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笛田サオリ(さめざめ)
2021年10月2日 22:23
この人の遺伝子を残したいって思う人ほどいつも片想いでせめて遺伝子だけでも私にくださいって思う人ほど毎月ちゃんとあれはやってくる今回も殺しちゃったねパンツを下ろして座った便座の上で何度思っただろう遺伝子ばかりに拘ってたらいつの間にかかなり大人になっててSNSで知り合いが幸せそうに綴る結婚生活を眺めるだけでいたあの人もこの人もみんな普通にできてるのにどうしていつだって私は普通に
2021年9月27日 23:34
すべてがきれいさっぱり終わってしまえば人生一大だった恋愛も大したことがなかったと気づく私にとってあの人はそんな存在だったけどあの人にとって私は、人生一大なんて大それたものでもなかったことなんて自惚れなくても分かっているあれはなんだったんだろう物理的に一緒にいた景色も少しずつ色は剥げて、形は歪んで全く同じものなんて存在しないのに私の心だけはあの頃と全く同じなんて、それはそれは
2021年9月22日 21:13
ただただ暑い夏の日日が当たりが良すぎる部屋は昼間電気をつけなくても過ごせる。真っ黒い私たちにも忠実に太陽はこの部屋を照らしてくれていたから何かを勘違いをしていたのかもしれない。いつも自分の家の冷蔵庫にアイスを常備しているあの人が「アイスが食べたい。」と口にする。うちの冷蔵庫にはアイスがない。家を出るのも嫌なくらい暑いけど、アイスを買いに行こう。クーラーの涼しさに守られていた私たちはまる
2021年9月19日 23:25
久々に晴れた日曜日ずっと続いてた雨雲にうんざりしていた私たちは太陽を浴びたくて外へ飛び出し両手を伸ばす新宿中央公園芝生にレジャーシートを敷いてピクニックをする家族たちベンチに言葉数少なく腰掛ける父親と息子スタバのフラペチーノを持って自撮りをするカップル男を見つめては何度も「幸せ〜」と口ずさむ女「ハレルヤ〜」と声をかけ外国人家族に話しかける老婆遠くから聴こえる噴水の水の音笑
2021年9月18日 22:52
東京に台風が上陸した日のこと脅されるかのようにテレビでは「命を守る行動を取ってください」と言われあの人が去ったばかりの部屋で孤独と一緒に過ごしていた大げさに窓を叩く雨音はただ事ではない電車が事前運休を発表したり商業施設が臨時休業をしたりテレビでもずっと台風の情報が更新されテレビの中で激しい雨風と戦いながらリポートするアナウンサーをただただ眺めていた別に山奥でも川が近いわけでも
2021年9月17日 21:39
あの人がこびり付いて心からも体からも離れてくれないので新しい恋をすることを決めたんだ。頑固な汚れがこびり付いたフライパン、いつかは買い替えるでしょ。大切なフライパンだけどそのフライパンで料理しても焦げ付いて少し苦くて切ない気持ちになるから新しいフライパンに買い替えようって。でも気づいてしまった。新しい誰かと唇を重ねた夜「あれ、なんか違う。」そう思った。別に嫌いじゃないけど。でも何か違