はじまりの物語⑧名付け
君のこのふしぎな力、この玉のことは
人間には知られない方がいいと思うんだ
人間は欲深いからね
かの者は言葉を続ける
それにね、臆病なんだ
目に見えないものや
得体の知れないものをとても恐れる
だから君のことを恐れて害をなすかも知れない
君のしたことは誰も聞いたことも
見たこともないからね
だからこれは秘密にしておこう
たしかそんなことを言っていたのに
さっき、『この者』は
こんなきれいな玉に『浄化 』できるんだね
と申したな・・・
やあ、やっとこっちを見てくれたかい
さっきは無理やり社に呼んで済まなかったね
ああでもしないと人に見つかってしまうだろ
大きな玉をお腹にいれた蛇なんて
誰も見たことないからね
そういって二ッと笑った
この者は、かの者の血族か
やっと朦朧としていた頭がはっきりしてきた
かの者以降、次の者に秘密を伝承するときに
首から下げた皮袋に入った翠色の石が
渡されるようになったこと
そして我とかの者の秘密も受け継がれるように
なったことを理解した
かの者とその子ども そしてまたその子と
この 人とまた異なる力を持った一族は
目に見えないもの
得体の知れないもの に『名付け』をして
『コトバ』にすることで
恐れを手放し住みやすい世にしていく使命が
あったのだった
『コトバ』は書き記すことでより効力を生じる
たくさんの人が押し寄せて疲れてるだろう
この社の四方には
まじないの『文字』をはってある
安心して休むといいよ
また起きたら君としたいことがあるんだ
そういって社の別の部屋に姿を消した
ひさかた振りの静かな時間だ
蛇はまたゆっくり目を閉じた
目を閉じたらまたかの者に会える気がした
蛇は3日3晩眠りつづけた
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これは なんのはなしです果 にまつわる
はじまりの物語
第1稿として過去投稿分もマガジンにしています
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今日は昼夜、懇親会で
いい感じの朦朧かげんと
堪えきれない眠気のなか投稿です
3日3晩は寝ませんけど(笑)
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