ポエ文(ぶみ)その13

ピンクとオレンジのかわいい憂鬱。が、白い細胞に溶け込んでいく。お砂糖とすすり涙の公約数めがけて狙ったダーツの当たったところが滅びます。ドライアイスで眠らせて。融け落ちそうな膚を急速冷凍で。起こしてくれなくても構わないから。いろんな気持ちがなにもない水面を円状に広がって、それとそれが衝突するたびにじくじくと孤独が響く夜。それをスクリーン越しにきれいだねと言い合う客、足を滑らせないかなとごちる私。プラネタリウムと動物園の合いの子みたいなエンターテインメントが日夜稼働している昨今、禁煙の反動かと思えるほどにえげつない色の空気を室外機が吐き出し続けている。外は秋。思い浮かびもしない欲望がとどまるところを知らない秋。NとSのさなかにおいて、心象未満から震え出す秋。赤い恋愛の南風は去って、あらゆる表層がゆめかわの様相を呈していく、秋。

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