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はじまりの物語 第1稿

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(非公式) なんのはなしですか サイドストーリー。noteの路地裏に迷い込んだら🐍に出会ってしまいまして、蛇のはなしを綴っています。とりあえず勢いでかいたものは一旦ここに保管。つ…
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#なんのはなしです果

はじまりの物語⑩刻

はじまりの物語⑩刻

壺に草で蓋をして隙間から通りを覗きみる

都は争いごとのあとで雑然としていたが
人通りが多く活気に満ちていた

路地に入った辺りから
せんせーい、せんせーーいと
賑やかに声がかかる

純粋な医業だけでなくよろず相談所の
ようであった
文字にも通じており命名までも請け負っていた

人は死ぬと名を残すという

かの者はひとの死期も察するようであった
終には叶うことのない願い

残していくもの
残される

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はじまりの物語⑪咎

はじまりの物語⑪咎

静寂に包まれた社の中で
目を閉じて幾つもの記憶をめぐる
蛇の目にはうっすらと涙が滲んでいた

そちはまだ あのことを根に持っているのか

天の統治者である上帝が記憶に入り込んでくる

あのこと・・・

地上で人々の『重い』を受け取り出した玉たち
置き場所は蛇のお気に入りの水辺だった

水面の上からみるとより一層輝きを増すようだ

目を細めて
かの者と一緒に取り組んでいることを
誇らしく思った

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はじまりの物語⑨みる者

はじまりの物語⑨みる者

かの者は医を生業とするものであった

都の外れ草木が生い茂る水辺のほとりに
煎じるための薬草を取りにきていた

壺はそのためであったが
なんでも唐では蛇の仲間を酒につけ
滋養強壮のために飲むという

慌てて逃げ出そうとすると
アハハハハ と陽気に笑う

大丈夫 そんなこと しやしないさ
ただ君のもつ毒をたまに頂くかもしれないね

毒で制することができる病もあるのさ

中には人を廃するためにつかうも

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はじまりの物語⑧名付け

はじまりの物語⑧名付け

かの者は言葉を続ける

それにね、臆病なんだ

目に見えないものや
得体の知れないものをとても恐れる
だから君のことを恐れて害をなすかも知れない

君のしたことは誰も聞いたことも
見たこともないからね
だからこれは秘密にしておこう

たしかそんなことを言っていたのに

さっき、『この者』は
こんなきれいな玉に『浄化 』できるんだね
と申したな・・・

やあ、やっとこっちを見てくれたかい

さっきは

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はじまりの物語⑦ 秘密

はじまりの物語⑦ 秘密

かの者は言った

僕の中から出てきた 『おもい』を
君が受け取ってくれて出来たこの玉

君にはわるいんだけど
僕に持たせてくれないか

かの君は続けた


・代々ふしぎな力をもった一族であること
・16になる年にその秘密を伝承すること
・決して人に漏らしてはいけないということ

ひとりで抱えるには少々重くてね
蛇の君にならなんて、賭けてみたのさ

聞いてくれるかどうかをね

そうだ
これは蛇の本

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はじまりの物語⑥ 蛇使い

はじまりの物語⑥ 蛇使い

社は 白木のいい匂いがした

まだ術から覚めずかすかに薄目をあける

すると

『やあ、お目覚めかい?』

若い男の声がする

ぼんやりとした視界には
柔らかく軽やかにはねた髪の毛が入ってくる

その声の主はこちらの状況に構いもせず
つづけざまに話かけてくる

まったく蛇使いってやつは

『コトバ』を介さなくても
伝わると知っているのに
どうしてこうもお喋りなのか

『本当にキレイな玉に浄化できる

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はじまりの物語⑤ 社

はじまりの物語⑤ 社

あの日を境に状況は一変した

ひんやりと気持ちの良い水辺で
優しい風に応えるように
涼しげに葉を揺らす木々の音
そんな中で過ごす安らぎのひとときが
にわかに騒がしくなった

昼夜を問わず
あの奇跡の正体をあかそうと
興味本位で立ち入るもの
『重い』がなくなるように
『願い』にくるもの
さらには奇跡に
正体というものがあるのなら
村に留めおき
わが村、我が一族の繁栄を長きにわたらせたい
そんな権力者

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はじまりの物語④ 伝説

はじまりの物語④ 伝説

蛇は水辺を訪れるものの『重い』を呑み込んだ

はじめは ほんの気まぐれだった

語りはじめたものをじっと観察していたら
のどの辺りに黒い固まりがみえた

あの固まりをとってみたい

チロチロと舌を出しながら 囁き続ける
届いたか届いてないか、そのぐらいのところで
うつむいていたものが
ぱっと顔を上げたその拍子に
ぽんっと中から飛び出してくる

蛇は それをパクっとひと呑みする

するとスッキリした

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はじまりの物語③ふしぎな力 ー蛇ー

はじまりの物語③ふしぎな力 ー蛇ー

かつての旅の話に戻ろう

天上と地上を行き来できる

これは紛れもなく
蛇に備わったふしぎな力であった

蛇が謙虚であれば『与えられた』というので
あろうが自力なのか他力なのか
蛇が蛇であるということと
その特性はなんら変わることはなかった

つまりはじめから備わっていて
頑張る必要がないのである
蛇は蛇以外の何者かになろうとも思わなかった

あくまで われ 『我』は われ『我』
他と交わることは

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はじまりの物語② 旅の記憶

はじまりの物語② 旅の記憶

前回のおはなし

旅にでよう

そう決意した蛇は
以前旅したころの
記憶を思い出していた

そうだ、むかしはよく旅をしていたのだ

地上の世界とは 水の奥深くで繋がっている

天上の世界と地上の世界

どちらでもあり
どちらでもない

水が繋がっているのか
繋がった空の映し鏡として
水に不思議な力が備わっているのか

蛇にとってはどうでもいい話であった

湿ってひんやりした泥の感触
それを

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