【連載】#20「完全犯罪的な浮気」は可能か?|プロの探偵だから知っている「不倫」のリアル
デバイスの機能向上が、
探偵を困らせる!?
AppleのiPhoneやMAC、Android端末などデバイスの高性能化や5Gや無線通信技術の発達が浮気と密接に関連していることは、この連載の最初のほうでもお話ししましたが、特に、スマホとSNSの日常化は、浮気上級者にとっては必ずといっていいほど、機能や知識を習得して、巧みに使いこなしています。
スマホは、かつてのケータイ黎明期、いや、さらにさかのぼれば、ポケベル、固定電話時代には考えられなかった、浮気者にとって好都合な機能が満載です。メッセージ機能や無料通話ができるスマホは、キャリア間を超えて無料でコミュニケーションがとれることはもちろん、浮気相手との写真や動画データ、やりとりのメールなど、さまざまな情報をスマホ内部に残さず、クラウド上に保存できるようになりました。
また、各種マッチングアプリやソーシャルゲームアプリもメッセージのやりとりなどができるため、常に新しい浮気相手を探すのに一役買ったり、または既存の浮気相手とコミュニケーションを深めるのに使われています。そして、このようなアプリは、一見したら浮気相手とつながるためのアプリには見えず、秘匿性が高く、浮気発覚を免れるために使う浮気上級者がいるのも事実です。
浮気発覚と言えば、ガラケー時代では、通話明細やメールの過剰なやりとりによって増加した通話料・パケット料から浮気が発覚することもありましたが、スマホ時代ではまずそのリスクはなくなりました。今では各電話会社は、データ通信の上限を撤廃したり、通話もかけ放題のプランが当たり前になるなど、常に浮気相手と連絡を取り合う間柄には重宝されるプランも多彩です。そのため、通信料、通話料で浮気を見抜くことは難しくなっていると言えるでしょう。
通信料金や通信環境への弊害が少なくなった今、スマホやSNSは、浮気相手との関係性を強化したり、継続させていく上でも有効なので、浮気者にとっては好都合なツールとみなされています。
実際に旅先やデートなどで行った先々の写真をシェアしたり、ためになるニュースやサイトを紹介し合ったり、おもしろいゲームを共有したり、会っていなくてもコミュニケーションを深められる要素がたくさんあります。
結果として、今までは会ったり連絡を取り合っていないとお互いの近況がわからなかったものが、SNSやアプリを通していつもつながりを感じられ、接触頻度を高めていくことになります。心理学の考え方で言えば、「ザイアンス効果」とも言われ、“人は会えば会うほど、人のことを好きになる”傾向があります。
これは、現代社会においては、直接会わなくとも会っていることと同じような感覚、寂しさを紛らわせるツールにより、お互いを好きでいられる環境が、離れていても整っていると言えます。
セキュリティ強化を喜ぶ
浮気上級者たち
浮気や不倫においてスマホやSNSを使用する最大のメリットが、情報漏えい防止が図れる点です。
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