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ストーリーテリングの実習を再開します。今日はその第一歩のお話選び。

#20231014-260

2023年10月14日(土)
 図書館での子ども向け読み聞かせボランティアの当番日。
 普段はノコ(娘小4)の習い事があるため、私はむーくん(夫)の休日と重ならないと当番ができない。
 今日はそんな年数回の貴重な日。
 ノコの習い事送迎はむーくんにまかせ、私は図書館へ向かう。

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行したのに伴い、読み聞かせ会のスタイルもコロナ禍前に近くなってきた。定員が増え、子どもたちが座る位置も密にならないよう間隔をあけていたが、それもなくなった。靴を脱ぎ、自由にカーペットの上に座れる。事前予約制だったのも当日ふらりとやってきた子どもも入れるようになった。

 ノコに手が掛かることを理由に活動の中心であるストーリーテリングの実習を私は休んでいた。
 それを先日再開することにした

 当番の後、図書館内で実習する本を探した。
 私はノコの通う小学校でも読み聞かせのボランティアをしている。そちらでの持ち時間は図書館より短く5分。子どもたちの前でする機会を増やすためにも図書館と小学校、どちらでもできる話にしたい。
 好きな話を選んでもいいのだが、初心者の私はストーリーテリングに適した物語がわからない。冒険せず、案内本からとりあえず4~6分で語れる話を選ぶ。20話近くあり、収録してある本にして13冊。それらを書棚から抜き、貸出手続きを済ませる。

 現在、読み聞かせ会でよく語られる話は、さすが先輩方が選ぶだけあり、よいテキストだと改めて思う。魅力的だが、何人も持ちネタならぬ、持ち話にしている。語り手が変われば、語り方も変わる。同じ話を語れる人が複数人いることは悪いことではない。
 たくさんの語り手がやりたくなる話にするか。
 私が所属してからあまり聞いたことがない話にするか。
 いやいや、物語を私のなかに取り込むのだ。
 それは食べるようなものだ。
 栄養云々ではなく、味や風味も含めて私が好きなもの、体の一部にしたいものがいい。
 私が心底語りたいと思える話にしよう。

 本選びをしてもノコとむーくんより早く家に着いた。
 夕食の支度をしながら、借りてきた本に目を通していく。声に出して読んでみる。
 帰ってきたノコが積んである本に目を見張る。
 「ママママ、ママママ、何してるの?」
 「ママね、お話の練習をはじめようかと思って。どのお話にするか、選んでいるところ」
 「ふーん」
 顔を横に倒して、ノコが本の背表紙を読む。
 「ママ、寝るときにどれか読んで」
 「いいよ。どれにする?」
 ノコが嬉しそうに手を本に伸ばす。
 すっかり自分で読めるようになったノコ。それでもやっぱり読み聞かせは別ものなのだと目を細めてしまう。
 20時までにベッドに入ったら読み聞かせという約束は、低学年のときのままだ。4年生の今は熱でも出さない限り、20時前に寝床に向かうことはない。親による読み聞かせを喜ぶこともそう遠くない未来になくなるだろう。
 今だけ、今だけ。
 読み聞かせにはしゃぐ間は、何時までと固いことをいわず本を開こうか。

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