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戦略プランナーが新入社員に教えること②:「考えること」は「書くこと」

For youで執行役員CMOをしている筧(@kakehi_)です。2022年2月より、戦略プランナーとしてのnote記事を書くことがノルマになりましたので、がんばっていきたいと思います。(この記事で2つめ!)

15年ほどの経験ですが、広告プランニングとは非常に幅が広く、そして属人性が高くなっており、人に教えるのが難しい領域だと思っています。
そして、センスというとよくないのですが、まさしくセンス的なものも感じるときはあります。

こちらのnoteにはストラテジックプランニングと呼ばれる、コミュニケーション戦略を考えることについて書いていくのですが、センスではない部分について語っていきたいと思っています。
スタンスとしては仮に「自分に新入社員がついたときに教えること」をできるだけ言語化していきます。

ただし、マーケティングの基礎知識は、世の中にある名著を読んだほうが明らかによいので、そのような知識は本を読んでください。本に大事なことは全て書いてあるのに、本を読まない人が多いのが広告業界であったりもします。読書大事ですよ。

なので、このnoteではマーケティングの教科書には載っていない、スキルとスタンスの間くらいの大事なことを書いていこうと思います。

新入社員に自分が教えようと思ったこと

適当に書いていくとあとで困るので、いったん年間計画を立ててみました。下記の内容を書いていこうと思います。

1. 「考えること」と「分けること」

2. 「考えること」と「書くこと」 

3. 「パワポ/キーノート」と「ワード/メモ帳」

4. 「オーダー」と「オファー」

5. 「プランニング」と「アウトプット」

6. 「課題設定」と「ソリューション」 

7. 「プレゼン」と「プレゼント」

8. 「専門領域」と「マーケティング知識」

9. 「ネット探索」と「現場探索」

10. 「インサイト」と「ペルソナ」

11. 「アイデアルターゲット」と「ボリュームターゲット」     

12. 「すぐに使える知識」と「すぐには使えない知識」 

第1回の記事はこちら

今回は第2回の記事になりますがテーマは「考えること」と「書くこと」です。

考えることにおいて「思考量」が大事

考えることは「思考時間」ではなく「思考量」としたときに、同じことを考えても意味がありません。

考えることが苦手だ、、、と思う方はその場合のほとんどは頭の中で同じことをぐるぐる思っているだけだと思いますが、書くことでそれを解消することができます。

なぜならば、

人は同じことを書き続けることはしない

からです。

頭の中で思うことは同じことがぐるぐるしてしまうのに対して、人間は紙に何度も同じことは書きません。意味がないからです。頭の中ではしてしまうのに、です。

なので、「書くこと」で「考えること」ができるのです。

言いたいことはほぼこれなのですが、ここからは書くことで得られること、書く際に意識することについてです。

「思考の深化」「思考の概念化」「思考の言語化」

「考える」ことにおいて「書くこと」、特にノートやホワイトボードなどにペンで書くことは重要だと思っています。

慣れていれば書き出さなくても仕事は進みますが、深く思考を進める際には、ペンで書くことをしてみるとよい場合が多いです。

書くことで「思考の深化」と「思考の概念化」と「思考の言語化」が起こるのがその理由ですが、そのそれぞれについて「なぜ必要なのか」と「その際のポイント」をまとめます。

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❶思考の深化:平たい思考に価値はない。

人は話しているとき、文章を書いているとき、無意識に話す言葉を選んだり、書く言葉を選んだりしています。

広告プランニングにおいて、言葉を選ぶことは必然の作業なのですが、ターゲットインサイトや、商品や社会の本質に迫る際にこれが邪魔をすることがあります。

新入社員のころに今でも覚えているとても怒られた経験があります。

ある商品を担当しており、コンサル出身の先輩について仕事をしていました。作業的にはそのサービスの強みや、機能やメッセージなどを競合商品と比較する資料のようなものだったのですが、先輩が「資料に書く文字はまとめるな」と言われたにもかかわらず、サービスの強みをなんとなく抽象度を上げてまとめてしまったのです。案の定、

「まとめるなっていっただろ!」

と大声で怒られました(怖かったです)

考えればわかるのですが、この抽象度をあげてまとめるのは資料を作るためだけの作業であり、インサイトを深ぼっていくプランニングではないんですよね。

簡単にいえば、「抽象度を上げればまとめやすくなる」んです。そしてその情報・提案にはどんどん価値がなくなっていく。

例えば、りんごを観察したときに、

りんごが赤い

という情報に価値はなく、

りんごの表面は赤と緑のグラーデーションのテクスチャーと、ドットのようなテクスチャーの2つでできている。

ということを考えて、提案に活かすことに意味があるのです。

大事なのは、プランニングの初期段階では、思考を取捨選択せずにどんどん深めていく必要があり、その手段として書くことが向いているということです。

おそらくですがパソコンやスマホは「すぐに消せる」デリートキーがあることによって、それをすることに向いていません。どんどん書いていき、深めていくことにおいて紙とペンが向いています。(ただし、慣れている人はパソコンでも思考を深めていくことはもちろんできると思います)

❷思考の概念化:図で整理することから逃げない。

人間は概念で考えることができる生き物だと思っています。

そして物事はバラバラな状態だと正しく認識することができません。そして、ただMECEにするだけでもあまり意味がないことが多いと思っています。

資料作成がうまくない人の特徴で、テキストを羅列してしまうということですが、文字数が多くなればなるほど、人が理解することが難しくなってしまうということを知っておかなければいけません。

より多くの情報量を理解しやすくするためには図で伝えることが重要で、市場の状況や、ターゲットの気持ち、施策の関係などを、図で整理することによって、正しく適切な情報量を伝えることができるのです。

パワポ・キーノートはマウスやタッチパッドで図式化することになりますが、図を書くことにおいて、紙とペンに勝ることはありません。どうしてもパソコンだと図式化に何度もトライすることに時間がかかってしまうからです。なので、まずは紙とペンで書いてみる、トライアンドエラーすることが大事だと思っています。

ちなみに、図式化の参考書籍は溢れかえっていますが、使いこなせる図なんてあまり数は多くはありません。グラフ、ベン図、チャートなどそのくらいで事足ります。

どちらかというと、簡単な図に落とし込む際に、軸をどう設定するかが重要だと思っています。

自分の深めた思考を図に表したときに、それは他人に伝わり、意味をなしますが、個人的には、外部から提案した図やグラフが、クライアントの内部資料に使われた時にうまくいったなと思っています。

❸思考の言語化:そのひとことで人は動く。

最後のポイントは「思考の言語化」です。こちらに関しては、パソコンでもやりやすいことです。

思考を深めて、概念化したあとに、それが何かを名付けることで、あなたの考えたことはひとつの塊となり、人に伝える価値のあるものになります。

いわゆるキャッチコピーが得意な人のほうが向いていると思われますが、テレビCMなどにあるような「文章」を書く必要はありません。考えたことを一言で言い当てるには名詞のほうがよいことが多いです。

例えばの手法ですが、「アイデアのつくり方」という古典がありますが、この書籍の中で、

既存のA×既存のB=新しいC

という話があり、実は組み合わせることで新しい概念となることを認識しておくだけでハードルが下がります。

プレミアム+ビール=プレミアムビール

などのように単語と単語を組み合わせるだけで、そこに新しい概念が生まれますが、自分の得意な言葉の見つけ方を探すとよいですね。

自分の考えたことを正しく言い表すことができれば、その一言はクライアントの記憶に残ったり、ユーザーの心に残ります。

その一言を考えることを妥協すると考えたことが伝わらないため、ここまでしっかり考えることが重要です。

コツは、考えた言葉を1スライドに1ワードで記入することです。それ以外の要素を書いてはいけません。補足要素がない状態での、その一言の強さを検証するためには、1スライド1ワードで書いてみることをお勧めします。

紙と向き合う楽しさを知ったら勝ちかもしれない

あらゆる人が忙しいと思うのですが、ペンを持って紙に向かうことができる時間は贅沢な時間です。じっくり考えることが苦手、と思っている方はもったいなとさえ思っています。

自分の頭の中に何もないのがバレるのがいやだとか、そんなことないですよ。日々生きてきて、何かを感じていて、それをうまく深めて、図にしてみて、キャッチコピーを考える、ということは実はそれほど難しいことではないのです。

だから、この記事ではひとつの方法をまとめたので、自分ならではのやり方を見つけてみてください。それで紙と向き合う楽しさを知ったらもう勝ちなのです。

この記事では「考えること」と「書くこと」について書きましたが、4月は「プランニング」と「アウトプット」
について書きたいと思います。

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