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自社ブランドを販売するなら、なぜモール型ECより自社ECがいいのか?

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

◎社員1人・商品1つで、年商10億円。
◎利益率80%以上。
◎徹底したリスク管理。
◎中長期的に安定した収益が上がる。

そんな特徴を持つ新しいビジネスモデル【サブスク×D2C×単品リピート通販】。このnoteでも、2本の関連記事でその魅力と特徴をお伝えしてきました。

お読みいただいた方はおわかりのとおり、ネットを含めた社会環境や消費者の購買習慣がいよいよ整い、今は「個人で自社ブランドをつくれる時代になった」といえます。

その自社ブランドを販売する際、Amazonや楽天などのモール型ECサイトに出店(品)して売るか、自社ECサイトで売るか。中長期的な視点で考えた場合、そこに大きな差が出てくる――。

【サブスク×D2C×単品リピート通販】を体系化し、自身はもとより、コンサルを受けた中小零細企業、個人事業主が軒並み結果を出している、サブスクD2C界の第一人者・新井亨さんは、新刊『「サブスクD2C」のすごい売り方』の中で、自社ブランドを販売するなら、モール型ECより自社ECがいい理由について詳しく解説しています。そこで今回は、同書の中から該当箇所を一部抜粋・編集してご紹介します。

「モール型EC」と「D2C」の違い

 たとえば、インターネット上でのショッピングというと、多くの人がAmazon や楽天などのECサイトをイメージするかもしれません。
 けれども、これらのECサイトは「モール型EC」と呼ばれ、消費者への直接販売の手法である「D2C」とは異なるものです。
 実際、これまでモール型ECを利用してネットショッピングをしたことのある方は多いでしょう。
 モール型ECとは、多数の企業や商店のECサイトが集まったインターネット上の仮想的な商店街のことで、ネット上の百貨店やショッピングモールと考えればわかりやすいかもしれません。その代表的なものに、Amazon や楽天、Yahoo! ショッピング、ZOZOTOWN などがあります。
 では、商品を販売する側から見た、「D2Cによる自社ECサイト」と「モール型EC」の大きな違いは何でしょうか?
 実はこの違いには、大事な要素がいくつか含まれています。
 その違いをわかりやすく伝えるために、ここで「モール型ECのデメリット」を整理してみましょう。

◎デメリット①:モールへの出店料や手数料がかかる
 テナント出店料をはじめ、広告料や売上に応じたロイヤリティなどの費用が発生します。加えて、モールの規模が大きいほど費用が高額になる場合があります。

◎デメリット2:商品の値下げ合戦になりがち
 モール型ECの中では、同業他社が類似商品を多数販売しています。ユーザーは低価格のものを探すため、価格競争が激しく、値下げ合戦が起きやすくなりがちです。その結果、利益率が低下することになります。

◎デメリット3:自分のショップのブランディングにつながらない
 モール型ECで買い物をした人に、「それ、どこで買ったの?」と聞くと、Amazon や楽天といったモールの名を挙げる人がほとんどでしょう。モール内のあなたのショップのことを認知する人は非常に少ないのです。

◎デメリット4:顧客データが取れない
 モール型ECでは、顧客の情報や属性データはモール側の所有物となります。各ショップが顧客リストにアクセスすることは基本的にはできません。顧客情報を得てマーケティングに活かすことができないという決定的なデメリットがあります。

「顧客データ」を自社で所有する重要性

 モールでなく自社サイトであれば、購入してくれた顧客のデータを取ることができ、最適な商品の提案など今後のマーケティングに活かすことができます。
 顧客と直接つながり、長期的で良好な関係を構築することができれば、こちらからの提案で商品やサービスを案内していく機会は限りなく生じます。つまり、顧客データなどの情報は自社にとってのきわめて貴重な資産なのです。
 それがECモールでは、ユーザーが買いにくるのはあくまでもAmazon や楽天のポータルサイトですから、出店事業者の直接の顧客ではありません。必然的に顧客の情報は取れず、マーケティング活動を行なうことも許されていません。
 モールの顧客はあくまでモールのものであり、出店者がお客様と直接つながりを持つことは非常に困難と言わざるを得ません。
 このことは、ビジネスを進めていく上で、きわめて大きなデメリットです。自社の売上を伸ばす上で、決定的な機会損失を生んでいることを強く認識すべきなのです。

「価格設定権」を自社で持つ重要性──モール販売である限り、薄利多売から抜け出せない

 インターネットでモノを売りたいと考えるとき、まずは楽天やAmazonなどのプラットフォームを使って商品販売することを考える人は多いのではないでしょうか?
 けれども安易にそうしてしまうと、間違いなく価格競争に巻き込まれることになります。価格決定はモール内店舗同士の力関係に左右され、結果として薄利多売という状況に陥るのです。
 その点、D2Cの場合は、自ら商品の価格を決めることができるメリットがあります。つまり、利益を見込める金額を自分で設定できるという強みがあり、結果として得られるモール販売との利益率の差は、まさに圧倒的と言えるのです。
 価格設定の際には、当然ながら商品の価値をきちんと把握し、説明することが大事です。価格にふさわしい価値があれば、強気な値段をつけてもまったく問題ありませんし、独自の価値を持った単一商品として、市場でしっかりと勝負していけます。
 ところが、モール内で横並びになると、同じような商品を比較されてしまい、価格だけで即断されて終わりです。安い商品が出ていたら、検索にさえ引っかからないこともあり、よほどインパクトのある価格を出さなければ認知されません。
 モールは価格の安いものが売れていくというはっきりした傾向もありますから、やはり値段勝負になってしまうのです。頑張って安価で設定した上に、売れてもモール事業者や代理店に手数料を支払う必要があるため、行き着く先はどうしようもない薄利です。
 たとえば、大手モールで仮に1000万円を売り上げたとしても、実際の手残りはほとんどありません。年間に1億円を売り上げても、手元には不思議なほどお金が残らない。これがモール販売の実態です。
 一方で、直販のD2Cであれば、売価の約65%が利益になることもあり得ます。モール出店の、まさに数十倍の利益が見込めるわけです。
 こうした実例を見ても、モールでの販売に注力するのではなく、自社サイトによるD2C購入の顧客を着実に増やしていくアプローチを考えていくべきだと言えるでしょう。

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▲『「サブスクD2C」のすごい売り方』76ページより

モール型ECだと、せっかくの努力が報われない!?

 モール型のEC通販をかなり悪者扱いしてしまいましたが、D2C通販のメリットをよりわかりやすく説明するためと考えて、どうかご理解ください。
 これまでは、ECでの商品販売というと、楽天やAmazon といったモールを経由するのが主な方法であったのは確かです。
 けれども、今一度ここで質問しますが、たとえばモール通販で買い物をしたあなたは、その商品を、モール内のどこの店舗で買ったか覚えているでしょうか?
 モールショッピングで買い物をした人に、「その商品、どこで買ったの?」と聞くと、10人中9人、いや下手をすれば10人とも、「楽天だよ」「Amazon で買った」と、プラットフォームの名前を返すのではないでしょうか?
 これは、商品の売り手にとっては、実に大きな問題です。
 あなたがモール型ECでせっかく売っても、そこに出店しているあなた自身のショップが認知される可能性は驚くほど低く、その意味でのPR効果は皆無。単に売上をつくる、という結果が得られるだけなのです。
「でも、売れるんだからいいじゃない」──そうあなたは言うかもしれませんね。
 もちろん、モールECを使って売上を上げることは大事な要素もあり(後述しますが)、一概にダメというわけではありません。
 けれども、そこに終始していたのでは、あなたのビジネスはいつまで経っても「先の読めないビジネス」のまま。
「楽天で買った」「Amazon で買った」ということしかユーザーの記憶に残らなければ、先のビジネスにつながりにくいのと同様に、顧客情報を得られないという決定的なデメリットが生じているのです。
 大事な点なので繰り返しお伝えしていますが、それが先に挙げた「デメリット4」に関するマイナス要素です。モール型ECでは顧客情報はモール側の所有物となってしまい、あなたのショップではその情報を得ることができないというデメリットがあります。
 モールの出店者は、せっかくユーザーがあなたの商品を買ってくれても、どこの誰なのか、その情報を得ることができません。顧客リストにアクセスすることは基本的に無理ですから、顧客情報を基にした今後のマーケティングを行なう術がないことになります。
 結局のところ、あなたの商品をモール型ECでブランディングすることは不可能です。
 あなたの商品を買ってくれた大切なユーザーの情報を一つひとつ得ていくことが、ビジネスに連続性をもたらし、フロー型でなくストック型のビジネスモデルの構築へとつながっていきます。それが、「先の読めるビジネス」への入口になるのに、モールにばかり頼っていては、いつまで経ってもたどり着きません。「モール型EC」に依存するのではなく、重要なのは、やはり「D2C通販」です。
 もしもあなたがモール偏重に終始しているなら、ぜひこの先を読み進めていただき、あなたの努力が報われるD2Cビジネスへと舵を切っていただきたいと思います。

【著者プロフィール】
新井 亨(あらい・とおる)

サブスクD2C総研株式会社代表取締役。株式会社Telemarketing One代表取締役。年商50億円以上の企業のサポートも行なうサブスクD2C業界の第一人者。埼玉生まれ。University of Wales MBA卒業。北京へ留学し在学中に貿易会社事業などで起業。その後、北京へ渡り、不動産、美容、貿易など複数ビジネスを成功させる。帰国後、上場企業などの相談役などを経てオリジナルブランドを立ち上げ販売開始から8カ月で月商1億円を突破。商品開発からクリエイティブの作成、CRMまですべて自社で行なうなど圧倒的な成果をおさめる。集客・運用・CRMについて上場会社とのセミナーを全国で行なっている。企業に対してサブスクビジネスを教えるサブスクD2Cオンラインアカデミーの塾長も務めている。コールセンターを使ったLTV引き上げを得意としており、成功者を多数輩出、サポートした企業の累計売上は100億円を超えている。

今回ご紹介した11月10日(Amazonは11月8日)発売の新刊『「サブスクD2C」のすごい売り方』では、著者・新井さんが実践、体系化した「サブスク×D2C×単品リピート通販」の仕組みとノウハウを完全公開しています。興味のある方はチェックしてみてください。

『「サブスクD2C」のすごい売り方』目次、序章、第1章を全文公開中

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