えーーーーーーーーっ!?
読めたんかーーーーーーいっ!
いつもは、アニメで少しでもハラハラドキドキするような描写があると「これ見ない!」と言ってくる子が、こわい本なんて絶対読めないと思ってた。
聞くと、本は平気らしくむしろこのシリーズが読みたくて持ってきたという。
その中で1冊、一緒に読んだ怪談えほんがある。
題名は「いただきますごちそうさま」。
たくさん食べると両親に褒められるから、どんどん食べてどんどん大きくなっていった男の子が最終的には両親に食べられてしまうという、怪談らしい後味の悪い話だった。
本は平気と言っていた我が子も、少し衝撃的だったようで、読み終わった後は少し黙り込んでしまった。
私はそんな我が子に、
「本はね、物語を通して読んでくれている人たちに伝えたいメッセージがあるんだよ、この本も何かメッセージがあるんじゃないかな」
と伝えてみた。
「そうなんだ!」
子どもはそう言ってまた少し考え込んだ。
そして、
「お父さんとお母さんが褒めてくれるからってだけでやっちゃうのはダメなんだね」
と返してきた。
こんな風に解釈できるようになったのかと、また私は驚いた。
7年間毎日一緒に過ごしてきて、我が子のことならなんでも分かると思っていた自分が恥ずかしくなるほど、この子は急激に成長していた。
久しぶりの図書館へ行っただけで、私の知らない我が子の一面を知れて、こんなにも成長した一言が聞けるとは思ってもみなかった。
次はこの子のどんな一面が、いつ見れるか。
いろんなところに連れていってみたいと思った。
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