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動物園の未来を考える④日本固有種について

前回まで、動物園の未来を考えると題して
①動物園必要VS不要の対立について
②動物園はおそらく衰退する
③動物園をもっと必要とされている地域へ輸出する
と書いてきました。

概ね、ここまででほぼ未来については終わってます。。

今回は③で少し触れた
日本固有種の保護、研究について

一般的に日本固有種はこんなイメージではないでしょうか
「地味」、「つまらない」、「どこにでもいる」

これは当り前に身の回りにいるので、こう感じてしまうのであって、実は日本以外に暮らす海外の人はそうは思ってないようです。

例えば
ニホンザル。私達は猿の基準をニホンザルで考えがちですが、このニホンザルは英語ではスノーモンキーと呼ばれ、北限のサルとして知られています。
ニホンザル以外の猿を思い浮かべていただくとわかるかも知れないですが、猿は基本的に暖かいところの動物というイメージを世界では持たれてます。
それが、極東の島国、日本では猿はなんと雪があっても暮らしている!となるわけです。
ウミイグアナを日本人が知って、イグアナが海で泳ぐなんて信じられない!という具合です。世にも珍しい猿なのです。

さらにはタヌキ
日本では割とどこでもいます。
(私の投稿は文が多くなりがちなので、四国のお土産屋でみたタヌキをおいておきます。)

検索すれば出てくる有名な話ですが、
ある動物園でカバが欲しいとなった際に、海外の動物園から交換条件として上がった動物がタヌキという話があります。
日本人からしたら以外かも知れませんが、
「カバ≒タヌキ」
が成り立つのです。

ほんの一例ですが、日本固有種が世界からどう見えているのかご紹介しました。
「地味」「つまらない」といった印象は世界基準ではないのです。

また、固有種というと私達は、その代表として、「ガラパゴス」が思い浮かぶ方が多くいのではないでしょうか?
ガラパゴスと聞くと少しワクワクするような含みもありますし、独自の進化を遂げたものをガラパゴス化といったり、伴ってガラケーなんて単語もあったりします。

たくさんの未知の動物がいる島!ガラパゴス!
そんなイメージ持ってないでしょうか?

しかし、実に固有種の数は
日本                  130種
ガラパゴス      110種
イギリス   0種
とこんな感じで日本の方が多いのです。
また、同じ島国であるヨーロッパはイギリスでは0。
日本はガラパゴス以上にガラパゴスなのです。

少しずつ固有種の魅力を再確認できてきましたでしょうか?

ここまでは固有種の動物としては価値をお伝えしてきました。
珍しいからやるとかそういうわけではないですが、日本が自国で保護、研究をするに充分値するのではないでしょうか。
これを差し置いて、日本の動物園がチーターやペンギンやパンダの研究だけをしてしまったら、ガラパゴス諸島でニホンザルの研究をするような滑稽さがないでしょうか。。。

さらに観光資源としての話を書きます。
コロナが始まる前はインバウンドという言葉が浸透するくらいに、海外からのお客様が来ていただいました。
しかし、このお客様は大半はアジア圏からのお客様でした。
これは悪いと言ってるわけではなく、ヨーロッパやアメリカの方はそれほど、来ていないということです。

この理由は単純に遠いから。
そして、遠くても行きたい!と思わせることができてないからだと思います。

私達もヨーロッパは遠いな、アメリカは遠いな、近場から韓国、グアム、タイ、シンガポール、ハワイ、モルディブに行こうかな。
なんて思考になるように、
世界地図の東の端にちょこんとある島国にいくのはやっぱり少し億劫だと思われてしまわれてるようです。

では、はるばるヨーロッパの人が日本に来た時に動物を見たいとなったら、何を、どこで見るでしょう。

ライオンを、キリンを、ゾウを、パンダを、ペンギンを、見たいと思うでしょうか。。

ヨーロッパの方からすれば、日本に行くよりアフリカの方が近く、より本場なのに。

日本人が
オーストラリアに行ったらコアラを見たい。
アフリカにいったらライオンを見たい。
タイに行ったらゾウを見たい。
中国に行ったらパンダを見たい。
と思うように、
ニホンザルが見たい!
タヌキが見たい!とやらないでしょうか。。

そして、そう思った時に、今の日本はどこに行けばいいのでしょうか。

おそらく、今の日本にそのニーズを満たしてくれる施設、場所はありません。

なので、これはチャンスでもあります!
日本はまだ自国の資源に気づいてないと思うのです。
メタンハイドレート、天然ガスをは必死に探してるのに、そこらに資源があっても気付いてないようです。。
上の例えで挙げた国は空港でも
パンダ、コアラ、ゾウ、ライオンのお土産が並んでます。
ニホンザルグッズ、タヌキグッズがお土産として並ぶまで発展の余地しかないそんな分野だと考えてます。


日本固有種
動物的な魅力と観光資源のしての可能性の2つをご紹介しましたが、
これは車の両輪のように2つで上手くいくそんなものと思ってます。

そして、引いてはこの国に生きる動物達がより豊かで暮らせるようにとの思いを込めて、
今回の投稿を終わります。


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