里親子の集まりをどう説明したらいいのだろう。
#20240113-340
2024年1月13日(土)
里親のランチ会に里子のノコ(娘小4)を連れて、出席した。
会場となったお店は「お子様連れ歓迎」といっているだけあり、いたるところにもし店の物を汚したり、壊したりした場合は遠慮なく伝えてくださるようにと書いてある。子ども向けに折り紙や筆記具のセットも用意されている。
騒ぐ、汚す、壊す。
子連れだとどうしてもそこに気を張ってしまう。
「ダメダメ」と子どもにいいたくないが、目を離せば即「騒ぐ」「汚す」「壊す」がフル稼働する。
もちろんさせないよう心を配るが、店側の姿勢ひとつで気負わずに済む。
今回出席した里子たちのなかで、ノコは年長者だった。
同じ、もしくは少し年上の相手だと、気の強さが出て、トラブルになることがあるが、小さい子を前にすると違う。お姉さん振り、せっせと面倒を見る。
委託年数はまだ4年を過ぎたところで決して長くはないが、幼児を養育中の里親にはそんなノコの姿がしっかりして見えるらしい。まぶしそうにノコを見つめていう。
「4年生って、こんなにお姉さんなんですね……」
いやいや、家では違う違うと突っ込みたくなるが、ノコの鼻がビュンと高くなっているのをへし折るわけにはいかない。
私は曖昧な笑みを浮かべて、心のなかで「外ヅラがいい分にはまだいいわよね」とつぶやいた。
幼稚園年長児で我が家に来たノコは、自分の生い立ちを年齢なりに理解している。
乳児院はおぼろげだが、育った児童養護施設の記憶もある。一緒に暮らした友だちや職員の名前や顔も覚えている。
はじめは実親を「産んでくれたママ/パパ」と呼んでいたが、パパは直接的には産んでないので適切ではなく、いいにくかった。「本当の親」というと、まるで里親である私たち夫婦が「嘘の親」といっているような気がしてためらわれた。
「産みの親」「育ての親」あたりが当てはまるかと思ったが、わりと早いうちから「実親」「里親」「里子」という言葉をノコには教えた。
そのため、今日のランチ会の説明は簡単だ。
「里親のランチ会があるんだけど、里子も参加OKだからノコさんも行く?」
これで済む。
ノコはここに集う子どもたちは事情の違いはあれど、みな里親のもとで暮らしているのだとわかっている。
低学年の子どもがいる母親が首を傾げていった。
「この集まりをほかの親子の集まりとどう違うのか子どもに説明できなくて」
その子どもは、もちろん事実告知を受けている。
今一緒に暮らしている両親から産まれていないことは知っている。子どもに里親子ではない友だち親子をなぜこの集まりに招いてはいけないのかと問われて、言葉に詰まってしまったという。
「ノコさんはもう里親、里子という言葉を知っているから、それ以上のことは尋いてこないからなぁ……」
そう返したものの、私自身すっきりしなかった。
もし、ノコが「里親」「里子」という言葉を知らなかったら、私はここに集う人たちをどう説明しただろうか。私は貸切の座敷で賑やかに語り合う里親子たちの顔を見まわした。
里親会の名称を教えるというのもある。
だが、今は学校から児童それぞれにタブレットが支給される時代だ。低学年でもすぐに検索を覚え、調べる可能性がないとはいえない。自分の生い立ちを理解している子ども自身が検索するのならいい。軽い気持ちで友だちが検索した場合を考えると、里親会の名称で通すのも確かにためらわれる。
知られたくないわけではない。
中途半端な知識で、友だちが子どもにどういうかが心配なのだ。
もし私だったら、と頭の片隅で考えているが、なかなかいい案が出ない。
「里親子の集まり」という言葉を用いず、幼い子どもが納得できるいいまわしは何だろう。
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