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あの人のこと。

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あなたにとっての「あの人」とは誰ですか? 生きているとその都度「あの人」の存在は変わっていきます。 あなたにとって今思い浮かぶ「あの人」はきっと誰にも分からないほど、感情の天国と…
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#恋愛エッセイ

遺伝子ってやつ。

遺伝子ってやつ。

この人の遺伝子を残したいって思う人ほどいつも片想いで
せめて遺伝子だけでも私にくださいって思う人ほど
毎月ちゃんとあれはやってくる

今回も殺しちゃったね
パンツを下ろして座った便座の上で何度思っただろう

遺伝子ばかりに拘ってたら
いつの間にかかなり大人になってて
SNSで知り合いが幸せそうに綴る結婚生活を眺めるだけでいた

あの人もこの人もみんな普通にできてるのに
どうしていつだって私は普通に

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終わってしまえば

終わってしまえば

すべてがきれいさっぱり終わってしまえば
人生一大だった恋愛も大したことがなかったと気づく

私にとってあの人はそんな存在だったけど
あの人にとって私は、人生一大なんて大それたものでもなかったことなんて
自惚れなくても分かっている

あれはなんだったんだろう

物理的に一緒にいた景色も少しずつ色は剥げて、形は歪んで
全く同じものなんて存在しないのに

私の心だけはあの頃と全く同じなんて、それはそれは

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遠い夏のアイスキャンディ

遠い夏のアイスキャンディ

ただただ暑い夏の日
日が当たりが良すぎる部屋は昼間電気をつけなくても過ごせる。
真っ黒い私たちにも忠実に太陽はこの部屋を照らしてくれていたから何かを勘違いをしていたのかもしれない。
いつも自分の家の冷蔵庫にアイスを常備しているあの人が「アイスが食べたい。」と口にする。うちの冷蔵庫にはアイスがない。
家を出るのも嫌なくらい暑いけど、アイスを買いに行こう。

クーラーの涼しさに守られていた私たちはまる

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思い出のない日曜日

思い出のない日曜日

久々に晴れた日曜日
ずっと続いてた雨雲にうんざりしていた私たちは
太陽を浴びたくて外へ飛び出し両手を伸ばす

新宿中央公園

芝生にレジャーシートを敷いてピクニックをする家族たち
ベンチに言葉数少なく腰掛ける父親と息子
スタバのフラペチーノを持って自撮りをするカップル
男を見つめては何度も「幸せ〜」と口ずさむ女
「ハレルヤ〜」と声をかけ外国人家族に話しかける老婆

遠くから聴こえる噴水の水の音

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台風の日

台風の日

東京に台風が上陸した日のこと

脅されるかのようにテレビでは「命を守る行動を取ってください」と言われ
あの人が去ったばかりの部屋で孤独と一緒に過ごしていた
大げさに窓を叩く雨音はただ事ではない

電車が事前運休を発表したり
商業施設が臨時休業をしたり
テレビでもずっと台風の情報が更新され
テレビの中で激しい雨風と戦いながらリポートするアナウンサーをただただ眺めていた

別に山奥でも川が近いわけでも

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違う人とのキス

違う人とのキス

あの人がこびり付いて心からも体からも離れてくれないので
新しい恋をすることを決めたんだ。
頑固な汚れがこびり付いたフライパン、いつかは買い替えるでしょ。
大切なフライパンだけどそのフライパンで料理しても焦げ付いて少し苦くて切ない気持ちになるから新しいフライパンに買い替えようって。

でも気づいてしまった。
新しい誰かと唇を重ねた夜「あれ、なんか違う。」そう思った。
別に嫌いじゃないけど。でも何か違

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