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レシピ公開の見直し期。足を動かす新しい現代へ。

新型コロナウイルスの猛威によって街の人が消え、閑散とした飲食店街が見慣れるようになった頃、
sioの鳥羽シェフを皮切りに多くの料理人が【レシピ公開】に踏み出しました。

その意図はそれぞれあるけれども、レシピを公開して料理人ではない方々と私たち料理人とを並列化し、【料理を楽しむ】ことを目的とした活動は多くの自粛に疲れていた人を助け、新しい趣味を作る手助けをしてきたかと思います。

鳥羽シェフを見習い続々と参戦してきた料理人のレシピ公開には、その活動自体に慣れが感じてくると同時に【コロナ後の実店舗のPR】が意図として盛り込まれ、【楽しんでもらう】から【知ってもらっておく】という主張が強くなっていった気もします。

新型コロナウイルスの感染拡大が少しずつ減少してきている昨今、それ自体が本当かという話を横に置いておき様々なレストランが今まで仕掛けてきた【伏線の回収】に取り組む姿勢も見えてきています。

それは活気のある街に戻りつつあるから出る当たり前の風景で、苦しい時も負けずに種を蒔き続けてきたからこその努力の情景のようにも思えます。

レストランがここぞとばかりに勢いを取り戻し、各人思っていたこと、目指していく目標に猛烈なスピードと圧倒的な最短ルートで取り組んでいく中、私は現在の【レシピ公開】にやや違和感を覚えています。

そもそも今からレシピ公開を新しく行うことは何になるのだろう。
きっと世間のニーズは【答え合わせ】というコロナ禍独自の料理への楽しみから、
まだ見ない料理人の【踏ん張っていた中でも温めておいた現実化させたいアイディア】に期待をして足を運ぶことにあるように思えます。

【レシピ公開】は以前の料理業界ではタブーな部分が少なからずありました。

きっと鳥羽シェフがご家庭で作れる唐揚げのような一般的な料理にプロのエッセンスを加えるやり方から始めたことも私はそう考えていて、

そもそもレストランのレシピを公開しても一般的な汎用性は低いし、【あぁー。こーゆーことやってるんだ】とい軽いネタバレがあるし、ここぞとばかりに盗まれて同じことをされても嫌だという気持ちもあったかと思います。

その反面それを機に店を知ってもらうという大きな賭けもあったかもしれません。

今時代は【知りたい】から【食べたい】に動いてきていると思います。

【食べたい】という制限の緩和から戻った久しぶりのように見える【新しい行動意欲】を理解した上でのレシピ公開は、これから先全く新しいプロモーションになる気がします。

ただレシピを公開していれば人が食いついてくる時代はあっという間に終わりました。

レシピ公開がこれから先ダメというわけではないと思いますが、それをさらに超えてくる仕掛けが現実に存在する場を作ることが【今のレシピ公開の意義】に感じます。

僕自身ニューワールドに行って1番知りたかったのは正直に言うと【〆のアイスクリームのレシピ】です。

あれは本当に美味しかった。
でもそこは教えない。
そんな【いつかYoutubeで配信しそうだけどきっと配信しない】もどかしさがまた一つの【行きたい】を作っていると思います。

【グラノラクッキーの作り方】を配信して店頭でそのグラノラクッキーを置いていてはダメということです。(**特定の店を挙げているわけではなくあくまでも例)

完全ネタバレで原価もわかるし、そこからの売価の価値もある程度足を運ぶ前に決まってしまいます。そうしたらお客様は足を運ぶ前から【冷めます】

美味しい料理を出す店の根幹部分をさくっと見せる。そのチラリズムが次を想像させ期待を持たせる。
そしてそれを軽く超えてきて食べた人に【本物の感動】を与えてくれる。

きっとこれからのレストランの勝ちパターンだと思いますし、来客者の幸せパターンだと思います

僕はHotel’sにはまだ行けてません。
行きたいけどもう少し先になりそうです。

でも少し遠い大阪で既にHotel’sのエロさに触れています。

なんか書いていて気持ち悪くなりましたがすみません。

でも結局そーゆーとこです。
これからは。

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働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。