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フィネアス・ゲージ by A.Damasio

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鉄道工事中の事故で鉄の棒が左頬から頭部を突き抜ける重傷を負い、一命をとりとめたが、人格が変わってしまったフィネアス・ゲージ。彼に何が起こったか、脳科学者であるアントニオ・ダマシオ… もっと読む
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記事一覧

フィネアス・ゲージの事例1

 1848年夏,日もまだ高い午後4時半頃に,その事故は発生した。場所は,アメリカ北東部に…

フィネアス・ゲージの事例2

 事故後20年目に,ドクター・ハーロウがこの事故に関する報告をまとめた。詳細にわたる事実…

フィネアス・ゲージの事例3

 ゲージの治療に当たっていたハーロウがゲージの死について知ったのは,ゲージの死後5年ほど…

症例 現代のゲージ1

 「仮称」エリオットは,アントニオ・ダマシオの患者である。当時の年齢は30歳台であり,ダ…

症例 現代のゲージ2

 CTやMRIを用いてエリオットの脳の損傷部位を確認すると,おおまかには,左半球の方が右半球…

症例 現代のゲージ3

 エリオットに対しては,WAIS以外にも,様々な検査が実施されている。レイの単語表や複雑な数…

症例 現代のゲージ4

 ダマシオの同僚であるジェフリー・セイヴァーが,エリオットに対して社会的慣習と道徳的価値との関する一連の対象検査を行った。 ①社会的状況(苦境)での解決策に関するテスト  たとえば,ある人が同居人の花瓶を割ったとする。ここで被験者は,同居人が怒らないようにするために取るべき行動を問われる。次いで,被験者から代替解決策を引き出すために,「他にできることは?」といった,あらかじめ定型化しておいた催促がなされる。そして,被験者が考え出した,内容の異なる妥当な解決策がいくつあったか

症例 現代のゲージ5

 情動も感情も消えたとき,人間の決断・行動はどうなるのか・・・これが「生存する脳」第四章…

症例 現代のゲージ6

 (ゲージやエリオットと同じような行動面・意思決定面での問題を持つ疾患として)取り上げる…

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症例 現代のゲージ7

 推論や意思決定に影響を与えると考えられる脳領域の一つに扁桃体がある。好き嫌い等の情動に…

症例 現代のゲージ8

 ゲージ等とは若干異なるが,前帯状回の損傷が及ぼす問題についても確認しておく。要約の前に…

症例 現代のゲージ9

・・・・・  「生存する脳」(日本語訳)の出版が2000年のことなので,すでに20年以上が経過…