終わってしまえば
すべてがきれいさっぱり終わってしまえば
人生一大だった恋愛も大したことがなかったと気づく
私にとってあの人はそんな存在だったけど
あの人にとって私は、人生一大なんて大それたものでもなかったことなんて
自惚れなくても分かっている
あれはなんだったんだろう
物理的に一緒にいた景色も少しずつ色は剥げて、形は歪んで
全く同じものなんて存在しないのに
私の心だけはあの頃と全く同じなんて、それはそれは恐ろしい
だけど、もう終わってしまったこと、それだけは事実で
いつまでも終わってしまったことばかりを部屋に賞状を額縁に飾るように
誇らしげに見せびらかしていたって
良い成績をとった過去の栄光でもないこのクズの栄光は
私にとって何の役にも立たない
あの人とよく会っていたこの時間
今は部屋で一人、部屋に飾られた賞状を眺めている私が一番気持ち悪い
終わってしまったのだよ
すでにとうの昔に終わってしまったのだよ
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