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家族のバランス。~パパの時、ママの時~

#20240604-407

2024年6月4日(火)
 本日のノコ(娘小5)の習い事は17時からだ。
 学校から帰るのが16時。軽くお腹に入れて、すぐ家を出なければ間に合わない。
 終わる時刻が遅いので、疲れて帰ってから宿題となると集中力もなくなり、長引いてしまう。習い事に少し遅刻してでも、宿題をせめて半分はしたほうがいいだろうか。
 悩んでしまう。
 「今日のおやつは何にしようかなぁ」
 お菓子のワゴンを眺めながら、ノコが体を揺らす。
 「封を開けたのから食べてね」
 釘を刺さないと、ノコは新しいお菓子を開けようとする。
 「じゃあ、かりんとうかな!」
 黒蜜がたっぷりかかったかりんとうの袋を手に取る。

 宿題が書かれた連絡帳を見ながら、のんびりかりんとうをかじるノコに尋ねる。
 「計算ドリル漢字ドリル、どっちからやる?」
 「音読」
 宿題エンジンをかけるためにハードルが低いものからはじめることも大事だが、音読は明朝私がノコの髪を結っているときでもできる。頭を使う計算と丁寧さを要する漢字練習とどちらかをまだ眠気もなく、機嫌もいい今のうちに済ませてほしい。宿題には自主学習もあるが、ノコは課題をどうしようかと考えるうちに勉強する気がせてしまう。
 「ノコさーん、ママは計ドと漢ドっていってるのにぃ。1番と2番どっちがいいかとかれて、3番って答えてるようなもんだよ。音読は明日の朝でもできるでしょ」

 散髪に出掛けていたむーくん(夫)が帰ると、ノコがピリッとする。
 父親は娘に甘いというが、我が家は夫のほうがノコに厳しい。あれこれというので、ノコは夫のいない場で私に不平不満をぶつけてくる。「なんでパパと結婚したの」「パパ、大嫌い」「パパってサイテー!」。そういうわりに、夫にまとわりつく。仲がいいのか、悪いのか。2人を見ているとわからなくなる。
 まとわりつくといっても、小学5年生だ。
 抱っこ、おんぶといってみたり、ソファーで横になっている夫にもたれたりはするが、私にするように向き合って膝にのってくるようなことはしなくなった。
 ノコは夫の目を盗んで、私のところに来ては「ママママ、ぎゅうが足りない」という。
 そうして、私の膝にまたがって座り、抱きついてくる。唇を私の首筋にあててキスをし、よだれまみれにする。細身のノコだがはや30kg近い。筋肉質なのか、ずしりと重い。私は宙を眺めながら、ノコの気が済むまでなすがままでいる。
 私だって厳しいこともいうし、口うるさい。でも、ノコにとって異性である夫とは違う意味で甘えられる存在になっているようだ。それは嬉しいが、「甘えられる」は「ヤダといってもいい」と紙一重のところがある。
 私が宿題を進めるようにいってもノコは動かない。
 今日は晴天だから自転車で習い事へ行くというと、「ヤダ」「面倒くさい」と渋る。
 自転車で出発したものの、少しでもスピードを出すと「速過ぎる」「疲れる」と不満をもらし、ペダルをこぐ足をゆるめる。
 どれもノコは夫にはいわないし、しない
 習い事の送迎が夫だとわかると、ノコは私の袖を引き、物陰で「ママ、パパと行くのヤダ」とぼやく。それでも動きは早い。
 私はノコの対応の違いに、夫をうらやましく思ったり、ノコを妬んだりしつつもこれが「家族のバランス」なのだろうか、とも思う。
 まぁ、肝心なところで夫はノコに甘い。
 夫が甘いところは、反対に私が手厳しい。
 ノコもそのあたりはわかっていて、その時々で「パパがぁ~」「ママがぁ~」と甘いほうへ泣きつく。
 その態度の差は、鋭い嗅覚で自分に甘そうな人を嗅ぎわけるというより、積み重ねた時間が生んだ「お決まりのパターン」に見える。だからだろうか、ざらりとした不快感がない。
 むーくんの退社時刻が遅く、ワンオペレーションワ ン オ ペ育児の日は手間がかかるが、そのときはそのときで私なりにノコとやりあうだけだ。私も腹をくくる。

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