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【CRM】優良顧客をロイヤルカスタマーに育てるコツ

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

「サブスクD2C」をはじめとしたストック型ビジネスを拡大させていくためには、「客単価と購入回数を上げる」ことが重要になってきます。

つまり、購入者データを分析しながら、優良顧客を抽出し、その優良顧客をロイヤルカスタマーに育てていく必要があるわけです。

【サブスク×D2C×単品リピート通販】を体系化し、自身はもとより、コンサルを受けた中小零細企業、個人事業主が軒並み結果を出している、サブスクD2C界の第一人者・新井亨さんは、新刊『「サブスクD2C」のすごい売り方』の中で、優良顧客をロイヤルカスタマーに育てるコツについて、詳しく解説しています。今回は、同書の中から、その該当箇所を一部抜粋・編集してご紹介します。

優良顧客をロイヤルカスタマーへと育てていこう

 この章のテーマである「利益を10倍にする秘訣」を、単品リピート通販における「ビジネスの仕組み化」の切り口の中でここまで解説してきました。
 固定費をかけず、アウトソーシングを効果的に使うことで、利益率の高いビジネスとして昇華させていく。そのために整備すべき仕組みについて紹介してきました。
 しかし、利益を10倍にするために最も重要なのは、商品を買ってくれるお客様一人ひとりの満足度を上げていくことに他なりません。抽象的な言い方になってしまいましたが、つまるところ、一人ひとりのお客様により多くの商品を買ってもらう。いわゆる「客単価と購入回数を上げる」ことが重要です。
 言い換えれば、従来のお客様を優良顧客へと引き上げ、さらにワンランク上のロイヤルカスタマーへと導いてあげる。それには、クライアントにいっそう密接に向き合い、より多くの商品を購入してもらえるようサービスの純度を高めていくことです。
 単品で始めた通販ビジネスも、それが軌道に乗っていくと、たとえば商品の種類がいわゆる化粧品から美容液、乳液……と多彩になっていくことは当然考えられる成長戦略です。
 そこで既存のお客様に、他の商品のセールスプロモーションも仕掛けていきます。
その場合も、あくまでも単品勝負のメイン商材の立ち位置は崩すことなく、他の商品はあくまでも付加価値としてすすめていくことが重要です。
 それを大事にしながら、優良顧客、さらにはロイヤルカスタマーへとお客様のポジションを上げていくようプロモーションを促すのです。

「3回」という基準クリアをする工夫

 そこで大事なのが、CRM(Customer Relationship Management)と呼ばれる手法です。これは「顧客関係管理」や「顧客管理」などと訳されるもので、あくまでも顧客を中心に考えてビジネスを展開し、利益の最大化を目指すマネジメント手法を表します。
 気に入って使い続けてもらうためには、CRMによって、使い方やサービスの充実などを提供し続けなければなりません。
 今、多くの企業でCRMの部署が新設されていて、サブスクリプション型のビジネスを促すものとして、今後は市場でも主流になっていくと思われます。顧客満足度が高くないサービスや商品は、永続的に購入・支払いを続けてくれるはずがないからです。
 良いものをつくっているだけで売れる時代は、もうとっくに終わっています。ブランディングの究極の目的は、相手に「ブランドのファン」になってもらうこと。ブランドのファンになってもらうということは、双方向の感情のキャッチボールが伴わなければなかなか成り立ちません。
 つまり、

認知 → 会員登録 → お試し → 継続使用 → 優良顧客 → ロイヤルカスタマー → 口コミ → 紹介

 という過程を通して、ロイヤルカスタマーになる層から遡って設計していくことが大切です。
 利益を10倍にしていくには、新規会員の獲得はもちろん大切ですが、

会員 → 優良顧客 → ロイヤルカスタマー

 のプロセス部分に注力することが重要で、何度も使ってくれる方へ特別待遇などを提供して、ロイヤルカスタマーへと引き上げていきましょう。加えて、口コミや紹介をしてくれた人にメリットを与えるような仕組みをつくるのです。
 1回目が「お試し」、2回目は「もう1回試してみよう」、3回目は「いいな!」、4回目以降は「続けて使おう」──という流れです。
 3回目までクリアできれば、あとは習慣化して、ずっと続けてくれる良いサイクルができあがります。
 大手の企業は、この「3回」をクリアすることの重要性をよくわかっているので、「3カ月無料」や、「3カ月間のキャンペーン価格」などの特典をつけて、まずはトライアルで提供し、気に入ったら続けてもらうという形でサービス提供をしています。
 1カ月では習慣化しません。1カ月無料だとそこで止めてしまいます。でも3カ月続いたら、ユーザーはそれが習慣になります。「3カ月無料」でお試し用にハードルを下げて、実際に使い始めることによって便利さを知ってもらい、継続してもらう流れをつくりましょう。
 その意味でも当社では、3カ月=90日間ほど続けてもらえれば、プレゼントを差し上げます、というアプローチを行なっています。
 そして、90日間が終わった段階で電話をします。
「いつもありがとうございます、お得なキャンペーンで1年続けませんか?」
 と案内するわけです。すると15カ月に期間は伸びるわけで、「その間、ぜひ続けてください。割引させていただきますから」と誘導します。
 当社としても長いスパンでの売上が読め、お客様のほうも、担当者がわざわざ電話までしてくれたと感激して続けてくれます。
 このようにメールだけでなく、実際に電話をして直接話すことで、継続することのメリットを案内していくのも有効な方法の1つと言えるでしょう。
 単品リピート通販では、既存の顧客をいかに育てていくかが大事で、お客様との接触を恐れていたらいつまで経っても優良顧客にはなりません。積極的に接点をつくっていきながら、優良顧客をさらなるロイヤルカスタマーにしていくことが重要なのです。

 ITやDXを駆使して売上を上げていくのが【サブスク×D2C】ビジネスですが、実はそのプロセスにはこうしたウェットな関係性に富んだ、アナログな要素があることをぜひ知ってほしいと思います。
 ロイヤルカスタマーへと導いていくのは、人と人とのリアルなコミュニケーションによるアナログの力です。感情に訴えるエモーショナルな接点をいかにつくっていくかが、優良顧客をロイヤルカスタマーに育てていくための秘訣と言えます。

【著者プロフィール】
新井 亨(あらい・とおる)

サブスクD2C総研株式会社代表取締役。株式会社Telemarketing One代表取締役。年商50億円以上の企業のサポートも行なうサブスクD2C業界の第一人者。埼玉生まれ。University of Wales MBA卒業。北京へ留学し在学中に貿易会社事業などで起業。その後、北京へ渡り、不動産、美容、貿易など複数ビジネスを成功させる。帰国後、上場企業などの相談役などを経てオリジナルブランドを立ち上げ販売開始から8カ月で月商1億円を突破。商品開発からクリエイティブの作成、CRMまですべて自社で行なうなど圧倒的な成果をおさめる。集客・運用・CRMについて上場会社とのセミナーを全国で行なっている。企業に対してサブスクビジネスを教えるサブスクD2Cオンラインアカデミーの塾長も務めている。コールセンターを使ったLTV引き上げを得意としており、成功者を多数輩出、サポートした企業の累計売上は100億円を超えている。

いかがでしたか?

今回ご紹介した新井さんの新刊『「サブスクD2C」のすごい売り方』では、著者・新井さんが実践、体系化した「サブスク×D2C×単品リピート通販」の仕組みとノウハウを完全公開しています。興味のある方はチェックしてみてください。

▼『「サブスクD2C」のすごい売り方』目次、序章、第1章を全文公開中


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