理不尽な人事制度の会社を見捨てる勇気を持て!【山口周さんのオピニオン・エグジットの考え方】
時短勤務のような人事制度に違和感や理不尽さを覚えたときは、①意見を言うこと ②改善されないなら退出(転職・退職)することが大事だと思います。
木下斉さんが2日連続で『時短勤務廃止』についてVoicyでお話されていました。
基本的に多くの企業での時短勤務は、ノーワーク・ノーペイの原則に基づいて、早く帰る(遅刻する)分を控除する運用をしていますが、これは評価を時間でカウントしており、おかしな話です。
評価の際は組織への貢献度で評価するべきであり、8時間に満たないからといって控除するのは意味不明、これでは時間しか差し出すものがない、働かないジジイが蔓延するだけ、そして働かないジジイは残業もするので給料が高くなり、将来の年金額も増えてしまう、という趣旨でした。
木下さんのお話としては、時短勤務を廃止してフルフレックスとし、ある程度の時間外の仕事を家でやったこととみなす給与形態として、時間ではなく組織への貢献で評価しようという提案です。
私もそのような趣旨の時短勤務廃止には大賛成です。
実際に私の2社目での時短勤務経験をコメントに入れたところ、多くの方にハートを頂き、驚きました。
一方で、時短勤務や人事制度で理不尽な思いをしたのであれば、それを解消するため・後進のために会社への交渉を頑張るべきだ、といったコメントを別の文脈で見たことがあります。
これに関しては、半分賛成で半分反対です。
というのも、時短勤務の理不尽さのような会社での不本意な扱いに関しては、山口周さんの著作で紹介されるオピニオンとエグジットの考え方が重要と私は考えるからです。
オピニオンとエグジットというのは、おかしいと思ったことには声を上げ(オピニオン)、それが解消する見込みがなければその場を去る(エグジット)、という考え方です。
上記の記事でも、何か商品を買った時のクレーム(オピニオン)と、それが改善されないなら買うのをやめる(エグジット)の例が紹介されています。
実際に私も1社目や2社目の会社では、おかしな人事制度や時短勤務の違和感に関して、アンケートへの記入や役員へのプレゼンテーションの場で意見したこともあります。
残念ながら力及ばず、少なくとも私の在籍している間にそれらが変わることはありませんでした。
1社目、2社目の会社から転職した理由は複合的なものではありますが、自分が意見(オピニオン)を出したことに対しても何も変わる見込みがなかった、という点に関しても、退職(エグジット)理由の一つです。
1社目の研究職時代には、私の少し前にも別の女性の先輩が二人ほど退職(転職)していました。お二人とも私と同じ小さな子どもを持つワーキングマザーで、当時は『辞めないでワーママとして残って欲しかった!』と私は思っていました。
でも彼女らの話を思い出す限り、出来うる交渉はすでにオピニオンとして彼女らから会社に伝えた上での退職だったので、今考えると先輩たち英断されましたね!と敬意を表したい思いです。先輩お元気かな。
そのため、もし時短勤務や人事制度などで理不尽さを感じているのであれば、一度会社にその思いの丈をオピニオンとしてお話ししてみることをまずはオススメします。
ここで会社側が心を入れ替えて制度を変えてくれればものすごくラッキーですよね。働く側も転職・退職など大きく環境を変える必要はありませんし、組織側も大事な人材が流出する心配がなくなります。
ただし私たちの気力も体力も時間も有限です。役員や役職だけは偉いジジイを説得させるために永遠にリソースをつぎ込むわけにはいきません。そのため、ある程度こちらが意見提案をしても全く変わる見込みがなければ、転職する見切りも必要だと思います。
この際『私は時短勤務で働かせてもらっているから』『子供がいるけど配慮してもらってるから』といった気遣いは不要です。だって組織はあなたの意見をスルーして制度の現状維持を進めているわけですからね。
木下斉さんの放送でもよく言われるように、これからは労働人口がますます減っていく時代です。業界・業種によっては、労働力を各企業が血眼になって奪いあってる中で、一労働者から出た声をスルーして何も取り組もうとしない、現状にあぐらをかいた組織は遅かれ早かれ淘汰されると思います。
参考までに総務省が出している生産年齢人口のグラフです。
左の縦軸が15-64歳の生産年齢人口、右の縦軸が高齢化率です。
2010年ごろをピークにして生産年齢人口は減少していますね。
話を戻し、労働者の意見をスルーして現状維持を推し進めるような悪質な組織を淘汰するには、まさにオピニオン・エグジットの考え方が必要で、理不尽さを感じながらもその組織に居続けるというのは、その企業が淘汰されずに生き延びてしまう可能性が高まることを意味しています。
ということで、悪質な組織をゾンビのように延命させないためにも、会社や組織に意見をしてダメだった場合は転職、としっかり心を入れ替えることが働く側も必要だと思います。
もちろん転職に際しても、現職でどういった成果を上げたか、どんな貢献が新しい職場でできるのかを整理しつつ、現職にいる間に少なくとも自分でできるスキルアップや経験は積んでから転職するのが良いですね。
時短勤務に限らず、おかしな人事制度に違和感を持ちながら働いてる人の心の持ちようについて、時短勤務・転職経験者として思うところをお話ししてみました。
それではまた!
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