【読書メモ#3】竜馬がゆく その① 司馬遼太郎(著)
今回は司馬遼太郎の名作「竜馬がゆく」について取り上げます。
本の概要や読むきっかけ、心に響いた名言等ご紹介できればと思います。
■本の概要について
言わずと知れた日本史のスーパースター
「坂本龍馬」の生涯を描いた歴史小説です。
田舎生まれの次男坊が「幕末」という先の読めない時代に、
維新回天の立役者として上り詰めるまでを
壮大なスケールで描かれています。
1960年代に新聞の連載小説として掲載され、
全8巻で刊行されています。
なお司馬遼太郎はこの「竜馬がゆく」の執筆にあたって
東京神保町の書店からワゴン車1台分、
当時で約1400万円相当の古文書・古書を集めたため、
書店から坂本龍馬に関する資料が消えたという逸話が残っています。
■読もうと思ったきっかけ
きっかけは2つあります。
まず1つ目は、
以前、下記の記事でも書いたように
私が中学生のとき、父親から「竜馬がゆく」を勧められたものの、
当時読書嫌いだったということもあり、
学生時代に全巻読み切れず、再読しようと考えたからです。https://note.mu/ftakuma/n/n74ee06261521
2つ目は、
ソフトバンクの孫社長が私と同じ20代後半で大病を患った際、
療養中に「竜馬がゆく」を再読し、
「生きてるからには、なにかを事を成し遂げないといかん!」
と改めて考えたそうで、興味を惹かれたからです。
■【メモ①】事を成すには時運がある
ここからは心に響いてメモしたことを取り上げていきたいと思います。
まずは龍馬が話した下記からです。
人が事を成すには天の力を借りねばならぬ。天とは時勢じゃ。時運ともいうべきか。時勢、時運という馬に乗って事を進める時は、大事は一気呵成に成る。その天を洞察するのが、大事をなさんとする者の第一の心掛けじゃ。
生涯で「薩長同盟」や「船中八策」「大政奉還」といった
大仕事を成し遂げた龍馬が話した内容だからこそ、心に響く一言でした。
事を成すには、「時運(=タイミングやチャンス)」を待つことが
重要とここでは説かれています。
もちろん「時運」を確実に捉えるきるには、
それなりの準備も必要となるかと思います。
■【メモ②】官位も金もいらぬ人は仕末に困るものなり
続いて心に響いた言葉は、
主人公の龍馬ではなく、西郷隆盛が残した下記の言葉です。
命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るものなり。この仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。
私利私欲のない、器の大きい者こそが、
国家のために大業を成し遂げる人物として適任だと説いています。
江戸城無血開城の際、
戦勝者である西郷隆盛が勝海舟に対して
相手のプライドを傷つけないように謙虚に臨む姿勢等、
西郷隆盛の器の大きさと気配りの細かさに
感心する場面が本書ではいくつも出てきました。
■【メモ③】金なんぞ評判のあるところに自然にあつまる
続いては、また龍馬が放ったひと言からです。
金よりも大事なものに評判というものがある。世間で大仕事をなすのにこれほど大事なものはない。金なんぞは、評判のあるところに自然と集まってくるさ。
コツコツと信頼を重ね、
自分を高め続けることの大切さを再認識したひと言です。
■【メモ④】議論の勝ち負けを気にしない
竜馬は、議論の勝ち負けということをさほど意に介していないたちであるようだった。むしろ議論に勝つということは相手から名誉を奪い、恨みを残し、実際面で逆効果になることがしばしばあることを、この現実主義者は知っている。
作者の司馬遼太郎が龍馬の特徴を捉えたひと言ですが、
議論で相手のマウントを取ってしまうことは良くないということを
改めて気づかせてくれました。
まだまだ心に響いてメモしている言葉を残しているので、
続きは次回にまた書きたいと思います!
長文読んで頂きありがとうございました。
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