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【サイエンス】「この単細胞!」は誉め言葉で使うべき

 昔、「この単細胞!」と女の子に言われたときに、「残念、僕は多細胞生物です~!」と言い返したことがある。ちなみにあまりにも何とも言えない青春エピソードなので、誰にも話したことはない。

 しかしながらあの頃の僕は若かった。今ならこう言うだろう、

「ありがとう。君こそ、単細胞だよ。」


 誉め言葉である。


ということで、自称サイエンス・ライターの著者(カエル)が、なぜ単細胞生物はすごいのかを紹介していきます。

1.単細胞生物は一人で何でもこなす、スーパーマン

まずは単細胞・多細胞とは何かをざくっとをおさらいしておこう。

 我々人類は、60兆個の細胞を持つ多細胞生物だ。60兆集まって一つの生命体だ。細胞それぞれに役割があって、皮膚を作るため・免疫のため・筋肉を構成するためと、いわば60兆人がつとめる大企業のようなものだ。
(ちなみに人間は腸内に100兆個の細菌(単細胞生物)を持っている)

 一方バクテリア(細菌ともいう)は、1つの細胞で1つの生命体だ。たった1つの細胞で歩く役割、食べる役割、免疫の役割を担っている。単細胞生物はいわばフリーランス。営業も会計もすべて自分でやっちゃう。

つまり、単細胞生物は、何でも一人でできちゃう、すごいひとなのである。

2.単細胞は自立しているけど、協力しあうオトナ。

「何でもできちゃうと言っても、一匹狼なんでしょ?」と思った読者もいるだろう。しかしそれは大きな間違いだ。

 例えば土の中にいるバクテリア達は、他のバクテリアと栄養を交換したり、身を守りあったりしている。まさに他者に依存しすぎず、それでいて協力し合うカッコいいオトナなのだ。

 菌類などは、一つの細胞で活動する時期と、必要に応じては多くの細胞が「合体」することだってできる(これがキノコ)。つまり、環境によっては自分の形にこだわらない、柔軟に考え方を変えられるのが彼らなのだ。

3.結論。我々が優れているのではない。ただ違っているだけ。

 いかがでしたか?単細胞生物のすごさ、カッコよさがお分かりいただけたかと思います。これまで、単細胞って何か低レベルだと思っていたけどイメージが変わったという方もおられると思います。

 進化論のイメージとして、時間と共に生命はだんだん改良されていると思っている方はおられるのではないでしょうか。そんなことはなく、人類も単細胞も、単純に違いがあるだけで、どちらが優れているかなどというのはないのです。※

 みなさんも明日からはできる同僚や友人などに、「よっ、単細胞!」と誉めてみてはいかがでしょうか。

カエル

※これは環境で決まる。例えば隕石が落ちて人類が絶滅しても多くのバクテリアは生きられる

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