見出し画像

フランスワインを巡る旅 車を使わずボルドーのシャトーをまわれるか

ボルドー地方滞在記の続きです。

2日目はボルドー南部のグラーヴ地区、
3日目はマルゴー村を巡りました。

滞在記を書く前に、重要な問題を整理する必要があります。

それは、
車を使わずボルドーのシャトーをまわれるか
もっと厳密にいうと、
自分が車のハンドルを握ることなくボルドーのシャトーをまわれるか
という問題です。

旅をするのに車を運転してくれる方やタクシーを自由に使える潤沢な資金があればよいに越したことはないと思いますが、単独行動、そしてワイナリー巡りとなると運転者のアルコール摂取問題もありますので、自分も旅の同伴者ともども、あまり車は使いたくないものです。

しかし結論から言うと、今回のボルドー旅では車を使わずにワイナリーを巡ることはできました

次回の旅に備えて?旅のコツをまとめましたでよろしければぜひ。

ボルドーのシャトー巡りは車がよい

ボルドーといえば、フランス有数のワイン銘醸地です。
とはいえ、この街は人口約25万人を抱えるフランス有数の大都市でもあります。ワイナリーの多くは、実際はボルドー市から離れたところにあります。

ボルドーでも特に有名な地区、たとえばメドックやサンテミリオン、ソーテルヌは市街地から遠く、公共交通機関も十分に発達していません。
観光で経済を回す、そのためには旅行客の利便性を、という私たちが抱きがちな発想はもしかしたらここにはないのかと思うくらい、発達していないのです。
というわけで、交通手段はどうしても車に頼ることになります。

車がなければ、公共交通機関やレンタサイクルを

ボルドー市の南部にはグラーヴという産地があります。ここはメドックより少し後の1953年(と1959年)にシャトーの格付けが行われました。
この格付けシャトーが集中しているのがペサック村やレオニャン村など、グラーヴ地区の北部。この2村と周りの村からなる地区は1987年にAOCぺサック・レオニャンに昇格しました。
ワイナリーの一部はボルドー市街からほど近いところに、一部は住宅地と混在しています。

それゆえ、滞在2日目にこの地区を自転車で回れました。

↓グラーヴ巡りに関する詳しい情報についてはこちらにまとめています。


グラーヴ地区でのサイクリングは快適でした

出発地点、ボルドー=サン=ジャン駅から自転車を走ること40分(約11km)。市街地はやがて住宅地へ、そしてしだいにぶどう畑へと景色が変わっていきます。

しばらく進んで川を渡るともう、あたり一面はぶどう畑になります。

住宅地と畑が混在しているところまでは自転車レーンがしっかり整備されているので、安心して走ることができました。でも、車線が日本とは反対であることやロンポワン(信号代わりの円形交差路)での方向転換は慣れが必要です。
自転車をこいで目的地に到着することに夢中で、写真を全く撮らなかったことが悔やまれます。

しかしぶどう畑には緩急さまざまな勾配があり、自転車をこいでいるとそれを痛感しました。息を荒げながら「あぁ、私は今ボルドーのぶどう畑で自転車をこいでいるんだ」と。また、結構な距離を走り体力を消耗しますので、日ごろの体力づくりは欠かせません。
グラーヴには自転車の時間貸しをしているワイナリーがあるようで、農道で何度も同じようなおしゃれな自転車をこいでいるツーリストとすれ違いました。

現地ツアーも選択肢に

英語やフランス語が分かれば、現地ツアーの参加はその地とワインを知り尽くしたプロのガイドによる車移動と効率が良くてお勧めです。
ボルドー市の観光局がツアーを展開しているほか、民間の旅行会社なども独自のツアーをたくさん出しています。

今回、3日目の予定は電車でマルゴー村へ行き、某格付シャトーが時間貸しする自転車を予約(8時間で30€)してワイナリーを数件回る予定でした。しかし数日前になってあいにく高確率で大雨が予想されると知り、急遽現地ツアーを申し込みました。

ボルドー市観光局おすすめのツアー(フランス語、英語、ドイツ語対応)

やはり地元の観光局は強いです。ワイナリーや現地のエージェントと提携し、素晴らしいツアーを提供しています。
一次情報もまた地元の観光局が有力です。

日本語対応の海外OTA、Viatour(ビアター)(多言語対応)

ビアターは現地ツアーなどをオンラインで手配できるオーストラリア発祥のOTA(オンライン・トアベル・エージェント、旅行代理店)で、ボルドーに限らず日本を含む世界のあらゆる体験型ツアーの手配を行っています。

地元の観光事業者やエージェントが造成しているツアー商品をネット上で販売していて、商品の量が圧倒的に多いのが魅力的です。ボルドーだけでも多くのツアーを企画しています。さっき「ボルドー」と調べたら290件もヒットしました。ネットは日本語にも対応(自動翻訳っぽい感じ)していて、ボルドーのツアーはフランス語と英語対応が多い模様。

私は直前に申し込み、予約日を間違えていたことを出発数時間前に発覚したりしたのですが、当日早朝にチャットで早急に対応していただき、無事にツアーに参加できました。しかし当日、スタッフは私の顔を見て勝手に英語グループに振り分けられたのが悲しかったです(英語苦手)。

ライドシェアはありかも(未経験)

ライドシェアについては日本ではタクシー業界からの反発とか、安全性の問題が未解決、なんて話をちらりと耳にしますが、旅先の現地の人と話していると、ライドシェアの普及具合と「シェア」をすることへの心理的負担の低さに驚きました。
ある人は月に一度100㎞離れた田舎の両親の家を訪問しているそうですが、常にライドシェアで移動しているそうです。また、ボルドーのメリニャック空港にはライドシェアの看板が散見され、また専用エリアが設置されており、フランス社会に浸透している様子を垣間見ました。
次にフランスに行った時に試してみて、またシェアします。

おまけ

① 旅のコツ:シャトー見学は予約必須

シャトーに足を運んだからには、シャトー内の見学や試飲をしたいところ。当日申し込める場合もあるようですが、ほとんどのシャトーは事前予約が必要なので要注意です。

また、9月は収穫時期が重なり、見学を受け付けないところもありますので準備は早めにした方がよさそうです。

② 辞書のようなボルドーワイン指南本に載っていた一節のご紹介


ボルドーのシャトー巡りは事前にかなり情報収集をしました。その中でも紹介の仕方がとても独特だったのが、フランスのメディア、Le Pointでワイン・ジャーナリストとして活躍されているジャック・デュポンさんが編集した辞書みたいなボルドーワイン紹介本です。

これは格付けの有無にかかわらず、ボルドーのほぼすべてのワイナリーとヴィンテージごとの評価、そのストーリーを面白く(時に皮肉に)紹介している本です。写真や挿絵はなく、文章だけですごいボリュームです。その本が冒頭で紹介されている一文がとても印象に残ったので、ご紹介します。

Les femmes et le bordeaux, je crois que ce sont les deux seules raisons de survive. 
女とボルドー。それだけが私が生きる理由。

ピエール・デプロージュ(Pierre Desproges)、ユーモリスト


③ 参考記事



この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?