ポエ文(ぶみ)その12

ささくれだった冬の気配が、獣に似た足音、息遣い、が、する。気をつけろ!いつだって果実のように心を剥かれてしまうのだ。気をつけろ!歩く葦だなんてとんでもない、ぼってりと実を垂らして歩く愚鈍な樹よ。気をつけろ!コートなんかで暖められない、小部屋に鍵穴から忍び入り、橙のランプが照らす一食のスープを静かに葬る、あの風に。

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