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お子さんは学校のことを話しますか? そのために私がした3つのこと。

#20230604-126

2023年6月4日(日)
 「ママママ、ママママ、聞いて聞いて!」
 今でこそ、学校から帰ると玄関先で靴も履いたまま、そう叫んで話し出すノコ(娘小4)だが、委託されて2年ばかりはそうではなかった。

 「幼稚園、どうだった?」「お友だちと何したの?」「今日は学校でどんなことあった?」と幼稚園や小学校から帰宅したノコに問うても返事はいつも「別に」「忘れた」「なんもない」。
 これは問いかけがよくないのだろうか、と質問を具体的にしても変わらなかった。面倒くさそうに、時には本当にちっとも覚えていないような顔をノコはした。
 幼稚園は、委託直後で先生との距離や連絡をどう取っていいかわからず、園での様子を積極的に尋ねることができなかった。
 小学校はちょうど新型コロナウイルスの流行がはじまった時期だった。ノコは入学が6月にずれた学年だったこともあり、学校側も感染状況に対応した新しい学校生活に変えねばならずバタバタしていた。いや、世の中そのものが今までになかった事態にまごついていた。
 学校行事はことごとく中止になり、保護者同士が知り合う機会が奪われた。
 毎月のようにあった里親同士のランチ会も休みになり、児童相談所でのサロンや研修も数が減った。
 顔を見て、相談できる相手がいなくなった。

 インターネットで「子どもが幼稚園や学校のことを話したがらない」と検索すると、似たような悩みを抱えている親御さんの投稿があった。やはり子どもは「別に」「忘れた」というらしい。
 それに対するアドバイスは、具体的な返事ができる問いかけにする。そういう年齢なのだと諦める、またはしばらく見守る。
 難しい。
 待てば、話すようになるのだろうか。

 私が心掛けたことは、3つ。
 ノコが珍しく学校のことを話しだしたら、

  1. 遮らない

  2. 否定しない。

  3. アドバイスをしない。

 学校の楽しい話ならいいのだが、ノコの話は違う。友だちや先生にこうされて「嫌だった」「ひどい」「みんな、私のことが嫌いなんだ」。その視点があまりにもかたよっているように感じ、違う角度から見たらノコの気持ちが楽になるのではないか、とついアドバイスをしてしまう。
 ノコにしてみたら、そんなのは余計なお世話
 それに気付かず、私はせっせと「そうじゃなかったのかもよ」「お友だちはこういうつもりだったのかもよ」「ノコさんの考え過ぎで、先生はこう思ったのかもよ」とノコの話を遮りノコの感情を否定し、よかれと思って「~かもよ」のアドバイスをしてしまう。
 これではますます口が重くなってしまう。
 とりあえず、私はその3つを実践してみた。

 すぐに効果があったわけではない。
 変化は少しずつ少しずつ。ノコは次第に学校のことを話しはじめ、今や玄関で靴を脱ぐのももどかしい勢いで話すようになった。
 「ママママ、ママママ、聞いてったら聞いて! 〇〇ったら本当ひどいんだよ!」
 相変わらず、楽しい話が飛び出す確率は低い。
 嫌だった、ひどい、ムカつく、といったことが大半だ。
 それでも、学校でノコが感じたことがわかるのは安心する。
 ノコに見えている学校生活がわかる。
 ごりごりにノコ中心の世界で、周りのお友だちや先生への気遣いはまだほど遠い。
 私は今も毎日自分とはかなり違うノコの「目」を通して、彼女の心を探している。

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