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拒めばしがみつき、受け入れると満足する?

#20230827-210

2023年8月27日(日)
 相部屋と家族部屋。
 里親会の家族旅行で「どちらでも」を我が家は選択した。
 結果、むーくん(夫)と別室になり、ノコ(娘小4)と私はほかの里母子さんとの4人部屋になった。

 ホテルの宴会場での夕食は賑やかで、みなの前に立ち、自己紹介ならぬ家族紹介をしたり、子どもたちにはビンゴなどお楽しみが用意された。
 夕食後は広めの個室に移り、親たちは集い、その隣室ではまだ起きていたい子どもたちが遊んだ。
 同室の里子さんはまだ幼くて寝てしまったので、里母さんは親の集まりには参加せず付き添っていた。そのうち眠くなってきたので先に休むと連絡が入った。
 ノコは寝る気配はなく、隣室から盛り上がる声にノコの声も混ざっていた。
 親の集まりがお開きになり、子どもたちを迎えに行く。
 「まだ遊ぶ!」
 ノコは叫んだが、ほかの子たちが親に手を引かれてそれぞれの個室に引き上げていくのを見ると気持ちを切り替えた。

 部屋に戻ると、同室の里母子は眠っていた。
 ノコに歯を磨いて、トイレに行くよう声を掛けると、やだやだノコが復活した。
 「ヤダ!
 同室の子がちょうどイヤイヤ期なのか、母親が何かいえば、家でのノコのように「ヤ!」と叫ぶ。ノコは小さな子の前ではお姉さん振るので、日頃の自分を棚に上げて、かがんでその子に目を合わせるとやさしく「一緒にやってあげるから、○○しよう」という。その子も母親に対しては「ヤ!」なのに、ノコのいうことは聞く。
 ノコの「ヤダ」は影をひそめるし、同室の小さな子もノコには「ヤ!」といわない。
 母親2人には大助かりの相部屋となったのだが、私と2人きりになるとノコは簡単に「ヤダ!」を口にした。

 部屋はベッドが2台布団が2組
 ホテルに到着し、まず荷物を置きに部屋へ向かった。同室の里母子が布団、私とノコがベッドとなったが、ノコが子ども同士布団で寝るといい張った。あちらの里母さんが里子さんの寝相が悪いからおすすめできないといったが、ノコは「大丈夫、大丈夫」と折れなかった。
 それで親がベッド子どもが布団となったのだが、明かりを落とした部屋を見てノコがいった。
 「やっぱりベッドがいい」
 ノコが我が家に来た直後は一緒に寝ていたが、その寝相の悪さにむーくんも私も睡眠不足になった。小学校にあがる直前にノコから「1人で寝る」といったので、これ幸いとそれ以降ノコは1人で寝ている。
 ごろごろ転がり、ズドンと蹴る。寝相の悪い子の攻撃は知っている。ノコが一緒に寝たいといったのだから、勘弁してほしい。
 「ママはお布団は嫌よ。ノコさんがいったのだから、お布団で寝てちょうだい」
 「ヤァダ!
 薄闇のなかでノコが私を睨む。
 ここでノコに騒がれて、同室の2人を起こしたくない。
 「・・・・・・わかった。じゃあ、ママとベッドで寝よう。ノコさん、蹴らないでよ」
 ノコはいそいそとベッドにもぐり込み、手も足も私の体にぎゅうぎゅうとからめた。
 苦しい。
 「ねぇ、ママママ、ママママ、お話して」
 「寝ている人がいるし、もう遅いから寝るよ」
 「ヤァダ!
 ノコが耳元で声を荒げ、腕も足も力を込めたので苦しさが増す。痛い。
 「こんなときじゃないと、してもらえないじゃん!」
 いやいや、お話や読み聞かせはノコが定時にベッドに入ればすることになっている。いつも「寝たくない」と就寝時刻を遅らせるのはノコ自身だ。
 私は諦める。
 「あるところに・・・・・・」
 今日は朝も早かったし、炎天下子どもたちが水遊びをするのを見守ったり、BBQをしたり、イベントが盛りだくさんだった。楽しかったが、疲れもした。眠い頭で物語をひねりだし、口に伝える。
 「・・・・・・はい、おしまい。明日もいろいろお楽しみがあるからね。寝るよ」
 ノコががばりと身を起こした。
 「お布団行く
 「ん? ベッドで寝るんじゃなかったの?」
 「お話してくれたから、もーいい」
 ノコの寝相攻撃を覚悟した途端、あっさりノコが身を引いた。

 そんなものかもしれない。
 拒めばしがみつくけれど、受け入れれば満足する。
 受け入れたほうがきっと早いのかもしれないが、引くと限らないところが難しい。
 目を閉じて、ベッドのなかで手足を伸ばした。あぁ、広い。

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