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『ぱんぱんでんしゃ』著者×編集者スペシャル対談後編 ~1作目からさらにパワーアップした2作目を掘り下げ!~

月刊絵本「ころころえほん」に2019年初登場し、2023年に市販化されてからも保育園や幼稚園をはじめ、たくさんの子どもたちに愛されている『ぱんぱんでんしゃ』シリーズ。

今回、そんな大人気絵本を生み出した著者の五味ヒロミさん、わたなべあやさんと担当編集者(月刊絵本担当:編集F/市販絵本担当:編集N)を交えた対談が実現…!👏

前編では、『ぱんぱんでんしゃ』が生まれたきっかけやキャラクターについて、そして子どもはもちろん、おとなも知って楽しめるような隠されたギミックをこっそり教えていただきました。

後編では、今年4月に発売された待望の2作目『おいしいぱんぱんでんしゃ』にクローズアップ。1作目からどのように変わったのか、引き続き遊び心いっぱいのアイデアにせまります!


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『おいしいぱんぱんでんしゃ』ラストシーンに込められたテーマ


記者:改めて後編では、今年4月に発売された2作目『おいしいぱんぱんでんしゃ』についてお話を伺っていきたいと思います。

前編では、1作目『ぱんぱんでんしゃ』のラストシーンの裏話をしていただいたところで終わったんですよね。

五味:はい。
1作目のお話を考えていた当時は2作目のことを考えずに、子ども1人の登場で終わるようにした、というお話をしました。
2作目では、最後にお母さんと子どもたちの3人が登場して、自分たちでオリジナルのパンを作って食べているシーンで終わるようにしています。

というのも、今回は「作る/選ぶ喜び」とか、「主体的に食べる喜び」をテーマにしたくて、それをもとにラストシーンを考えたんです。

この構図は、私が昔友だちとサンドイッチパーティーをした思い出があることから思いついて。この絵本を読んでくれる子どもたちは、お料理だったり、自分で何かを作る経験だったりが始まるころだと思うので、「自分で選んで作って食べる」という経験は、とても魅力的なものになるだろうと思ったんです。


ぐざいのなかまたちが増えてにぎやかになりました


だから結果的にラストシーンに変化をつけることができて、1作目のときの編集Fさんのアドバイスが功を奏したってかんじで。すごく絶賛しているポイントです(笑)

記者:伝えたいメッセージに合わせて、画面に登場する人物やシチュエーションなど、いろいろと変化をつけているんですね…!



前作と比較!リニューアルされた絵本の中身


記者:2作目は、また違ったぱんぱんでんしゃたちが登場していますね!

五味:はい。私が甘いパンが得意じゃないので、2作目は惣菜パンしばりでキャラクターを考えてみました。

記者:イラストで新たに変更したところはありますか?

編集F:1作目と同じ背景じゃつまらないということで、わたなべさんがいろいろと考えてくださいました。

わたなべ:そうですね。変化をつけるために、2作目ではパンの花をなくしました。その分、ぱんぱんでんしゃだけだと画面が寂しいかな?と感じたので、新たにえきいんさんを登場させてみました!

編集N:私はぱんぱんでんしゃのキャラクターの中でも特にえきいんさんが好きで。たくさんの色があるので、いろいろな子が好きになってくれるキャラクターなんじゃないかと思います。

ホームのレンガと同じ色のえきいんさんが待っています!

編集F:たしかに。
えきいんさんはお皿をイメージしているんですが、場面が変わるごとに、出てくるホームのレンガの色と同じ色のラインが入ったえきいんさんに変わって、それぞれのぱんぱんでんしゃが違う駅に着いた、ということが分かるように工夫してくださっています。

五味:そうですね。
で、えきいんさんたちは最後のシーンに出てくるお皿につながるイメージです。


これまでに出てきたえきいんさんカラーのお皿が並んで、楽しげなテーブル!


記者:本当だ!最後のページのお皿のラインも、えきいんさんたちの色とリンクしていますね。

わたなべ:そうなんです。えきいんさんを登場させた結果、にぎやかになりすぎてしまうと思ったので、2作目は蒸気はなくして調整してみました。
だから、2作目のぱんぱんでんしゃでは蒸気は見えないのですが、”おいしく食べてほしい気持ち”をエネルギーにして動いているのは1作目と変わりないです…!

記者:背景含め、たくさんの試行錯誤を重ねていらっしゃるからこそ、2つの作品で表情が違っていて、あわせて楽しんでいただけるものになっていますね。



読者のみなさんにメッセージ


記者:最後に、この記事を読んでくださっている読者のみなさんにメッセージをお願いいたします!

五味:食事は命につながるもの。私が働く病棟にいる子は食事も治療の一環なのですが、やはり子どもたちには無理強いしたくなくて。
自分が食べられるものをとにかく楽しく食べてくれればいい、という思いが伝わればうれしいです。

とはいえ、この絵本の対象になる子どもたちの年代は遊び食べが始まって、ご両親にとっては大変なことが多いと思うんですよ。だから、楽しく楽しくと言いながら、遊び食べを助長しないようにはしたいですね。(笑)

わたなべ:パンが電車になっていて、ぐざいが乗り込んでくるという展開は新しいと思うので、そこの発想を楽しんでいただけたらうれしいです!

記者:ありがとうございました!

明るく穏やかで、子どもたちにも親しまれているお二人。


改めて分かった、ぱんぱんでんしゃの魅力


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
貴重な対談、楽しんでいただけましたでしょうか?

既にお知らせしているのですが、フレーベル館は7月3日(水)~5日(金)に開催される「第15回ライセンシングジャパン」への初出展に向けて、いろいろと準備を進めています。


◆出展についての記事はこちら


『ぱんぱんでんしゃ』は現在、主に保育園や幼稚園で子どもたちに親しまれている作品ですが、今回の記事でキャラクターとしてのかわいさも存分に伝えられたはず…!

これを機に、お子さんがいらっしゃる方はもちろん、かわいいキャラクターが好きなおとなのみなさんにも興味を持っていただけたらとてもうれしいです。
(筆者も展示用サンプル制作の真っ最中ですが、ぱんぱんでんしゃグッズのかわいさにやられている大人の1人。。)

もっとたくさんの方にぱんぱんでんしゃの魅力を広めるべく、これからも発信していきますので、今後もぜひチェックしてくださいね~!


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