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働くことで、私たちが手に入れたいもの

「人は働くことで何を得るか?」、何の問いかと言えば、驚くべきことにこれが高校生の卒業試験問題なのである。

Que gagne-t-on en travaillant?

フランスの高校生は卒業時「バカロレア」という試験を受ける。そのうちの一科目「哲学」の試験がまぁ難しい。なんせ問題文は例えば、上述の「人は働くことで何を得るか?」のみである。それを、様々な哲学者の名前と言葉を挙げながら、小論文として仕上げ、回答する。(全3題で4時間の試験。ひえええ。)

「働くことで何を得るか?」なんて、社会に出た今でもパッと答えられるだろうか。それを、フランスでは大学生になる前、考える機会がある。はぁ・・・私もこんな問いにきちんと考えられる人間になってから、大学の勉強や仕事をしたかった・・・。

そんなわけで、あえて連休中のお仕事がない今日、この問いの回答を、私なりに作ってみた。

働くことで得られるものとは?


働くことで得られるものは、その人の「働く」という定義の広さによって決まるのではないだろうか?

例えば、「単なる生活費を稼ぐ手段」としていれば、得られるものは「お金」だけ。

「社会とつながりを持ってアウトプットする場」としているのであれば、お金だけではない、「経験」とか「自分の市場価値」「人とのつながり」だったりする。

だから「働く=暇つぶし」くらいに捉えている人が、実は一番多くのものを得ている、というのが私の結論。

(「働く」の定義が広い、錚々たるメンバーのお言葉が記されている本がこちら↓)

「自分の好きなもの」と「仕事」はきっちり分けたい人、「ワークアズライフ」として生きていること全てを仕事としている人、

人それぞれだけれども、今や時間や場所に縛られない色んな「働き方」や数年前は想像もしなかった「仕事」(SNSコンサルタント、とかコンビニアイス評論家、とか)があって、「働く」定義が広ければ、その気になれば何だって得られてしまうのではないだろうか。

(なんて書くとバカンス命のフランス人からは様々な異論が寄せられそうですが。)

私たちが働いて「得たいもの」とは


でもその「得るもの」、仕事経由でなくてもいいじゃないですか?

では「働いてこそ得たい」と思うものって何でしょう。

そのヒントとなる言葉を、川村元気さんの「仕事。」の中で見つけた。

苦しくならないと次の可能性を考えない脳みそになっちゃってるんです。でも、そこを考えるのがいちばん面白いわけで。 糸井重里

まず、仕事でもしていないと、自ら「苦しい状況」にはなかなか飛びこまないかなーと。人間、何もなければ自然とラクな方向に行きたいわけで。ちょっと苦しいことや難しいことに直面するからこそ、新たな自分の一面(次の可能性)が見えて、人生の中のちょっとしたスパイスになって面白いんじゃないかなーと。

(カップルのドキドキ期と倦怠期の話に似ていますね)

そして二つ目は、

他者から求められているってことは本当に幸せなこと  谷川俊太郎

これを高頻度で感じられるのって仕事だからこそ、なのではないでしょうか。

仕事に関係のない「家族や恋人からの方が、求められているって実感できる」という方もいるかもしれません。それはそれで、とても大事なことだと思う。

でも、そんな重みのあるものでなくていいから、何かを頼まれたり感謝されたりする回数を考えてみれば。実は仕事中って他者から求められているという幸せを、かなり見過ごしているのではないか、と思った。


以上、哲学者の名前や言葉を挙げずに簡単に、「人は働くことで何を得るか?」について考えてみました(笑)

ちなみにフランス哲学ではないのですが、

社会人になりたての頃「働くって何なんだろう」と思っていたとき、ノルウェーの哲学者ラース スヴェンセンの↓に大変助けられました。





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