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戦略プランナーが新入社員に教えること⑤ :「考えること」は「まとめないこと」

For youで執行役員CMOをしている筧(@kakehi_)です。2022年2月より、戦略プランナーとしてのnote記事を書くことがノルマになりましたので、がんばっていきたいと思います(この記事が5つめ)

簡単な経歴を紹介させていただきます。

筧 将英 MASAHIDE KAKEHI
Creative Strategist / Strategic Planner / Marketing Director

・デジタル/SNS領域における広告会社「株式会社For you」執行役員CMO
・コミュニケーション戦略会社「Strategy Base株式会社」代表取締役
・デジタルコミックエージェンシー「株式会社ナンバーナイン」社外取締役
などいろいろやっています。

2008年電通入社、ストプラ職からデータマーケティング職を経験。戦略立案がメインだが、PRやサイト制作ディレクションも経験。子会社出向、クライアント常駐経験も有する。マーケティング/コミュニケーション戦略立案を中心として、大手クライアントのキャンペーン設計から企画・
実施を担当。
2021年より、株式会社For you執行役員CMOに就任し、現職。
また同時にコミュニケーション戦略会社「Strategy Base株式会社」を設立。大手企業やスタートアップのマーケティング・ブランド戦略を中心として、アライアンス戦略や新事業開発のサポートもおこなっている。

広告業界は15年ほどの経験ですが、広告プランニングとは非常に幅が広く、それゆえに属人性が高くなっており、人に教えるのが難しい領域だと思っています。そして、センスというとよくないのですが、まさしくセンス的なものも感じるときはあります。

こちらのnoteではストラテジックプランニングと呼ばれる、コミュニケーション戦略立案の方法について書いていくのですが、センスではない部分について語っていきたいと思っています。

スタンスとしては、仮に「自分に新入社員がついたときに教えること」を言語化していきます。

ただし、マーケティングの基礎知識は、世の中にある名著を読んだほうが明らかによいので、そのような知識は本を読んでください。本に大事なことは全て書いてあるのに本を読まない人が多いのが広告業界であったりもします。読書大事です。

ですので、このnoteの連載のテーマは「マーケティングの教科書には載っていないスキルとスタンスの間くらいの大事なこと」です。

適当に書いていくとあとで困るので、いったん年間計画を立ててみました。下記の内容を書いていこうと思います。

1. 「考えること」は「分けること」

2. 「考えること」は「書くこと」 

3. 「考えること」は「知ること」

4. 「考えること」は「課題を特定すること」
5. 「考えること」は「まとめないこと」
6. 「考えること」は「違和感に気づくこと」
7.  「考えること」は「両立させること」
8. 「考えること」は「ゴールを決めること」
9. 「考えること」は「仮説を持つこと」
10. 「考えること」は「自分を出すこと」
※上記は変更の可能性があります。 

第1回の記事はこちら「考えること」は「分けること」
第2回の記事はこちら「考えること」は「書くこと」
第3回の記事はこちら「考えること」は「知ること」
第4回の記事はこちら「考えること」は「課題を特定すること」

今回は第5回の記事になりますがテーマは
「考えること」は「まとめないこと」です。

「質か量か」という議論について

質か量かという議論についてはよくされていますが、働き方改革により、量をやるのはおかしいという話を聞くことが多くなりました。

そもそもですが二項対立することで議論を煽る人が多いのでこの状況になりがちなのですが、量と質を二項対立ではなく、因果関係で捉えましょう。

つまり『量をやることで質を生む』ということ。

二項対立が出てきたときはまず疑問に思うようにしています。

これじゃ、いつまでたっても楽にならないじゃないかということになりますが、量は毎回必要なのではなく重ねていくことができるので、熟練すればするほど時間はかからなくなります。

若いうちの苦労は買ってでもしろとはこういうことなのかもしれません。

考えることにおいて「思考量」が大事

では、量をやりましょうとなった時に、がむしゃらにやってもよくありません。

大事なのは「思考時間(考えた時間)」ではなく「思考量(考えた量)」です。

うんうん悩んだこと自体に価値はありません

他のnoteでも書きましたが、同じことを考えても意味がありません。

考えることが苦手だ、、、と思う方は、その場合のほとんどは
頭の中で同じことをぐるぐると"思っている"だけなので
書くことでそれを解消することができます。
 
なぜならば、「人は同じことを書き続けることはしない」からです。
 
頭の中では同じことをぐるぐる考えてしまうのに対して、
人間は紙に何度も同じことは書きません。
 
なので、「書くこと」で「考えること」ができるのです。

まとめた言葉に"実は"価値はない

資料を書いているとそれっぽい言葉を並べているときはありませんか?

こんな資料を目にする時ってよくありますよね

このポイントの記載内容は
否定はできないけれども、
書かれた内容にほとんど新しさ(=価値)がありません


資料上必要な時はそうせざるを得ないときはありますが、
それっぽい言葉を書き連ねることに企画する人やプランナーの価値はありません。

それよりも、下の部分の小さな文字で書いていることや「※」で但書している箇所のほうが実は情報として価値があったりするものです。

言葉をまとめることはビジネスマンとして必要な作業なのですが、
ターゲットインサイトや商品、社会、現象の本質に迫る際にこれが邪魔をすることがあります。

まとめないコツ①:アウトプットすることと整理することを分けて考えること

拡散と収束の話です。

普段人間は、話すこと話さないことを考えながら話しています。

思っているよりも人は言葉を選んでいます

会話するときにようにまとめてから紙に書き出すのではなく、頭に浮かんだことをすべて紙に書いてみましょう。もちろん紙よりもキーボードのほうが早い方はキーボードでOKです。

これには少し訓練が必要で、頭の中を流れていくものをすべて書き出す癖をつける必要があります。

左の状態をまず目指しましょう。

間違っているかもしれないけれど、まずは頭の外に出すことが重要です。
情報量は多くなり、まとまりもなくなりますが、このアウトプットを人に見せる必要はありません。

このようにアウトプットをしてみると、そこにはまとめるよりも多くの情報があるということわかります。
まずその作業を終えてから、違うモードに変えて自分のアウトプットの中から新しい切り口を探すことを意識しましょう。

まとめないコツ②:言葉づかいを意識する

言葉の使い方はその人の個性であり、情報であり、インサイトが溢れています。

自分の頭の中から外に出すときもこれを意識する必要があり、自分なりの言葉を使う方がよいです。
考えたことを外に出していく過程で、あまり使わない単語をあえて消していくと個性がなくなっていくため、そのまま書き出し、なぜその言葉を使ったのかの意味を考え直していきましょう。

また、ユーザーヒアリングなどをして、他人の言葉を聞いたり文章にする際にも意識したほうがよいです。その言葉づかいに意味があったり、広告文などに使えることがあるからです。

まとめないコツ③:語彙を増やす

人は知っている言葉で現象を理解する生き物です。
言葉になっていないものはよくわからないものとして認識されます。

語彙が多いと網目が細かくなるイメージ

英単語を勉強したことがある人は多いと思いますが、単語を覚えるほど長文が読めますよね。日本語も同じで、ある現象を理解するためには新しい言葉を覚える必要があります。

つまり、あなたの考えを適切に表現するためには、
語彙の豊富さが必要になるため、新しい言葉を適切に理解しておきましょう。

思ったことを言葉にするのは意外と難しい

自分がなんとなく感じていることを言葉にすることは意外と難しいです。
しかも頭の中で考えたことはその場で外に出さないと、どこかにいってしまい思い出せないこともしばしばあります。

「考えたことをまずはまとめずに世の中に出す」

これを意識する、習慣づけるだけで価値のあるアウトプットを出せる確率が上がります。やったことのない人は一度トライしてみましょう。

このnoteでは「考えること」は「まとめないこと」について書きましたが、次は「考えること」は「違和感に気づくこと」
について書きたいと思います。


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