出したら元に戻さない。

#20231104-278

2023年11月4日（土）
　私もむーくん（夫）も物持ちゆえ、我が家は決して片付いている方だとはいえない。
　それはわかっているが、居間やキッチン、洗面所など家族共有の場所には物の定位置がある。そして、毎日出したものを戻している。

　「片付け」が意識に浮上しているのは、ノコ（娘小4）の部屋がまた魔窟化してきているからだ。

　先日、ノコの小さくなったたくさんの衣類は地域の里親さんにお譲りしたので、だいぶ減った。我が家まで引き取りに来てくださった方にはノコがいらないといったオモチャも持ち帰っていただいた。オモチャだけでも大きな段ボール箱が2つきれいに消えた。
　ノコの部屋から物は減ったはずだ。
　それが先程覗いてみたら、床には服が散らばり、オモチャを探したらしく、クローゼットのなかも荒れている。少し前に鼻水が出ると鼻の穴に詰めるティッシュを棒状に丸めていたが、未使用のそれが10本ばかり床に散乱している。鼻詰まりはもう解消したはずだ。
　ノコは自分の部屋が一番「落ち着く」というが、この散らかりに散らかった状態がいいのだろうか。
　なんだか、取っ散らかったノコの頭のなかのようだ。
　私はノコの部屋に入ると、気が滅入る。

　普段着は、選びやすいようハンガーラックに掛ける収納になっている。
　習い事用のウエアはベッド下の引き出し。片付ける場所はあるし、決まっている。
　洗濯した衣類はノコの部屋の大きなカゴに私が入れる。本来なら、そこからノコがハンガーラックなり、ベッド下の引き出しなりに片付けることになっている。畳まなければならないのは、習い事用のウエアくらいで、大半はハンガーに掛けるだけでいい。
　毎日、ノコはハンガーラックからではなく、カゴから着る服を引っ張り出す。
　せめて探すのにカゴから出した服はカゴに戻せばいいのに、床に散乱したままだ。カゴの下の方にあった服を出したときには、カゴは空っぽ、床は服の山となる。
　部屋のドアも物で閉まらない、足の踏み場もない部屋にイライラしないのだろうか。

　家なら私も探しようがあるが、学校に置いてあるものはさすがにノコに任せるしかない。
　2学期に入ってから、ノコは上履き袋がないという。
　家に持ち帰ったのを見ていないし、名前はきちんと書いてある。校内で落としたのなら見付かるはずだ。
　毎週毎週「探してきてね」と声を掛けているが、ノコは「探したし！　ないし！」というばかり。
　そんな威張られても困ってしまう。学校に行った際に、担任教諭に気にしていただけないかお願いをした。遺失物置き場にはなかった。結局、廊下にあるノコの私物を掛ける場所にあったと連絡が入った。

　絵の具を使う授業があった。
　帰ってきたノコは「絵の具道具を忘れたから、友だちがやるのを手伝った」と洗っても絵の具が落ち切れてなかったのだろう、絵具が詰まった爪先を私に見せた。週末になると、ドリルのほかに色塗りを仕上げる宿題が加わった。先日できなかった作品を完成させなければならないという。
　「ママママ、ママママ、絵の具道具ない」
　ないっていわれても困る。
　ノコのおもちゃ箱をひっくり返したような部屋のなかで、あるとしたらココという場所を探すがない。
　これはノコが忘れたと思っただけで、実は学校に道具があるパターンではないだろうか。
　「これだけ探してもないっていうことは、学校にあるんじゃないの？」
　「そうかも」
　目をくるりと回して、ノコが軽くいう。
　あったのに、ないとして、やりたくない宿題を増やす。
　本当に何をやってるんだか。
　週明けに、今度は絵の具道具を探してもらわないといけないのだろうか。

　学校で私物を置ける場所は限られているはずだ。机のなかと机の両脇、教室の後ろにあるロッカー、廊下にあるフック。