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【読書日記】中野信子のこども脳科学|「イヤな気持ち」をエネルギーに変える!

もし、いまあなたが
生きづらさを感じているのなら

まずは脳の仕組みから
理解することが必要です。


どうも
安全・安心と絆でつながる
キャリアコンサルタント
のタルイです。

週一でnote更新してます。



いきなりですが
ちょっと子供の頃を
思い出してください。

あなたはどんなことで
イヤな気持ちになりましたか?

友達とケンカしたり
親や先生に叱られたり


あるいは
勉強や運動のできる友達を
うらやましく思ったり

できればそんなイヤな気持ちには
なりたくなかったはず。

人間関係の悩み、
勉強や将来への不安
劣等感、承認欲求の苦しさ…

「私ってどうして頭が悪いんだ」
「僕は運動オンチだ」


こんな考えに至って
周りの友達と自分を比較したら
どうしたってイヤな気持ちになります。


結論からお伝えしましょう。


このイヤな気持ちの正体


自分の体が
成長している途中である」
ことを


脳がわざわざ
「イヤな気持ち」
あなた自身に気づかせるように
しているのです。

脳を家電品で例えるならば

イヤな気持ちの正体は
ただの「お知らせ機能」だったのです。



▼本書で学びました。

脳科学者・中野信子さんが、
こどもに向けて語った本です。

読み終わった私の率直な感想は


この本は小学生の時に読みたかった。



あるいは学校の授業でもいいから
知りたかったことだらけです。


あぁ、あの頃、
これを知っていたら
必要以上に落ち込んだり
しなかったのに😅


また、
「イヤな気持ち」
お知らせ機能だけではありません。



イヤな気持ちには

あなたを成長させてくれる

とても大事なものでもあったのです。


本書はこのあたりを
子供向けとしつつも
詳しく丁寧に書いてありました。

最後に理由を説明しますが
むしろ大人の我々が読むべきです。


では、
ここからまとめていきましょう。


◆著者はご存じ中野信子さんです。


https://kodomo-manabi-labo.net/nakano-nobuko-oyauzai-1
中野信子[ナカノノブコ]
脳科学者・医学博士・認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学などで教鞭をとるほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている


こちらの記事は本書のテーマにそった
ご本人のインタビュー記事です。


この記事によりますと、

中野先生自身も子供時代は

「運動が不得意」
「頭痛もち」
「感覚が過敏」
「コミュニケーションが苦手」

などの悩みを抱えて、

生きづらさを感じながら
成長してきたそうです。


本書に書かれていることは
実体験でもあったのです。


目次をご覧ください。

目次
はじめに 「イヤな気持ち」は、あなたを成長させてくれる大事なもの
第1章 脳科学からのメッセージ―「イヤな気持ち」をエネルギーに変えよう!
第2章 脳のヒミツ―脳は「人間らしさ」をつくる場所(脳は情報をまとめて指令を出すセンター;脳は大きく4つの部分に分けられる;人間らしさをつくる「前頭前野」)
第3章 みんなのQ&A―「イヤな気持ち」と一緒に生きていこう
おわりに どんな人にも「科学の窓」は開かれている

この中より、まずは

脳的にイヤな気持ちは
どこから生まれるのか?

イヤな気持ちを
エネルギーにする方法とは?


この2点と
私が途中で気づいたことも
書いていきます。


◆イヤな気持ちは脳の前頭葉が作っていた!


え〜前頭葉の前に、
私がまず最初に
お伝えしたいことがあります。


脳は、
「自分の全てを
 コントロールする場所」

ではなく、

「体からの情報をまとめて
 指令を出すセンター」
の役割でした。


私はこれで
長年の疑問を解消して
スッキリしました😆

というのも、
脳と心は一緒であると考えるのは
無理がある
と考えていたからです。

このあたりの経緯は
キャリア相談をやっていて感じたとこで
こちらの記事にまとめました。



話を戻します。

前頭葉は脳のここ▼にあります。

前頭葉の働きはとても多機能です。

また、
この部分が発達しているのが
人間の特徴でもあります。


言うなれば「人間らしさ」を作っている場所とも言えます。


そして、
前頭葉の前側の「前頭前野」では
感情のコントロールも行なっています。


ここが今回のキーワード
前頭前野ですよ。


この前頭前野で
感情が作り出されている
事実が判明したのは
1848年のことです。



アメリカ人の鉄道建築技術者である
フィニアスゲージさんは

建設現場の爆発事故によって
下記の画像のように
鉄の棒が頭蓋骨を貫き😱
前頭葉の左側を損傷してしまいました。

画像2
https://karapaia.com/archives/52257533.html



このときは
奇跡的に命は助かったものの…

事故前は真面目で礼儀正しい人だった
フィニアスゲージさんでしたが

事故後には
感情のコントロールができなくなり


だらしなく無責任で
傲慢に振る舞う
ほど

フィニアスゲージさんの性格は
まるで別人のように
変わってしまったそうです。


本当にあった怖い話ですね。


ちなみに、前頭前野の底面には
「眼窩前頭皮質」という場所があり

ここは人間らしい「共感」
生み出す場所とされているそうです。

そして生まれつき
眼窩前頭皮質の機能が低い人たちを
「サイコパス」と呼ぶそうです。



◆イヤな気持ちをエネルギーに変えよう!


イヤな気持ち
を感じたときに
そのせいで自分を責めたり、
逆に誰かを傷つけたりと

マイナスな行動をしがちです。


私たちにとって
イヤな気持ちとは前述通り


脳からのお知らせ機能であって
そのために脳が引き起こしている
感情でした。

そしてこのイヤな感情を
適切な行動に変えることで

自分を成長させるエネルギー
になります。


そのエネルギーに変える方法は
脳科学では全部で11個あります。


順番にまとめました。


1.

悩みがなければ、人は生きていけない
本書8Pより

そもそも、
悩みがなければ
人は上手く生きていけません。

なぜならば、
イヤで困っていることが
あるからこそ


「なんとかしなきゃ!」
と思って頑張るからです。



これは「ねたみ」も同じで
誰かのことを羨ましいと思うから

「あの人のようになりたい」
と思えますよね。


大切なのは、
イヤな気持ちを自分や
他人を責めるために
使うのではなく、

自分を成長させるエネルギー
に変えることです。


2.

悩みは無理をして解決しなくてもいい
本書10P より

なぜならば、
悩みというのは一つ解決しても、

またすぐに別の似たような悩み
生まれるからです。

これは一つひとつの悩みは違えど、
実は根本的部分は同じというのは
よくあることだからです。

例えば、
心を許せる友達がいないという
問題について

根底に
「誰かを深く信頼できない」という

自分の性格を変えない限り
同じ悩みを繰り返してしまいますね。

ポイントは、
人生ここぞというタイミングで
自分を根本的に見つめ直すこと。

それまではいったん
横に置いておくといいそうです。


3.

「イヤな気持ち」は人間にとって消すことができない、とても大切な感情のひとつ
本書12P より

誰かに対して、
自分はどうしようもなく
本能的にイヤな気持ちを
感じる時もありますね。

このイヤな気持ちは
実は人間にとって
消すことができない
性質のものでした。

なぜならば
自らの生存にとって
邪魔になるものを避けるための
基本的な「防衛反応」
一つだからです。


例えば、
腐ったものを見たときの
あのイヤな気持ち。

この気持ちがないと
腐ったものを
食べてしまうかもしれません。

だから、イヤな気持ちは
人間にとって自ら守るための
大切な感情の一つでした。




4.

あなたが怒られキャラなのは、性格の問題ではなく、「伝え方」を知らないから
本書14P より

怒られキャラと
そうでない子がいるのは

性格の問題ではなく
伝え方を知らない場合
が多いそうです。

例えば、謝るときは
「すみませんでした」
と言葉で伝えるのではなく

目を閉じたり、頭を下げたり
謝っている伝え方を工夫してみる。


いろいろな伝え方を
上手く使い分けて

自分を守るのが
大人への第一歩でした。


5.

親に「イヤな気持ち」を抱いてもいい。
「イヤな気持ち」のいい面を見て、もっと大切に生きればいい
本書16P より

イヤな気持ちの良い面とは何か?

「親との関係をもっと良くしたい」
という気持ちの表れかもしれません。

あるいは親への辛い気持ちが
将来、自分が子供を持った時に

思いやりを持って子供と接する
優しさの源になるかもしれません。

つまり、
人間はイヤな気持ちを感じないと

明日へと一歩を踏み出す力が
生まれないのです。




6.

誰かにいじられそうになったら、
相手の言葉をそのまま受け入れず
「ツッコミどころ」を探して返してみる
本書18P より

特定の人にいじられる、
もしくはいじめられる人に
知ってもらいたいのは

相手の言葉を黙って受け入れ続けると
どんどん言い返せなくなること

ツッコミどころとは、
つまり相手の「穴」です。
相手の一番痛いところを突いたり

「あなたも同じでしょ?」
カウンター返したりするのも
アリです。


しかし、
相手が怒り出すのが嫌だな
言い返す勇気がないな

と思う場合は 


「そう言われると辛いな」

「私は仲良くしたいな」

と伝えるのもアリでした。


これは
アサーションテクニック
のことですね。



7.

ストレスやイヤな気持ちを感じた時は、
「呼吸」を整えると体が勝手に反応してしまうのを落ち着かせることができる
本書20P より

イヤな相手と出会うと
心臓がドキドキして
思わず体が逃げ出したくなる反応
してしまうことはありますよね。


これは自律神経の働きです。
意志とは関係なく
自律して働いている神経です。


この自律神経に、
あなたの意志でアクセスする方法が
「呼吸」でした。

呼吸を整えると
活発になりすぎた自律神経を
落ち着かせることができます。

これはマインドフルネスの
呼吸法ですね。

自律神経は

「今は体が勝手に
 反応しただけなんだ
」と

自分で客観視できるようになると
心の問題はスッと軽くなります。

よかったら、
こちらの記事も
後で読んでみてください。




8.

人生は、イージーモードだけではつまらない。「イヤな気持ち」を自分の力に変えていくと人生はもっと楽しくなる!
本書22Pより

中野さんは、
悩みは無理に解決しなくても
良いものがたくさんあるといいます。

例えば
「誰かにモテたい」願望

仮に誰かにモテたとしても

モテたい人は、
また次の相手を探して
いつまでも「モテたい」と
悩み続けるからです。

なるほど🤔
たしかにドーパミン系の欲求は
永遠に満足できませんからね。

むしろ悩みを解決せずに
悩みによって生まれた
イヤな気持ちを原動力とすると

「成績が悪い」
→「勉強できるようになろう」

これは良い循環ですね🤔

人生はゲームで言うところの
イージーモードだけではつまらない

高難度の挑戦して
できるようになる喜びが
ある方がやりがいがあります。

「やればできる!」とわかると
一日一日が幸せになります。


これは前野隆司さんの研究グループが
コンピュータ解析により導き出した
「幸せの4つの因子」の一つ

やってみよう因子ですね

https://digital-is-green.jp/initiative/advisor/maeno/



9.

あなたをイヤな気持ちにさせる人は
もともと「イヤな人」でななく、
自分との関係によって「イヤな人」になっているだけ
本書24Pより

著者の中野さんは
イヤな気持ちが強くなりすぎた時は
その気持ちを紙に書いて
書き出すようにしているそうです。

「あの人に言われた
 何がイヤだったのだろう?」


と悩みを落ち着いて
整理できるからです。

これで自分の中にある
コンプレックスに
気づくことをできます。


確かに
相手は自分の合わせ鏡
と言いますよね。

心理学で「投影」という
心理があります。


「投影」とは、
自分の感情や素質を
認めたくないときに、

それらを他人のものだと
考えてしまうこと
です。

心の中にある欲求や
感情を自分が認めたくないから


その感情や欲求を無意識に
他人に押し付けてしまうのです。


相手にされた
イヤなことを書き出すことで

矢印を自分に向き変えることができる。


つまり、
相手のイヤなところに
フォーカスしていた視点が

自分を見つけ直すきっかけ
になるのですね。



10.

時間とエネルギーを「イヤな人」のために使ってはいけない。
悩みをなるべく分解して、対処できる問題に変えよう!
本書26Pより

あなたは自分の時間を、
気づかないうちに

「イヤな人」のために
使っていませんか?

あなたの時間は
自分のために使うものですね。

自分の限られた資源を
イヤな人のために使うのは
大変勿体無いです。

誰かについて悩むときは、
その悩みを分解して
自分で対処できる問題に
変えることです。

「自分にできること」
「できないこと」に問題を分けて

自分でできることだけをやればいい。

これはアドラー心理学でいうところの
課題の分離ですね🤔



11.

イヤな気持ちを感じた時は
相手を責めるのではなく「私は悲しかったよ」とそのまま相手に伝える
本書28Pより

イヤな気持ちを感じたとき
相手に伝えるポイントは
「私」を主語にして

「私は悲しかった」
というメッセージを伝える。

すると大抵の人は
「ちょっと言いすぎたかな💦」と
気づいてくれるでしょう。

これを前述しました
「アサーション」でも使う
「アイメッセージ」ですね。

大切なことは
相手を責めるのではなく

自分のイヤな気持ちを大事にして、
その気持ちを
ただストレートに伝えること。

またこれは、
学校のひどい先生対策にも
使えるそうです。

「確かに私が〇〇したことは
よくなかったですが、
そう言われると傷付きます」


こう言い返してくる小学生がいたら
教職者である先生は
何も言い返せませんね😁



以上11項目でした。

いかがだったでしょうか?


アサーションや
アドラーや幸福学などについては

私が注釈として書き加えたので
本書には明記がありません。

ここでまとめた11項目は
脳科学とは直接関係ないこと
にも思えますよね。

しかし、
脳の性質を理解することで
今までどこかで学んだスキルや知識が

私の中で統合されていく、
そんな心地よい感覚を味わいました。


本書を小学生のうちから
学ぶということは

私とは逆の順番で
この感覚を味わうことになります。



まずは土台である脳から理解をして

その後にアサーションや
アドラー心理学を知りうると


そこから統合していく感覚を
得ることができます。

知識を枝葉からではなく、
土台から知識を構築していくのは
とても効率が良いのではないでしょうか🤔


学校関係者の方は
ぜひこの本を推薦図書として
オススメしたいです。



◆私が本書を紹介した理由

いよいよ最後です。

ここでは、
私がなぜ本書をnoteにまとめたのか?
その理由を書きます。

今年も早いもので12月となりました。

私のこの一年の読書遍歴を
振り返ってみました。

キャリア系
(キャリア理論・心理学)を中心に

仏教→自律神経とテーマで読み進めて

たまに他ジャンルをつまみ読みして…

今は「幸福学」にハマっています。


正確に言うと幸福学を
ベースとした経営についてです。


その理由は、

これからは、
働く人が幸せになる経営
考える時代に突入するからです。




嘘じゃないです、本当です。

AIやDXを導入して
ジョブ型雇用に変えていき
ハラスメントを一掃していく
その先に何があるのか?

働く人の幸福ですよね。


そのため今後は
幸福学やポジティブ心理学を
学ぶ需要が増え

ますます必要性が出てくると
予測していてます。


先日、面白い本を読みました。

この本によると

100%ポジティブをめざす人よりも、20%のネガティブ時間を有益に使える人のほうが、仕事でも学問でも成功し、 幸福な人生を歩める!
「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」より


そうなんです。
20%のネガティブな時間
必要だったんです。

ネガティブな時間、
つまりイヤな気持ちを抱く時間は

それをエネルギーに変える時間。


この感情と時間を持つ方が
人生は幸せだったんです!

まだ書いてないけど近日公開予定


本書では第3章でQ&A形式で
子供の頃の悩みに答えてます。

・信頼できる友達がいない
・クラスのみんなが盛り上げっていることに冷めてしまう
・好きな人ができて勉強が手に付かない

などなど
お子さんの相談に乗るときの
参考になると思います。



最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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