2022年9月の記事一覧
「チャンス」に騙される1
アリエリーらは、「扉ゲーム実験」を考案しました。
プログラムを立ち上げると、画面に三つの扉が表示されます。それぞれの扉は、赤、青、緑に塗られています。
被験者は、扉をクリックすれば、どの部屋にでも入ることができます。一つの部屋に入ったら、クリックするたびにある範囲の金額(1セントから10セントのうちの一つの金額)をゲットできます。部屋ごとに、ゲットできる金額の範囲が異なります。部屋から部屋
「チャンス」に騙される2
三つの扉の実験の続きです。
扉を消したくないという気持ちが強く、結局損をしてしまう行動に及びやすいことが分かったので、扉を消さないためには、3セント払わなければならないという条件を追加しました。
これでも結果は同じでした。ますます損失を増やすことになってしまったのです。
優秀な学生ならば、事前に練習をすれば、何が得か理解できると思って、練習の機会を与えても、その期待は見事に裏切られてし
ズルを助長するわな1
先に紹介した実験(ズルを減らす十戒)で用いたのと同じ、二つを足してちょうど10になる組み合わせを探す問題(5分間で20問実施)を今回も使い、1問正解するごとに50セントを渡すことになっています。対象者はMITの学生で、おおむね均質な集団と考えられます。
今回は、3つのグループに分けて行います。実験の始まりは同じですが、終わり方が違います。
① テスト後、解答用紙を提出させ、正答数に応じて5
ズルを助長するわな2
ばれないと分かっているときには、多くの正直な人達も少しばかりズルをします。その際、ズルをして手に入るのが現金の場合には抑制が利きやすいのに対し、現金ではなく、現金との引換券が手に入る場合は、抑制の利きが悪くなることを先に紹介しました。
現金を使わないことによって、消費の際に抑制が利きにくくなることは、社会のデータが示しています。
アリエリーが紹介しているのは、10年以上前のアメリカの例で
場が引き出すバイアス1
カロライナ・ブルワリーにおける無料サンプルビールの注文実験をアリエリーらが実施しました。研究費として1400ドルのビール代をMITが支払ってくれたようですが、MITの会計係には詳細な説明を求められ、苦労したと感想を述べています。
無料のサンプルビールは4種類あります。それぞれがどんな特徴を持ったビールかを省略しても実験の要点は伝えることができますが、アルコール飲料の話になると関心が高まる人が
場が引き出すバイアス2
ダン・アリエリーの「予想通りに不合理」を読んできましたが、今回が最終回です。
前回、無料のビールが4種類提供されるとき、4人グループ中で順々に注文を聞かれると、最後の人は、独自性を出そうとして、他の人の注文していないビールを頼み、満足感が得られないというような話題を取り上げました。
この実験を香港でやってみると、独自性を出そうとするのではなく、逆に周囲に同調しようとする人が多いという結果