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アジア訪問記

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アジア訪問記まとめ。中央~南アジア中心です。
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#イラン

カスピ海のごちそう

カスピ海のごちそう

 イラン北部、カスピ海にほど近い都会の街ラシュトを旅していた時の話。

 この地へ来た目的は三つだ。一つ目、アシュバルという魚卵の珍味を見つけ、食べること。二つ目、チョウザメの身を見つけること。そして三つ目、酒を見つけること。

 ノンフィクション作家で翻訳家の高野秀行氏の本「イスラム飲酒紀行」によると、イラン北部の街ラシュトでは、マーヒーセフィード(白魚)という魚の卵を塩漬けにして発酵させたアシ

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風吹く丘、千年動く伝統の風車

風吹く丘、千年動く伝統の風車

 イラン北東部の村、ナシュティファ―ン。

 イラン第二の都市にしてシーア派の一大聖地・マシュハドから直線距離にして南に約250km。さらに東に約30km進めばアフガニスタン国境にぶつかる、イランの最果ての地にある人口7,000人程度の村である。

テヘランからナシュティファーンへ さて、僕はしばらくイランを旅している。北に接するトルクメニスタンから陸路で入国し、前述のマシュハドから主要都市及び辺

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ザグロス山脈でピクニック

ザグロス山脈でピクニック

 イランのザグロス山脈にはサルアガセイエッド(Sar Agah Sayed)という辺境の村があるらしい。そこは「世界の半分」エスファハーンから西に約300km、ザグロス山脈の谷にあり、山に沿って家が何層にも折り重なり連なっている集落に、春~秋の間だけ麓町から人が移り住んで放牧生活を営んでいるらしい。そんな情報を知り、景色見たさに訪れることとした。

 僕がその地に向かおうとしたのは金曜日。エスファ

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