マガジンのカバー画像

ポエ文(ポエぶみ)

17
極めて誇張の入った日記的な文章を綴っていきます。
運営しているクリエイター

記事一覧

ポエ文(ぶみ)その16

何て言おうとしたか忘れた。言うまでもなかったことかもしれない、言う前に消えたほうが良かっ…

クイーカ
2年前
4

ポエ文(ぶみ)その15

光や音の振動を浴びると、心の水はふるえ、沸き上がった血液で温められた体は活性化した。そう…

クイーカ
2年前
6

ポエ文(ぶみ)その14

回線を速める。固まっていた動画が動きだす。こちら側は完全にフリーズしていて。枯れた植物は…

クイーカ
2年前
7

ポエ文(ぶみ)その14

ガラス造りのキャンディの中を、光の溶液が波打っていた。閃く赤や黄の電気に、中の光も伴って…

クイーカ
2年前
6

ポエ文(ぶみ)その13

ピンクとオレンジのかわいい憂鬱。が、白い細胞に溶け込んでいく。お砂糖とすすり涙の公約数め…

クイーカ
2年前
9

ポエ文(ぶみ)その12

ささくれだった冬の気配が、獣に似た足音、息遣い、が、する。気をつけろ!いつだって果実のよ…

クイーカ
2年前
3

ポエ文(ぶみ)その11

本日の鬱積をお風呂に沈めていこう。あぶくが水面に現れなくなるまでいよう。今回もなお欠席の感情を除名するにも名前もおぼろになっているから、いつまでたっても私は死にません。死んでませんよ。ほんの少し目線を下げれば、私の知らない世界がある。そう、火と水と悲しみと安らぎと過去と未来と生と死がない混ぜになって煮立ったスープが私を美味しい料理にしているのである。ミディアムレアがお好みな大口開けた運命は、私の帰りを待っている。火照った体。誰もいない部屋。無駄になった冷房代。ただそれだけが待

ポエ文(ぶみ)その10

昨日の晩御飯も思い出せないから前しか向いて歩けない。昨晩何をインストールしたのやら、ToDo…

クイーカ
2年前
3

ポエ文(ぶみ)その9

音楽に身を委ねている。目を閉じ、振幅をつかむと、歌声は私の身体になり、平行世界が起動した…

クイーカ
2年前
9

ポエ文(ぶみ)その8

9月の風は、外側は冷たく、中で熱気が燻ぶっているような煮え切らない感触だ。それが体にぶつ…

クイーカ
2年前
4

ポエ文(ぶみ)その7

およそ寝返りくらいの距離を走らせ生きてる喜びを見出した。キーを抜いてドアを閉めると、置き…

クイーカ
2年前
3

ポエ文(ぶみ)その6

かなしみの雨が降っている。泥や澱を含んでいる。50日間を染め尽くした末、無色透明になっても…

クイーカ
2年前
8

ポエ文(ぶみ)その5

好きなだけ果実を食い散らして、満足したら次へと進もう。時候の挨拶にもならないような扱いで…

クイーカ
2年前
4

ポエ文(ぶみ)その4

微睡みの国の領土に半身突っ込んで、今日も呼吸の仕方を確かめる。境界線上を行き交うトビウオを見送って、私という魚群の干からびた一匹一匹を、思考にならない思考に集わせた。どこに行けばよいのでしょう、とつぶやくと、無数の方向に散らばって私は少し小さくなった。そうして戻らない密度を寂寞が音もなく通り過ぎていく。悪意のない嘘がつけるようになったこと、悪気もなく嘘がつけるようになったこと、2つの領土を行ったり来たりして、さまよった選択肢は二股状で、どちらも概ね同じ方角に向いているの、だか