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【かくれ繊細さん】DaiGoさんも言及!一見外向的なHSPの生きづらさの原因。

先日刊行された『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(時田ひさ子 著)。さっそくネット上では、HSS型HSPのかくれ繊細さんの方々から、「まさに自分のことが書かれてて泣けた」というお声を頂戴しています。

おかげさまで刊行から10日足らずで重版になりました。ありがとうございます!

また、今週に入って、あのメンタリストDaiGoさんが、自身のYouTubeで、【HSPの真実〜メルタル弱いのに外向的!?知られざるHSPについて】というタイトルで、まさしく【かくれ繊細さん】では!?というお話をされています。

DaiGoさんは最近、HSPについての動画をいくつかアップされていて、HSPの特性はけっして弱みではなく、環境を整えることが大事だとおっしゃっています。また、HSPの特徴について書かれた本はあるが、HSP特有の才能を発揮する本がない、とも。

『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』では、HSS型HSP専門心理カウンセラーである時田ひさ子さんが、HSS型HSPの才能を開花させる方法まで書き下ろしてくださっています。

今回は、HSS型HSP(かくれ繊細さん)への理解を深めるために、かくれ繊細さんたちがもつ【はみだした感受性】について書籍からご紹介いたします。

かくれ繊細さんが生まれながらに持つ「はみ出した感受性」

 この特性を持つ人たちが、本心を全部さらけ出すことができない理由は、かくれ繊細さんが生まれながらに持つ感受性の幅が一般の人たちと異なるためです。かくれ繊細さんの感受性の幅、感じ取る幅は、一般の人に比べてかなり広いと思われます。
 かくれ繊細さんが日常生活でふと気がつくことに、周囲の人は気がついていないという経験をされることはありませんか?
人が言った些細なひと言の裏を読み取ったり、視線の向け方や態度の変化にいち早く気がついたり、人の表情の小さな変化から心の動きを察知したり、空気の匂いや場の雰囲気、かすかな音からさまざまな情報を得ることができるのが、かくれ繊細さんの特技です。
 ご相談者の中には、介護や医療、学校の先生、ヨガの先生、カウンセラーなど、人の様子を観察してサポートする仕事に就いている方たちもいらっしゃいますが、そうした仕事は、周囲の人が気づかないことにまで気づく特性を活かしやすい職業だと思います。まったく違う分野ですが、芸人さんがご本人そっくりに物まねをしているのを見るたびに、人の特徴を読みとって自分にインストールする感受性の幅の広さが役立っているんだろうな、と想像しています。

 このはみ出した感受性は、HSPの四つの必須特性のどこに該当するのでしょうか?
 1991年よりHSPについて研究されているエレイン・アーロン博士がまとめた繊細さん(HSP)が持つ四つの特性がこちらです。

1 Depth of processing:考え方が複雑で、深く考えてから行動する
2 Overstimulation:刺激に敏感で疲れやすい
3 Empathy and emotional responsiveness:人の気持ちに振り回されやすく、共感しやすい
4 Sensitivity to subtleties:些細なことにも気づく


 アーロン博士は「四つのうち、一つでも当てはまらない人はHSPではない」と定義しています。四つのうち、三つに当てはまっていたとしても、一つはあまり当てはまらないと思うのなら、あなたは「HSP=人一倍繊細な人」ではなく、単に性格的に内向的な人である、ということです。

 この四つの特性すべてにおいて、繊細さんは、非繊細さんよりも幅が広いと言えます。
 すべての感情が深くて濃いのです。
 悲しみも、悔しさも、後悔も、嫉妬も、恥ずかしさも、恐怖も、そして喜びや悦び、愛もすべてが強く、深く、濃いと言えます。
 そしてかくれ繊細さんは、強く、深く、濃く感じ取ったうえに、普通よりもかなり複雑に考え込みます。
 深く考えてから判断して行動しますので、一般よりもかなり小さな刺激にも敏感。だから疲れやすく、周囲の思いに振り回されやすいのです。無意識に一つ一つに気づき、深く共感し、傷つき、凹む人だと言えます。
 さらに、かくれ繊細さんの場合は、この特性のほかに、外に刺激を取りに行きたいという欲求が非繊細さんたちより高いし、自分の望むように人に思われたいという願望も強い。感情が強く深く、思考も深く、さらに周囲が期待する自分であろうとする欲も強いという大変極端な人だと言えます。

 さて、この極端な人を、世間の人たちは受け入れられるでしょうか?
 この極端な人、ありのままのかくれ繊細さんを、そのままさらけ出したとして、世間の人たちが受け入れることができるでしょうか?

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「感受性の幅」が非繊細さんとは違う

 これまで、たくさんのかくれ繊細さんに、心の内面や他人との違いに葛藤されたお話をうかがってきて、「どうやらこういうことなんじゃないか?」と帰納的に集約してできた図がこちらです。繊細さんの感受性が、非繊細さんに比べて幅広く、はみ出しているのがおわかりかと思います。
 感受性の幅が、繊細さんと非繊細さんとでは大きく違うために、両端のはみ出した部分について、非繊細さんたちに理解してもらえない、という事態が起こります。この両端の感覚とは、「善すぎる感覚」と「悪すぎる感覚」です。

 右端にはみ出した「善すぎる感覚」とは、かくれ繊細さんが過剰に持ち合わせている「表裏をつくりたくない」「公平でありたい」「優しくありたい」「人と調和して生きたい」「純粋である」「あふれんばかりの愛情/愛情深さ」「崇高さ」「誠実」などの、素直で律儀で折り目正しくて誠実で愛情深いあなたです。このような感覚を持ち合わせていることは、一見よさそうなものですが、これらは時に非難される性質となります。どうやら、非繊細さんから比べると度が過ぎるためです。
 
「お人よし」で「献身的すぎる」「対価に見合わない労働をする」「優しすぎる」「もっと利口になれ」「もっとずるがしこく生きろ」「要領よく生きたほうがいい」などと批判されることにもなる性質です。あなたには、ご自身のこうした部分に覚えがあるでしょうか?

 では、逆側の、左側にはみ出した「悪すぎる感覚」とは、どういうあなたなのかというと、「ネガティブ」「しつこい」「ネチネチ恨みがましい」「あまのじゃく」「意地悪い」「さぼりたがり」「怠惰」「人の欠点を見抜く」「ずるがしこい」「こすい」「細かい」「人目を盗む」などの、本気で人前に出したくない性質です。

 かくれ繊細さんは、この両端のはみ出した部分を必ず持ち合わせています。片方だけではなく、両方を必ず持っています。
 もちろん自覚のあるなしは個人差が大きいので、「私にはこんな部分はない」と思われるかもしれませんが、ご自身の心の癖を紐解いていくと、ご自身の中にこれらの両方の特性があるということが、はっきりわかってきます。
 あなたがかくれ繊細さんならば、この表のどの部分を「見たくない」と思うでしょうか?
「見たくない」と思う部分には、あなたのトラウマとなる嫌な出来事が隠れている場合が多いため、自覚していない自分の部分を自覚するには、覚悟と時間が必要になります。
 ですが、生きやすさに近づくためには、ご自身の「見たくない」「知りたくない」と思う部分を理解することがカギとなりやすいのです。
 また、たくさんの方の生きづらさに伴走していると、「善すぎる感覚」を抑圧している方が想像よりも多いというのも意外に思うことの一つです。優しい人間、愛情深い人だと見られたくないのですね。これは、優しすぎる、愛情深すぎる、正義や公平を求めすぎることで生きづらくなってしまったためだと思われます。
 私自身も、優しすぎる自分が恥ずかしくて、クールに見せるようにしていたということに気づいたときは、本当に驚きました。あなたがもし、強くて、クールに見せるということを無意識にしているとしたら、その真逆の性質があなたの中に眠っているかもしれませんね。

※本稿は『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(時田ひさ子 著)より抜粋したものです
※イラスト/カシワイ

(編集部 杉浦)

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