てつづみ

てつづみ

マガジン

  • 科学と聖書にまつわる随想

    「科学」と「聖書」をテーマにあれこれ思いめぐらしたことを綴ってみています。

最近の記事

科学と聖書にまつわる随想(11)

「食物と味覚」  近年は、省エネルギーへの意識が高くなってきて、家電製品を省エネ型に買い替えると年間いくらお得、などという話もよく耳にします。いつも使っている家電製品の消費電力がどれほどなのか、ということにも普段から意識が向くようになってきました。ところで、電力の単位はワット(W)ですが、1 Wというのがどれほどのものか、ということについては具体的なイメージはお持ちでしょうか?  電力とは仕事率、つまり、単位時間にする仕事のことです。物理学で言う“仕事”はエネルギーや熱量

    • 科学と聖書にまつわる随想(10)

      「虹の7色」  太陽光のスペクトルと人間の目の視感度のスペクトルのグラフは、どちらも500nmほどの波長(緑色の光)のあたりにピークがあって形が似ています。進化論者はこれを、人間の目が太陽光のスペクトルに合わせて進化してきたからだ、と言って片付けます。しかし、だとすれば、植物の葉が緑色なのはどうしてでしょうか? 緑色に見えるということは、波長500nm付近の緑色の光を良く反射しているということです。光合成のためには光を吸収する必要があるのに、一番強いところの波長の光を反射し

      • 科学と聖書にまつわる随想(9)

        「能力の限界」  私たちの目に見える光(可視光)は、およそ400nm~700nmほどの波長範囲しかありませんが、この範囲外の光に視感度を持つ動物もいるようです。例えば、昆虫には紫外線が見えると言われれています。夜、蛍光灯に虫が集まるのはこのためですし、蝶々は私たちが見るのと違った形の花を見ていると考えられます。また、鳥たちも紫外線が見えると言われています。  嗅覚についても、犬の嗅覚は人の何千倍も、あるいは、それ以上の感度があるそうですし、熊は、さらにその何倍も鋭い嗅覚を

        • 科学と聖書にまつわる随想(8)

          「光と闇」  現代の私たちの生活には欠かせないコンピュータやエレクトロニクスにおいて、半導体が用いられていないものは無いと言ってよいでしょう。半導体技術が依って立つ固体電子工学の分野においても、直観的にはなかなか理解の困難な事柄があります。  トランジスタや集積回路(IC)などに用いられる半導体材料はシリコン(Si)ですが、純粋なシリコンは金属ほどには電気を通しません。かといって、全く電気を通さない絶縁物でもないので“半導体(真性半導体)”と呼ばれます。元素の周期律表で、

        科学と聖書にまつわる随想(11)

        マガジン

        • 科学と聖書にまつわる随想
          11本

        記事

          科学と聖書にまつわる随想(7)

          「粒子性と波動性」  科学を突き詰めて行くと、とどのつまりは哲学に行きつく、ということについては、真摯な科学者なら誰しも同意するところではないかと思います。もちろん、自然科学は実験事実に基づいて仮説が検証され、最も合理的に事実を説明できるように理論が構築されて行く訳ですが、その理論が私たちの日常生活レベルの直観的な感覚では少々違和感を覚えるようなものになることも多々あります。例えば、量子力学や相対性理論はその典型ではないでしょうか。  1905年にアインシュタインは光電効

          科学と聖書にまつわる随想(7)

          科学と聖書にまつわる随想(6)

          「有限と無限」  熱力学第二法則は、“秩序から無秩序へ向かう変化”が自然界の普遍的な流れであることを示唆していますが、進化論はこれと全く逆の向きの変化が自然に起きることを主張している訳で、多くの人がそれを当たり前のように信じているのは不思議です。  天地創造の直後の状態は“非常に良かった”のに、人が「善悪の知識の木」の実を取って食べ、創造主との“契約”を破ったところから崩壊が始まってしまった訳ですが、そうすると、創造主の創造の業は失敗だったのでしょうか?  自然界の物理

          科学と聖書にまつわる随想(6)

          科学と聖書にまつわる随想(5)

          「最初は良かった」  自然界は急激な変化を嫌いますが、少しずつ徐々に変化していることも確かです。特に、地球温暖化などの気候変動の問題は、この点において近年で最も話題になっている事柄の一つではないでしょうか。では、その変化はどのように起きている、つまり、どこに向かって進んでいるのでしょうか?   そのヒントとして、“熱力学第二法則”について考えてみたいと思います。これは“エントロピー増大の法則”とも呼ばれ、孤立系(外界と物質やエネルギーのやり取りをしない独立した系)の内部で

          科学と聖書にまつわる随想(5)

          科学と聖書にまつわる随想(4)

          「命はどこから?」  人も含めて生物の体はDNAに込められた“情報”(つまり、創造主と人との間の契約)に基づいて形成されて行く訳ですが、このことは、生物の体の物理的な実体を形成するメカニズムを説明しているに過ぎません。小惑星探査機はやぶさが持ち帰った試料の中から水の痕跡や有機物が見つかった、ということがかつて話題になっていました。生命の起源を探る、というのがこの探査機プロジェクトの目的の一つだそうですが、しかし、発見されたものはあくまで生物の体の構成材料、と言うよりも単に原

          科学と聖書にまつわる随想(4)

          科学と聖書にまつわる随想(3)

          「組み合わせパターンとそれが表す意味の関係」  「言語(ことば)」は、限られた数の数種の“駒”(つまり、単語、あるいは、文字)の組み合わせ方で様々な意味を表す訳ですが、組み合わせのパターンとそれが表す意味との繋がりは、どのようにして生まれたのでしょうか?  言葉は文化ですから、その土地に住む人々の生活の歴史を通じて、人々が互いに意思疎通を行うために、人と人との間の約束・ルールとして培われてきたものでしょう。多くの人が使うものを、他の人と異なる使い方をしてしまうと、上手く意思

          科学と聖書にまつわる随想(3)

          科学と聖書にまつわる随想(2)

          「目にみえるものと見えないもの」  発信者が、あるルール・規則性・特徴・約束に従って意思を伝達しようとする時、用いる伝達手段として、そのルール・規則性・特徴・約束が体系化されたもの典型が「言語(ことば)」でしょう。そして、「言語」を表記するための符号が「文字」です。言語を表記する場合、一般に、何種類かの文字を組み合わせて並べることで表現され、その組み合わせのパターンによって意味を区別して表します。漢字の場合は、文字そのものが単独でも意味を表すことができますが、漢字もいくつか

          科学と聖書にまつわる随想(2)

          科学と聖書にまつわる随想(1)

          「シミュラクラ現象」  あるお饅頭屋さんで、饅頭を蒸した際に多くの饅頭に亀裂が入ってしまい、売り物にならなくなってしまって困っていたところ、その店の奥さんが饅頭の亀裂の傍に黒ゴマを2つチョンチョンと並べて付けてみると、ちょうど黒ゴマが目で亀裂が口のようになってニコちゃんマークみたいで、亀裂の形も色々あるものだからいろんな表情の顔ができて、これがカワイイと大受けし、かえって良く売れるようになった、という話を聞いたことがあります。困っていた問題を、ちょっとしたアイディアで一発逆

          科学と聖書にまつわる随想(1)