テレビだけじゃない!?外資系CMやラジオ・声優・ライブコマース・おもちゃ開発まで請け負う放送作家集団「ライトクリップ」って何者?
放送作家集団「ライトクリップ」について
冒頭でもお伝えしたとおり「ライトクリップ」は、テレビ番組のリサーチ会社・フォーミュレーションの関連会社で、テレビやラジオ、CMなどで活躍する放送作家が所属している作家事務所です。現在の所属作家は、20名ほどで平均年齢は30歳。割合としては男性が多めです。
ライトクリップに入社した社員は、およそ2年間フォーミュレーションでリサーチの経験を積んでから、放送作家として独立することになっています。このような制度になっているのは、放送作家のスキルとしてリサーチ能力が欠かせないから。独立前にしっかりとした土台作りができるのは、他の作家事務所にはないライトクリップならではの特徴ではないでしょうか。
実際に所属する作家のほとんどが、フォーミュレーションでの経験を経て独立し、現在はテレビやラジオなどさまざまなフィールドで活躍しています。
私がライトクリップに入った理由
私が数ある放送作家事務所の中からライトクリップを選んだのは、放送作家として必要なスキルをしっかりと学べる場所だったからです。
元々私は大阪で、クイズ番組の構成や情報番組のリサーチをしていました。しかし、放送作家としてきちんとした基礎を学ぶことなく、いきなり現場に放り込まれたため戸惑うことも多く、不安に思うことが多々ありました。
「このままでいいのだろうか?」「自分のやっていることは合っているのだろうか?」いずれは東京へ進出したいと思っていましたが、ろくに企画書も書いたことがなく、なかなか一歩を踏み出せずにいました。
そんなとき、リサーチの経験をしっかりと積んでから放送作家として活躍できるライトクリップをネットで見つけ、ここだ!と思い入社を決めました。
物腰柔らかい社長の人柄も決め手の一つだったかもしれません(笑)
ライトクリップ・宇田川社長にインタビュー
①「ライトクリップ」を立ち上げるまで
――まず、「ライトクリップ」を立ち上げるまでの経緯を教えてください。
宇田川:そもそも子供の頃は、体育の先生になろうと思っていました。理由は、働きたくなかったから(笑) まさに子供の考えですが、体育の先生なら仕事の半分は、体を動かしているだけでいいのかなと思って・・・。実際は、そんな簡単な仕事じゃないですけどね(笑)・・・という感じで体育の先生になろうと思ったんです。
――それで日本体育大学に入学されたんですね。
宇田川:はい。中学校のときから器械体操をやっていたし、元々スポーツは好きだったのもあって。
――体育の先生を目指していたのになぜそこから放送作家の道を?
宇田川:体育の先生も結構大変だということが分かり、興味のあった放送作家になりたいという気持ちがふつふつと湧いてきまして・・・。
――振り幅が凄い!(笑) 元々テレビやラジオは好きだったんですか?
宇田川:大好きでしたね。世代的にダウンタウンやとんねるずで育ち、ラジオも好きで深夜ニヤニヤしながら朝まで聴いてました。
――放送作家になろうと決めてから、すぐにライトクリップを立ち上げたんですか?
宇田川:いえ、はじめは、いち放送作家として活動していました。友人から番組関係のバイトを紹介してもらい、さらに、そのバイト先の社長から放送作家の先生を紹介してもらったことが最初のきっかけです。色々な方のおかげで、なんとか社会人になれました。(笑)
――そこから放送作家としての人生が始まるわけですね。若手時代に大変だったことはありますか?
宇田川:20代の頃、土曜日に制作会社へ行き、そこから月曜日のスタジオ収録までに台本を仕上げていたことですかね。トーク番組でゲストが多かったり、VTRが直前で変わったり、そういうのに対応するためギリギリでやらないといけなくて・・・。
――ええ!そんな切羽詰まった状況で台本を書いたんですか?
宇田川:月曜日の収録は前半があって休憩を挟んで後半があったんですが、とりあえず前半部分だけを間に合わせてADさんに渡し、前半を収録している間に後半の台本を書いていました。大変だったけど、良い経験になりましたね。もうあんな思い二度としたくないですけど(笑)
――そんな状況で書けたのが凄いです!辞めたいと思ったことはなかったんですか?
宇田川:自分の実力不足で何度も打ちのめされました。でも、辞めても他に何もできないんで・・・続けるしかなかった。
原点に戻るわけですね(笑) そこからライトクリップを立ち上げようと思ったきっかけは何かあったんでしょうか?
宇田川:放送作家の経験を重ねているうちに人との出会いに恵まれ、新しい試みとして、「広告代理店相手に企画書を作成するサービス」を始めたかったからです。それで頼りになる放送作家仲間の2人に声をかけ、3人でライトクリップを立ち上げました。30代前半ぐらいだったかな。
――最初は広告系のお仕事からスタートしたんですね。
宇田川:はい。広告代理店の人は企画書を作りたいと思っても、既存のルートで人に頼むと1週間くらい時間がかかる。ところが僕ら放送作家は1日や2日で書けるので、そのシステムを代理店に持ち込んだんです。とにかく書いてまとめる、そういった意味合いもあって「ライトクリップ」という社名にしました。
――なるほど!それが社名の由来なんですね。3人で始めて、そこから作家集団になった経緯は?
宇田川:広告代理店にアイデアを出すサービスも始めたのですが、やはり核となる放送作家本来の仕事にも力を入れたく、作家集団になりました。
②「ライトクリップ」の魅力
――ずばりライトクリップの魅力って何でしょう?
宇田川:まず、最初に業界トップの調査会社「フォーミュレーション」でリサーチを学べるということです。リサーチの仕事は、作家のネタ出しや企画書作成においても欠かせないですし、それを一流の人たちの中で働きながら学べるのは大きいですね。
――確かにそれは私も実際に働いていて実感しています。他には何かありますか?
宇田川:あとは幅広い仕事ができること。テレビやラジオの企画構成はもちろん、CMなどの広告やインフォマーシャル、百貨店のライブコマースなどにも携わることができることです。
③放送作家の魅力
――社長が考える放送作家の魅力についても教えて下さい。
色々なことができることですね。放送作家から、小説家、演出家になったり作詞家になったり、紅白歌合戦マニア、クリエイティブディレクターもいるし・・・人にとって放送作家の形はいっぱいあるので、そこは魅力かなと。
④所属作家の活躍
――現在所属している放送作家の活躍について教えてください。
宇田川:テレビやラジオ、CM、ライブコマース、YouTubeチャンネル、広告代理店や企業へのアイデア出し、など多岐にわたって頑張っています。ちょっと変わったところでいうと、タカラトミーのおもちゃを作った作家もいますよ。
ライトクリップがクリエイティブ参加したGoogleのCM
ライトクリップがクリエイティブ参加したUber EatsのCM
⑤今後推したい仕事
――ライブコマースなど新しいことにどんどんチャレンジされていますが、今後推したい仕事はありますか?
宇田川:テレビ番組の企画構成はもちろんのこと、ドラマなどの脚本関連と、Amazonプライム、ネットフリックスとか。もっと幅を広げていきたいです。
実は、海外向けのコンテンツで海外の人の意見を取り入れたくて、会社にアメリカ人のディレクターも入れたんです。
――グローバルな会社になったら楽しそうですね!(笑)
宇田川:あとはエクストリームライブコマース!危険な場所や変わった場所でライブコマースをやりたい。「こんなところでやるの?」というバカバカしいコンテンツにしたら面白そうだなと。
⑥仕事のやりがい
――放送作家をやっていて、やりがいを感じるのはどんなときですか?
宇田川:自分の考えたことで番組が盛り上がると嬉しいですね。あとは、演者さんに「これ考えた奴、頭おかしいよね」と言われると物凄く嬉しい(笑) 不思議ですけど、この仕事ならではですね。
⑦仕事で心がけていること
――仕事をやる上で心がけていることはありますか?
宇田川:いつも目的を忘れないようにしています。仕事をしていると、色んな意見が入ったり状況が変わったりすることが多々あります。
そうなると作っているうちに、目的とズレることがある。ハプニングが起きて良い方にズレた場合はいいけど、そうじゃない場合は毎回自分の中で「これ何だっけ?」と自問自答して、一番面白い部分がブレないようにしています。
⑧今後のビジョン
――最後に、経営者として今後のビジョンをお聞かせください。
宇田川:正直、今は経営者よりプレイヤーとしての比率が多すぎるので・・・。今後はより経営の方をやらないといけないと思っています。経営戦略もあるし、組織的なところもきちんと作らないといけない、それがこれからの課題です。
まとめ
穏やかな口調ながらも、貪欲に挑戦し続ける熱い思いを秘める宇田川さん。「放送作家は色々なことにチャレンジできる。放送作家という活動をしていく中で、自分がやりたいことに近づけたり、自分のやりたいことに気付けたり。やりたいことが見つかっていない人でも、やりたいことで頑張りたいなと思っている人にとっては、いいかもしれない」と話していたのが印象的でした。
今回は放送作家集団「ライトクリップ」についてご紹介しました。放送作家を目指す人はもちろん、作家としてのスキルをきちんと身につけたい人や、自分がやりたいことで頑張りたい人には、うってつけの会社ではないでしょうか。この記事で、少しでもライトクリップの魅力が伝わり、興味を持っていただければ幸いです!(文・辻有可)
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