見出し画像

社労士に、もっとマーケティングを!

当noteは株式会社HRbaseのアカウントで運用しておりますが、この記事は旧社名の株式会社Flucleの時代に書かれたものです。
記事内には「Flucle」という表記が随所に出てくるかと思いますが、そのときの臨場感をお感じください。

株式会社Flucle の山田二郎です!
スタートアップに転職して約1年。セールスの経験しかなかった私ですが、周りの助けを借りながら、労務相談プラットフォーム「HRbase PRO」のマーケティング&セールス責任者を務めています。

私は社会保険労務士試験合格者でもあり、将来的には開業も視野に入れています。この1年間、Flucleのマーケターとしてだけでなく、社労士として開業することも意識してマーケティングを学んできました。

しかし社労士×マーケティングに絞った基本書は見当たりません

この記事をきっかけに社労士の先生がマーケティング力をつけ、日本のすべての会社をサポートでき、経営者と働く人が本業に専念できる環境が広がる社会になり・・・、そして私たちの「働くをカラフルに」というミッションの実現に少しでも近づければ幸いです。


マーケ未経験。
お金も時間もかけてみたから、書いてみる。

入社後は、マーケティングのバイブルと評される本や最新のトレンドを抑えた本を読んだり、自腹で数十万円するマーケティング講座を受講したり、平日にFlucleにお休みをいただき山奥で行われたマーケティング合宿に参加したりと、オススメされた情報にはお金も時間も投資してきました。

マーケター講座系はうまくマーケティング設計されてるだけあって、高くともつい欲しくなるのはさすがだなぁ、と感じたり笑。

また、発信という意味では、Flucle代表の三田がAIやテクノロジーのトレンドを、今堀が法律の知識をセミナーやコンテンツにまとめ、業界全体を盛り上げています。(共に社労士です)

そんな中、私が発信できるのは、これまで培ってきたセールス&マーケティング分野しかありません。

そして、今から記載することは本当に基本的な内容のため、マーケティングの基本書を読めば「書いてること一緒じゃんww」と思われるはず。

それはマーケティングの根幹が、すべてに共通していることの証拠だとも思っています。その根幹を「開業まもない、今からマーケティングの知識を得たいと思っている社労士先生向け」に翻訳した記事であることをご理解いただき、読み進めてください。

マーケティングは基本が大切

社労士には、マーケティングや営業など、収益を上げる業務に馴染みがないまま開業された先生が多いと思います。実際、私たちのユーザーの先生からも「マーケティングや営業などは苦手」というお声を多くいただきます。

しかし難関資格に合格し実務経験を積んで開業された方でも、顧問先獲得というハードな関門は避けて通れません。

またマーケティングは法律と異なり、どこにも判断基準となる条文はありません。「時と場合、そしてあなたのタイプによる」という意思決定がマーケティングには多く、判断に悩みます。

SNSやオンライン集客など、多様なマーケティング手法が存在し増加し続ける中で、どの方法を選べば良いのか迷っている方も多いはずです。

そこで、まさに開業したてで売り上げゼロ、マーケティングに未着手、「HP制作とかSNSアカウント発行しないといけないのかなぁー」と思い始めている先生には、マーケティングの基本的な考え方や軸・根幹を知っていただけると、とっかかりになるのではないかと思っています。

「マーケティングの理想は販売を不要にすること」
ピーター・F・ドラッカー

大切なのは、いつだって基本形

マーケティングの考え方の原理原則は意外とシンプルで、法律と同じく、基本がわかって応用ができます。基本がわかるから、自分に本当に必要なマーケティングの意思決定ができるようになります。

マーケティングの定義と重要性


マーケティングという言葉は曖昧で、何を指しているのかわかりにくいため、この記事ではマーケティングの目的を「集客」と定義し、商談が設定されるまでのマーケティング活動の考え方をまとめます。

マーケティング ⇒新しいお客さん候補に出会うまで
セールス ⇒その方と商談をしてご契約に至るまで

事業を行う上で、お客さんは必要不可欠。いくらよいサービスや製品があり、難関資格を持っていても、買い手であるお客さんがいなければ事業は成り立ちません。逆に、お客さんさえいれば、サービスや製品がなくともお客さんの悩みを解決したりニーズを満たすことで報酬をいただけ、事業は成り立ちます。

特に社労士事務所は、差別化が難しいジャンルだと感じました。「給与計算、社会保険手続き、就業規則、労務相談、評価制度」など、仮にオリジナリティ溢れる工夫があったとしても、どの事務所でも似たサービスラインナップになりがちです。

買い手側は、その違いをなかなか見つけられません。契約前の時点でサービスの品質を判断することは、同業者の私たちでさえ難しいのではないでしょうか?

労務の素人である一般企業の経営者なら尚更です。
相手が違いも価値もわからないと、私たちは価格競争に巻き込まれます。

だからこそマーケティングで他事務所との差別化をしてほしいのです。マーケティングで、あなたを顧問につけるメリットを相手に伝えるということです。

「いくら素晴らしいものをつくっても、伝えなければ、ないのと同じ」
スティーブ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズ氏の名言が心にしみますね。

もう迷わない!
ペルソナ設定でブレない意思決定を


最初にやっていただきたいのは、ペルソナの設定です。ペルソナとは、あなたの商品やサービスを必要としている「架空の理想のお客さん」です。このペルソナを考えながら、マーケティング施策や商品設計、料金プランなどを決めていきます。

社労士事務所が差別化しにくいといっても、他の大規模な老舗社労士事務所とは異なる、あなた独自のペルソナが存在するはずです。

ペルソナは具体的に設定することで、最適なマーケティング戦略を立てることができます。そしてウェブサイト制作、商品設計など、すべての判断に一貫性が生まれ、ブレがなくなります。

ペルソナを設定するために、理想的な顧問先の基本情報を書き出してみましょう。たとえば社員数、創業年数、業種、エリア、経営者の年齢や人事課題、その会社に労務担当者がいるのか、経営者が労務を担当しているのか、すでに顧問社労士がいるのか、社労士の存在自体を知らないのか、などです。

ペルソナは細かく設定したほうがよいですが、あとで変更することも可能なので、最初は仮決めでも構いません。法律相談は間違えると大問題ですが、マーケティングのミスは集客できないだけで、ほぼ無傷(しかも相手にも覚えてもらえていない)で何度でもリスタートできますから、時間をかけすぎずに設定を進めましょう。

そして、これから制作していく販促物、サイト、 SNSなどは、すべて設定した顧問先ペルソナにとって魅力的に映る内容にしてください。

注意して欲しいのですが、あなたがアピールしたいことを書くのではありません。顧問先ペルソナが求めている内容を考えて書くのです。

あなたの顧問先ペルソナが「従業員5人の小さな町工場の社長」だったとき、その社長はどのような悩みやニーズを持っていそうでしょうか?

あくまで仮説ですが、「豊富な人事評価制度の導入経験をお持ちの大御所先生」よりは「些細な困りごとでも声をかけやすい、地元の社労士⚪︎⚪︎さん」の方が求められそうですよね。

「顧客のニーズから逆算せよ」
ジェフ・べゾス

あのアマゾン・ドット・コムの創業者CEOのジェフ・べゾス氏の言葉です。
うっすら勘づいた人もいるかもしれませんが、名言を入れるのにハマっちゃいました。もうやめます、すみません笑

さて、顧問先ペルソナをつくったはいいものの、販促物やホームページの制作で急に手が止まる方もいます。それは顧客のニーズを把握できていないか、もしくは完璧なものをつくろうとし過ぎているというところに課題があると考えられます。

ただ落ち着いて考えてみると、マーケティングの制作物は後から手直しできるものがほとんどです。雑誌や新聞に広告を出すならまだしも、開業して間もない時の制作物は恐らくすべて手直しできます。

実際の営業活動の中では、顧客の新たなニーズを見つけ出してつくり直すことのほうが多いと思いますので、チラシ1枚つくることに考え込むのではなく、「ダメならやり直せばいいか」くらいの考えでよいと思います。むしろ制作しては手直し、制作しては手直しという風にPDCAサイクルを高速で回しまくる方が洗練されていきます。

顧客の心をつかむ!マーケティングファネルの効果的な使い方


マーケティングファネルという聞き慣れない言葉をあえて使いました。ファネルとは「funnel」、日本語訳は「漏斗」です。

消費者がある商品の購入するまでの、認知→検討→購入という各段階を進むにつれて減っていく様子を漏斗にたとえた言葉のようです。

「マーケティングをカンタンに」と冒頭に書いておきながらファネルという専門用語を使うのは心苦しいのですが、化学実験などでも使われる漏斗と書いても腹落ちしないだろうと思い、そのままファネルで進めます。この言葉くらいは頭に入れておいてください。

ファネルは、「認知、興味、検討、比較、決断」という段階に分かれています。これはベーシックなファネルで、もっと細分化してSNSでの拡散などを追加することも可能ですが、この記事ではこの5段階で説明します。

通常「決断」は「購入」を指すことがほとんどです。ただ、今回は「決断」を「商談の予約をとる」ということに切り替えてお話しします。

理由は、この記事を「集客、中でも商談設定されるまで」のマーケティングの話をするという前提にしているからです。

商談設定以降も同じく認知が抜けたファネルは存在します。
つまり「認知→興味→検討→比較→決断(商談予約)→興味→検討→比較→決断(=購入)」という流れになるということです。しかしここでは2つ目の興味以降は割愛します。

マーケティングファネル【認知】

最初の段階は「認知」です。この段階では、潜在的な顧客にあなたの事務所の存在を知ってもらうことが重要です。

魅力や顧問料までは伝わってなくてよいのです。「社労士事務所を開業されている山田さん」ということが認知されれば本来はOK。

しかし理想の認知としては、名刺やLINEなど個別に連絡が取れる情報獲得までしておきたいものです。次以降のフェーズに進める時に連絡先の有無で商談までの移行率が格段に変わってくるからです。また、認知してもらう相手には、紹介していただけそうな他士業などを入れてもOKです。

マーケティングには数字での可視化は付きものです。何件の連絡先を獲得できたのか?ということは頭に入れておくと、PDCAが回しやすいですね!

マーケティングファネル【興味・検討・比較】

本来であれば分けて説明したいのですが、「興味・検討・比較」をひとつにまとめて説明します。私はこの工程への取り組みやマーケティング施策がすっぽり抜けてしまってる先生が多いと感じています。

この工程で必要なのは、「興味をそそる、検討できる、比較できる情報の提供」です。

たとえば、ペルソナに合致する会社の経営者と名刺交換ができたとしましょう。

そこであなたが「社労士事務所を開業しました。何か人に関することでお困りではないですか?」と聞いても、その場ですぐ商談に繋がるような具体的な話は出てこないでしょう。

なぜかというと、その時に会社で課題が顕在化していれば、経営者はすでに解決に向けて取り組んでいる可能性が高いからです。もし課題解決に取り組めていなかったとしても、初見のあなたに会社の人的課題という少し恥ずかしい部分の本音を話す可能性も低いです。

仮にそこで商談に繋げられたとしても、再現性のある商談獲得であるとは言い難く、要はラッキーということです。

名刺交換したその場では差し障りないコミュニケーションを取り、「また何かあればご連絡くださーい!」と伝え、先方から連絡があるまで待つしかないという状態に陥った経験、ありませんか?

先ほども書きましたが、このフェーズで意識すべきは情報提供です。
相手に課題・ニーズが生まれたときに最初に声をかけてもらえる関係性まで育てるのです。

経営者は、社労士に何が依頼できるのか全く知らないケースも多く、給与計算、社保手続き、助成金だけだと思われていることも多いはず。しかし社労士が関与できるもっと領域は広く、就業規則、労務相談、従業員トラブル、労基署対応、細かなところまで入れると膨大です。

そう考えると、今後課題が出ないと言い切れる会社はないですよね。課題が出たとき、他の士業ではなくあなたを思い出してもらえたら、もう勝ったも同然です。

あなたで対応できない分野であれば他の士業を繋いであげればいいのです。そのお礼に他の顧客を紹介してもらえる可能性も生まれますね!

話は戻りますが、フェーズによって情報提供の方法は変わります。たとえば名刺交換直後の経営者に郵送で料金プランを送っても効果は薄いでしょう。まだ相手は課題を社労士に依頼して解決しようという気持ちにもなっていないでしょうし、そもそもあなたへの信頼感も醸成されていません。

逆に、すでに他の社労士事務所との比較を始めている経営者には、料金表や具体的なサービス内容を提供した方が喜ばれるでしょう。

名刺交換直後の方には、お礼メールとともに、法改正情報や経営者が押さえておくべき判例をさらっとお届けしてあげるのがいいかもしれません。
署名にひっそりとホームページのURLを載せておくこともおすすめです。何かのきっかけで見てくれたら関心度も増しますので、ラッキーですね。

「いやー、経営者は法改正情報なんて読まないからねー」などと、情報を送らない理由探しをしていませんか?

絶対に法改正情報を送る必要はありません。何でもいいのです。あなたの人となりが見える情報を載せたチラシ、他のお客さんに提供したソリューション事例や顧客の声をまとめた記事。セミナーを企画するのもひとつです。

あなたの手元にも、日々多くのマーケティングコンテンツが届いていませんか?それを参考にしてください。お店や新商品、新しいショッピングモールからのLINEやDM、メールやハガキ。大量にくる販促物の中でも、なぜか気になってしまったものないですか?その中にヒントがあるかもしれません。

「相手は読まないから送らない」ではなく、「どうすれば相手が読みたくなるようになるか?」「どうすれば相手が課題認識し始めるか?」と考えるようにしてみてくださいね!

自分を顧問社労士にすることで、経営に役に立つ、経営者と働く人を幸せにできるのであれば、1日でも早く顧問契約をしていただくべきです。
だからこそ、この【興味・検討・比較】のファネルで、あなたを選ぶべき理由を届け続けるのです。

しかし全員にメールやハガキを送り出すと時間と予算が足りなくなるのも事実なので、ここでも顧問先ペルソナを活用します。

ペルソナ像から程遠かったり、まだお役に立てそうなタイミングではなかったり、相手に課題が全くなかったり、そういう相手には郵送ではなく、FacebookなどSNSで軽く繋がっておき、何かあれば連絡しても失礼ではない程度にコミュニケーションを取っておいてはいかがでしょうか。

マーケティングファネル【決断】

最後はいよいよ「決断」の段階に入ります。

今回は「決断」を「商談の予約をとる」と定義しました。この段階では、顧問先になり得る経営者が実際にあなたの事務所と商談することを促します。具体的には、簡単に予約できるオンラインシステムや、初回無料相談のオファーなどを提供し、相手が一歩踏み出しやすい環境を整えます。

ネットショッピングでも、カートまで入れたのにエラーが出たり決済がうまくいかず、買うのを諦めた経験はありませんか?

経営者の顧問社労士探しも同じです。予約調整が煩雑だったり、どうやって予約したらいいかわからなかったり、事前入力項目が多すぎたりすると「今はいいか・・・」と先延ばしされ、2度と予約していただけない可能性も生まれます。

オンライン予約システムは無料で使えるものもあるので、調べてみてください。それが使えない場合でも、あなたから候補日を3〜4日程送るなど、相手にとって手軽に予約が取れる状況をつくってください。

キャンペーンなどで決断の敷居を下げるのも、手法としてはありです。社労士でキャンペーンとはピンと来にくいと思いますが、たとえば「今なら初回の労務相談を無料で行います」「就業規則の無料診断を提供しています」などはイメージしやすいのではないでしょうか。
あまり好まれない方もいますが、助成金を使って敷居を下げている先生もいるように感じます。

こういう集客のために最初に押し出すサービスと、実際に契約したいサービスを分けるというのもマーケティング手法の一つです。

他士業の知り合いには、「あなたからのご紹介者には⚪︎⚪︎を無料でご提供します!」というキャンペーンを用意するのもいいですね。

顧問契約を月1万円とミニマムに設定しても、平均契約期間5年としたときは60万円という金額になります。実際はもう少し顧問料が高いケースが多いでしょうし、平均契約期間も長くなるはずです。商談に移行させるためなら、キャンペーンで相当の価値提供を行っても私はアリだと思っています。

仮に商談で失注しても、顧客の頭の中では「労務で困ったら社労士の⚪︎⚪︎さんがいるし、まあ安心か」となっているはず。それだけでキャンペーンはペイできています。商談への移行率と、商談から成約への移行率は切り分けて考えてください。

分析して、次の行動の意思決定をする

ここまでお伝えしてきたように、マーケティングファネルを理解し、各段階に応じた戦略を立てることで、効果的に顧客を引き寄せ、最終的には商談予約が獲得できます。

しかし開業直後のひとり所長にはリソースに限りがありますので、そのときはマーケティングファネルを数字で可視化し、課題はどこなのかを把握してみてください。

①連絡が取れ、認知していただいている人数
②積極的な情報提供をしている人数
③商談をしている人数
④顧問契約している人数
⑤それぞれの次フェーズへの移行率


目安となる移行率を定め、下回るところにマーケティング施策のテコ入れをするのです。

私が思うに、①に課題がある先生が圧倒的に多数ではないでしょうか。

士業領域には士業しか参入できません。加えて主戦場が労務であれば、企業の課題やニーズは顕在化しやすいため、②以降の工程の移行率に関しては比較的、課題視するほどの数字にはなりにくいと想定できます。

①の課題解決に向けてどうすればいいかを書き出すとキリがありませんが、私なら、成功されている社労士先生(比較的開業して間もない方)に開業直後に人脈増やすために何をしてたかを聞き、自分に合う施策を模索し、マネをしまくります。

「連絡が取れ、認知していただいている人数の確保」は最上流工程です。この人数以上にご契約が決まることはありません。有料・無料問わず、ここの人数確保のための施策に取り組んでみてはいかがでしょうか。

そして月1回のペースでそれぞれの人数や移行率を可視化し、次の施策を決めてください。課題や状況は常に変化しているはずです。

私は活躍されている社労士先生にインタビューをする機会も多いのですが、ここに書いたことを愚直に実行し、何度も見直しをされている先生が多いです。基本的な考え方の理解なしにマーケティング活動をされている先生には、まだ出会ったことはありません。

顧客に届ける価値について

あなたが顧問先に届けられる価値は、どのようなものでしょうか。

「トラブルが起こったときに強い就業規則をつくります」
「社員のやる気が出る評価制度が得意です」

などと思いついた方も、他にはないか?より適切な表現は何か?を考えてみることをおすすめします。

自分では唯一無二と思っていても、世の中には似たような価値が溢れています。しかし本来は、届けたい価値はひとりひとり異なるはずだからです。

たとえば、スターバックスの提供価値の最上位概念
それは「The Third Place(第三の場所)」です。感情的な価値として「居心地がいい・品がいい」、機能的な価値として「居場所がある・そこかしこにある」ということが、提供価値なのです。
(ネットで検索したレベルでの情報なので、実はスターバックスの裏側で設定されている価値があるのかもしれないですが、概念理解のためにこのまま進めていきます)

実はスターバックスは、コーヒーやフラペチーノを提供価値にしているわけではないのですね。

その知識をもってスターバックスに行ってみると、確かに店舗によって席の種類もさまざま。自分だけの第三の場所に相応しい場所を探すことができます。インテリアやレジ周り、コーヒーをつくる場所、店員さんの立ち振る舞いにも品があります。提供価値に合わせた統一感があります。

このスターバックスの提供価値を求め、ユーザーは他のコーヒーショップではなくスターバックスを選びます。冷静に考えれば、コーヒーにしては少し高い値段を支払っていますよね。しかし私は、そこに価値を感じてしまうことすらあります。

社労士事務所も、スターバックスのような「提供価値の言語化」を考えるべきではないでしょうか。

コーヒーが直接的な価値ではないのにスターバックスが流行っているということは、就業規則が直接的価値ではなくても、あなたの顧問先は喜んでくださるということです。

最後に

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます!
他にも、料金表、セールスライティング、営業心理学、ストーリーテリング、具体的な社労士のマーケティング施策内容、採用・・・書きたいことは多くありましたが、まずはマーケティングの基本を書かせていただきました。

これ以上書くと、私にマーケティングを教えてくださった社内ライターに「長いとブレる!」と指摘されてしまいそうなので・・・笑

うまくまとめられませんでしたが、この記事の目的、マーケティングの基礎を知っていただき、日本に社労士の価値を広げていくという部分にブレはありません!

最後に、株式会社Flucleのマーケティングマネージャーとして、「この記事がFlucleのマーケティング施策だったら」と仮定したとき、この記事がどのような意図を持ったものなのかを解説して終わりとさせていただきます。

今回私は、noteにこの記事をまとめました。理由はいくつかあるのですが、このくらいの文章を掲載するプラットフォームとしてnoteが最適だと想定したからです。

X(旧Twitter)で書くには長すぎるし、読み流されてしまう。そこからホームページに貼り付けるという二次利用もしにくいです。
(Xのフォロワー数を伸ばすことが目的なら、今日書いた内容を日にちを分けてポストし続けるというのはありだと思います)

そして、BtoBサービスである私たちのホームページには、サービスにある程度興味を持った方しか訪問してくれません。だからこそ、まだ関心フェーズの方にアプローチでき、私たちをまったく知らない方々に認知してもらいやすいnoteという外部コミュニティを選びました。

私自身、調べ物があるときは本屋やGoogleではなく、まずnote内で検索することもあります。そのようなユーザー視点での体験があったことも、決定理由のひとつでした。

他にも工夫をしています。
たとえば記事の前半に「社労士、AI、三田」「社労士、法律、今堀」という社内の人間の名前を差し込んでいます。本筋に関係ないキーワードですが、認知を取るためにあえて入れてみました。

2人のことを知らない読者には、「AIや法律について発信している人もいるのか」程度に認知していただければ充分で、さらっとしか書いていません。ここで、知ってほしいからとこってり書くと目的がブレて、読み手を混乱させてしまい、記事からの離脱を起こします。

他にもあります。

冒頭では、「この記事をきっかけに社労士の先生がマーケティング力をつけ、日本のすべての会社をサポートでき、経営者と働く人が本業に専念できる環境が広がる社会になり・・・、そして私たちの「働くをカラフルに」というミッションの実現に少しでも近づければ幸いです」と書かせていただきました。

会社の理念、思想、ミッションビジョンバリューなどは、ホームページに入っていても、なかなか伝わらないものです。しかしマーケティングという多くの方が興味を持ちそうな記事で、前後の情報と絡めて入れることで知っていただきやすくなりますよね。

もし記事のタイトルが「Flucleのミッション、ビジョン、バリュー」だったら、クリックしていただけていましたか?
恐らく、読んでいただけていなかったのではないでしょうか。

マーケティングファネルでいうところの認知直後や関心フェーズにいるような方には、伝えたいことをストレートに入れるだけではなく、相手が求める有益情報の中にほんの少しだけ伝えたいことを混ぜる、というのがひとつのテクニックです。

そして、あなたの「伝えたいこと」が顧客に届けば、あなたから発信される全てのメッセージをポジティブに捉えていただきやすくなります。

開業直後は特に、理念に共感いただける顧問先が増えて欲しいものですよね!


何と、10000文字の記事となりました。
最後までお読みいただきありがとうございました。

日本中の社労士先生が、この記事をきっかけにマーケティングに興味を持ち、その結果、日本中の経営者が「いい顧問社労士を見つけた!」と喜べる社会を目指しています。

そして、経営者と働く人が労働問題から解放され本業に専念できる、そんな社会の実現を願っています。

次の記事をお楽しみに!


お読みいただいた社外の皆さま、ありがとうございました。株式会社Flucle時代を経て、今どのような会社になっているかは、株式会社HRbaseのコーポレートサイトで確認ください!

いいなと思ったら応援しよう!