見出し画像

【あるがままの心理学】心をマイナスにする8匹のモンスターたち|同調圧力を育てない!|〈認知行動療法3.0〉

結論から。
「同調圧力」を無くすためには
心のモンスターを育てないことです。


どうも
安全・安心と絆でつながる
キャリアコンサルタントの
タルイです。

週一でnote更新してます。


本日は私たち人間の心に潜む
モンスター
のお話です。

実は私たち人間は

モノゴトをあるがままに見ているようで
見えていません。

人によってクセがあります。

たとえば
友達からLINEの返信がなかったときに

「忙しいのかな」
と思い浮かべる人もいれば

「返信を返さないなんてひどい人だ」
と怒り出したりする人もいれば

「嫌われているのでは…」
と、マイナスに思い浮かべる人もいます。


LINEの返信が来ない(事実)にプラスして
さまざまな感情を付け足してしまう。

それは時として
相手の何気ない行為に傷つき、
必要以上に自分を貶めてしまうことも。 



社会には
自分の感情のコントロールができず、
ストレスを感じている人が
とてもたくさんいます。 



この原因は
認知(=物事の捉え方)に
「ゆがみ」があるからです。 


そうです。
私たちの心の中には
認知を歪めてしまう
モンスターがいるのです。


ここからモンスターの正体を
お伝えします。


◆人間の歪んだ心に潜む8匹のモンスター


ご紹介します。
こちらが8匹のモンスターです。

スクリーンショット 2021-07-18 0.04.36

 

▼こちらの本より引用しました。

ネガティブ思考とは

状況から頭の中に
自然と浮かんでくる考え

これを心理学用語で
認知の歪みといいます。


著者の竹田伸也さんは
この認知の歪みを
「8匹のユガミン」に例えて
説明されました。


順に紹介します。


●なんでも白黒つけたがるモンスター

物事を白か黒か割り切り、
完璧さを求めさせるモンスターです。

完璧でないと納得できないため、
自分の行いに少しでも満足できないと

「これは失敗だ」とか
「自分はダメだ」などと
判断して自身を失ってしまう。

そして相手にも求めがちです。


さて、このモンスターの名前は...

画像1
シロクロン

ツートンカラーが目印です。



●出来事に悲観的なフィルターをかける

人生では、良いことも悪いことも
両方起こります

物事の悪い面ばかりが目につき、
良い面やうまくいったことなど

他のことを見えなくさせてしまう
モンスターです。

また他人を評価するときも
ネガティブな要素しか
思い浮かべられないです。


このモンスターが大きくなると、
悲観的なフィルターを通して
自分や世の中を見て
気分が暗くなります。


このモンスターの名前は...

画像2
フィルタン

エアコンのホコリも
簡単に取ってくれそうなモンスターです。




●否定的なラベルを貼りたがる

物事や人に「○○である」
と否定的なラベルを張り

一度はったらはがさないモンスター


このモンスターが大きくなると、
あらゆるもの(自分自身)に
否定的なラベルをはり


そのラベルから浮かぶ
イメージに振り回されて
冷静な判断ができなくなる。

このモンスターの名前は...

画像3
ラベラー

値札を貼るのも得意そうです。



●過剰な拡大解釈と縮小解釈

自分の失敗や短所を
実際より大げさに考えて

反対に長所や成功を
実際より小さくとらえるモンスター


このモンスターが大きくなると、
些細なミスや失敗を大げさに考えすぎて
鬱や不安になったり、

自分の成功も
「できて当たり前」
とポジティブに評価できなくなります。


このモンスターの名前は...

画像4
マグミミ

magnification(拡大、誇張)と
minimization(極小化)で
マグミミ。

これは予想つかないネーミングですね。



●「すべき」思考のモンスター

自分や他者や物事に対して
「○○すべき」
「○○でなければならない」
と理想像が必ず存在するモンスター


このモンスターが大きくなると、
マイルールに縛られて
生活が窮屈になったり

できなかったりしたときに
激しく落ち込んでしまいます。

また
相手がそれをしてくれなかったときは
イライラしたり
失望したりすることになります。

このモンスターの名前は...

画像5
ベッキー

欧米かっ



●なんでも「自分が悪い」と考えちゃう

よくない出来事が起こると、
自分の感情を根拠に
物事を決めつけて

自分がそう感じるならば
そのことが事実でなければならない
という考え方をします。


このモンスターが大きくなると
なにか悪い出来事に対して
自分のせいと自分を責めてしまうため
自分のことが嫌いになってしまいます。

このモンスターの名前は...


さて、ここで問題です!

このモンスターの名前を
考えてみましょう。


画像6
ジーブン

上手い!



●過剰な一般化

たった一度や二度起こったことでも、
それをを根拠にあらゆる出来事が

同じような結果になると
一般化しすぎるモンスター


このモンスターが大きくなると、
嫌なことが繰り返し起こっているように
感じてしまうため
落ち込みやすくなる。

「いつも」「絶対」「すべて」
「常に」「全く」「決して」

という言葉をよく使う人によく見られます。


さて、ここで問題です!

このモンスターの名前を
考えてみましょう。

画像7
パンカー

正解は、一般化で「パンカー」



●根拠もないのに結論が飛躍する

根拠もなく、
誰にも分からないような
将来を決めつけてしまうモンスター


このユガミンが大きくなると
悪い結果になると早合点してしまうなど、

よくない結果を先読みしてしまい、
不安定な気分に苦しむ。

人のちょっとした言動で、
その人の考えていることを
決めつけてしまったりする。


このモンスターの名前は...

画像8
ジャンパー

結論がジャンプするってことですね!


以上です。


途中、大喜利とクイズを挟みました😅


さてこの8匹のモンスターは
認知行動療法の世界で
「認知の歪み」として発見されました。


◆認知行動療法3.0 『認知の歪み』は矯正せずに受け流す時代


1976年に心理学者の
アーロン・ベックによって
認知の歪みの基本的な理論が提唱され

その後に
彼の弟子であるデビッド・バーンズ
様々な例から10パターン
(後に13パターン)にかみ砕き

「認知の歪み」として広められたのです。



認知行動療法は、
歪んだ認知と不適切な行動の
両方を改善する治療法として
生まれました。


改善策としては
認知の歪みの考え方自体を
修正しようということでした


しかし最近では
「認知の歪み」自体を矯正するよりも


意識の認知から
体感覚にずらす手法が
推奨されるようになりました。

最近の認知行動療法の主流です。

こういった潮流は
行動療法(1.0)や
認知療法(2.0)に続きて

認知行動療法3.0と呼ばれてます。



◆マインドフルネスも「認知行動療法3.0」

認知行動療法3.0の流れを紹介します。


●行動にフォーカスする「ACT」

▼ACTに関してはこの本が一番わかりやすかったです。


アメリカの心理学者スティーブン・ヘイズが創始者です。

英語で「act」は「行動」ですね。

「ACT」(アクト)は、
その意味どおりに行動することを重視するセラピー手法です。

正式には「アクセプタンス&コミットメント・セラピー」

アクセプタンスは日本語で「受容」です。
受け入れるのは「あるがままの感情」です。

コミットメントは自分との約束

より良い人生にするために、
「あるがままの感情」を受け入れて
何をするかを考えたら
その実行を自分と約束して行動する

これがACTです。



●「あるがまま」に受け入れる森田療法

森田療法は1919年(大正8年)に
精神科医の森田正馬(まさたけ)さんが
自分の不安障害体験をもとに創始した精神療法です。

▼森田療法はこの本がわかりやすかったです。

森田療法では、
不安や恐怖を「排除」するのではなく、
それを自然な感情として

「あるがまま」に受け入れることで、 
それらは自然と消えていくことを考えます。

不安障害などで起こる不安や恐怖は、
5〜15分でピークに達し
やがて徐々におさまっていきます。

このようにして不安や恐怖は
自然に消えていくものだということを
体で覚えるのです


●マインドフルネス認知療法

ご存じマインドフルネス認知療法は
東洋の全能思想と
西洋の心理学を統合して
開発された方法です。

現在アメリカを中心に
欧米では認知行動療法3.0として
瞑想が盛んに行われていますが

そのベースとなっているのが
マインドフルネスの考え方です。

マインドフルネスとは「気づくこと」の意味です。

何に気づくかと言うと
今ここ=「今自分が生きている、この瞬間の現実」
に気づくのです。

今ここ(現実)を

「正しい/正しくない」
「すべき/すべきでない」
「良い/悪い」

といったシロクロンな評価をせず
あるがままに感じて
受け入れていくのが
マインドフルネスの考え方です。

そこは森田療法と一緒ですね。


ここまで
●ACT
●森田療法
●マインドフルネス認知療法と
ご紹介してきました。


私のおすすめは

世界最古のメンタルヘルスである仏教より

草薙龍瞬さんの「反応しない練習」です。


私も実践しています。


「認知の歪み」は仏教でいうと妄想です。

妄想とは頭あるいは心の中にしか存在しない
考えごとのすべてです。


思考(言葉で考える)
想像(映像を想い浮かべる)
記憶(思い出す)

も、その一つです。


ですから
認知の歪みによる
ネガティブな判断も含みます。


妄想は自分の考えであって
自分自身ではありません。

要は、自分と自分の考えを
同一視しないことです。


▼図解にしました。

STEP1 心の状態を言葉で確認する

マインドフルネスの手法に
「ラベリング」があります。

ラベリングとは
ちょっとややこしいのですが
モンスターの「ラベラー」とは違います。

反応しない練習では
そのラベリングにフォーカスして
発展させた手法とイメージして
もらえると伝えやすいです。


たとえば、
記事の序文にあった
「友達にLINEを送ったのに、既読スルーをされてる」

●「催促メッセージを送ったら、しつこいと思われるかな?」 
●「LINEを1日も放っておくなんてひどい人だ! 」 
●「何かいけないことを書いたかな? 絶交されたらどうしよう! 」 

これらはすべて「雑念」であって「事実」ではありません。

心のモンスターが自動的に作りあげたものです。

この心の状態にモンスターの名前をつけてみる
これがラベリングです。


●「LINEはすぐに返信すべきだ」
(これはベッキーだ)

●「LINEを1日も放っておくなんてひどい人だ! 」 
(これはマグミミだな)

このように自動的に止めどなく思いつく考えに
モンスター名を呼ぶだけ。

これだけです。

森田療法の説明でもあったように
だいたい5〜15分でピークに達して
モンスターを受け流せます。

つまり受け入れてから
受け流されていきます。

これをマスターすると

主観抜きで心の反応を眺めることができます。


乱暴ですが
すべて心の中のモンスターが
やってることと俯瞰できます。


たとえば街でミニスカートの女性に
心を奪われて目で追尾しそうになっても

心のなかで「エロリン♡」と言葉で確認するだけで
私自身ではなく
心の中のモンスターが反応しただけとなります。


これで多くの男性は理論上
すばやく平常心に戻るはずです。

一応、「理論上は」と断っておきます。


 その他のラベリング活用方法は
自分が「今ここ」でやっていることを、
ナレーション入りにして言葉で確認する手法もあります。

これだけでも妄想を確実に減らせます。

▼こちらの記事でまとめました。

快く無視する


モンスターは心の中で飼いならせているうちは問題ないです。

問題はモンスターが肥大化して
実際の行動にまで影響がでちゃったときです。

画像13



このあとにモンスターが大きくなってしまう
残念な習慣について書いておきます。


◆TVのワイドショーはモンスターのおしゃべり場

ここまではモンスター対策を中心に紹介しました。

いよいよメインに切り込みます。

心のモンスターが大きくなると
「同調圧力」を生みます。


本書は
なぜ日本は世界でもっとも同調圧力が強い国なのか

その理由は欧米が「社会」で考えるのに対して

日本は「世間」で考える習慣にあることと言及してます。


私は、この「世間の声」を生んでいるのは
テレビのワイドショーであったり
匿名のネット記事だと思います。


これらが
心のモンスターを大きく育てる要因です。


マスメディアは事態をすぐに単純化します。

大体一つのセンテンスを
わかりやすい形で切り取って
決めつけを行うわけです。

そして勧善懲悪の図式を作り上げて

つまり、シロクロンによって歪められ

いいことがあった時は
ヒーローのようにたたえて、

悪いことがあると
悪人として徹底的に叩きます。


本当に一つの要因だけで
事件を起こすような人は
まずいません。

同様に
世の中に100%悪人/100%善人
という人間もおそらくいません。


次に、
コメンテーターを観察してみてください。
正確には発言内容を観察してください。

シロクロンが用意した台本に沿って
フィルタンやらベッキーやらの

モンスターたちが
おしゃべりしてるだけ

と気づきます。

●次に、視聴している自分を客観視してみましょう。

(そのとおりだ!)
(共感できる)

なんて思っている自分はいませんか?

注意してください。

これは共感行為ではないです。
ただの同調です。

共感と同調の違いは「聴き方」にあります。

相手の話を頷きや合いの手を入れて
ただ受動的に聴くことを
パッシブリスニング
これは「同調」行為です。


相手の話を質問や疑問点を確認しながら聴く方法は
アクティブリスニング
これこそが「共感」行為です。


つまり
テレビのワイドショーをただ受動的に視聴する
これは同調行為です。

同調行為は心のモンスターを育成します。

心のモンスタが最終進化は

同調圧力を生みだすモンスター

その名も...

ド・ウ・チ・ョ・ウ・ア・チ・ュ・リ・ョ・クで

「ドアチュウ」です。

※イメージ画像はないので
ピカチュウに出てきそうなのを
想像してください。


TVのワイドショーとは
心の歪んだモンスターが行動化してしまった

ドアチュウがおしゃべりしているだけのTVショーです。


歪んだ思考に同調することは
絶対にあってはいけません。

それをファシズムというのです。


●〈まとめ〉 あるがままの心理学

最後にまとめます。

●心には制約をつけてあるがままに8匹の怪獣がいました。

●ACT、森田療法、マインドフルネス、反応しない練習(正見)

●ワイドショーはデトックスしましょう。


大切なのは認知が歪んでも
行動まで歪まなければ
マイナスとはいえないのです。

あるがままの自分を
受け止めるだけでなく、

ありたい人生に近づくための
行動にコミットする。

これができれば
「制約を設けた考え方」から脱却でき
自分軸な人生を生きることが
できるようになると私は考えます。


最後までお読みいただきありがとうございます。

感想はスキ&コメントで
お知らせいただけると嬉しいです。


●私からもお知らせが一点


「真夏の珈琲タイム2021 ZOOM雑談会」に参加します。

発達特性・発達障害をもつお子さん(小中高生)を
子育て中の方はご参加ください。

 ▼詳しくはこちらの記事です。


記事がお役に立てたら100円サポート願います。 noteで頂いたサポートとAmazonアフィリエイトは児童養護施設を退所する子どもたちの就労支援団体ブリジッフォースマイルさんに毎月寄付させていただきます。https://www.b4s.jp/action/contribution