東大生が進振りで電気系学科に進学した話
はじめに
こんな自分の話を文章にするなんて恥ずかしいのですが自分の活動記録やその時の感情、モチベーションなど書き留めておく場所が欲しいなと思ったのでnote始めます。
気が向いたらTwitterで宣伝するかもしれませんが知り合いに読まれるのはなんか違う気がするので今のところは黙ってここに書いていくだけにします...。拙い文章になると思いますが、もし進学先に悩んでいる後輩たちの参考になったりしたら嬉しいです。
eeicについて
私の学科は工学部電子情報工学科です。東大の中では電気電子工学科と合わせて電気系と称されます。一般的にはeeicと呼ばれ、授業数と課題の多さによりブラック学科と言われています。また、ツイッタラーが多いことでも有名で、授業中のTLの流れるスピードはとんでもなく速いです。Twitterをやっている教授もそれなりにいるし、eeic民にしか伝わらないハッシュタグで盛り上がることも多々あります。
学科の雰囲気
こんな学科ですが教授も学科の人もみんな親切で、とても居心地の良い場所です。特に他学科の友達の話と比較するとeeicの教授と学生の距離の近さに驚きます。現在新型コロナウイルスの影響により全面オンライン授業となっている東大ですが、eeicは初回授業日4/3からきちんと授業を始め、例年通りのスピードで授業が進んでいます。特に週3回実験があるのですが、教授の方々が全力でカリキュラムと実験内容を変更・調整して下さり、各個人が家で実習を行えるようになりました。まだ授業すら始まっていない学科もあるのに、eeic対応の速さには本当に驚きです。。
学科の雰囲気もとても良いです。学科Slackで誰かが質問すると誰かが答えてくれるし、Twitter上で疑問を呟くだけでその答えがリプで飛んで来ることもある。課題や試験範囲などはきちんと共有されるし"みんなで頑張っている感"を私は感じています。ある学部では試験前日に「過去問を共有しているドライブから去年の過去問が消された」なんてことが起こるらしいです。怖いですね、怖すぎます。eeicではそんなこと絶対に考えられません。
この学科に進学した理由
先輩にも教授にも友達にもインターンの面接などでも聞かれるこの質問です。何度も答えたけれどそんなにはっきりとした理由では無いので実は毎回困りながら答えています。短くいうと「この学科ならこれからの時代を担っていく分野を学べると思ったから。」ですかね。電気系とは言われますが学科名は“電子情報工学科”です。一応“情報”と入っているのでプログラミングの授業もそれなりにあります。私はAIやスーパーコンピューターが時代を引っ張って行く時代に生まれたんだから、せっかくだからそれを学びたいと思いました。
本当は入学時は航空宇宙工学科に行こうと思っていたんです。宇宙の神秘さに惹かれるのは誰しも納得してくれると思います。でも1, 2年生でプログラミングをやったり情報系の企業でインターンさせていただいたりIoTデバイスを作って遊ぶようになって、私が好きなのはこっちだな、と思ったんです。2年間自分の先行したい分野を見定める猶予期間を与えてくれる東大の進振りシステムには本当に感謝しています。これは私だけでなく多くの東大生も思っていることなのでは無いでしょうか。
学科に入って変わったこと
一番書きたかったのはここです。学科に入る前と入った後で自分はどう変わったか。結論から言うと生活習慣、勉強内容、勉強時間、勉強に対する考え方、モチベーション...全部変わりました。
生活の変化
本当に教養学部時代とは全然違う生活を送っています。東大の2年前期が暇なのは有名な話で、1年生の間に頑張れば2年前期はほとんど授業を取らなくて良くなります。私の場合は週2コマでした。大好きな旅行にたくさん行きたかったので出席不要の授業を選択し、6,7月は一回も授業を受けなかった気がします。。それで週2回のインターンとバイトはしていたものの、旅行やサークル活動のバドミントンとダンス、スポーツ観戦など本当に好きなことばっかりやって過ごしました。ちょっと趣味でやっていたプログラミング以外勉強はほとんどしていません。私大の友達なんかよりずっと遊んでずっと楽しんでこれで東大生名乗っていいのか?て感じでした。
それが学科に入るととんでも無くガラッと変わりました。まずは授業数。2年前期はほぼほぼ授業に行っていなかった人が9月になった途端いきなり週20コマですよ!20コマ!!さすがに差が大きすぎる。。工学部はみんなこんな感じという訳ではなく、eeicが特殊なだけです。他学科と比べてもダントツ多いです。週10コマの学科なんてざらにあります。しかも、その20コマ、出席しなくていいやつとかぬるめのものも多いのかと思いきや課題も試験もめちゃくちゃ多い!!!毎週重めの課題を出してくる授業もあるし、他学科ではあまり実施されない中間試験をやる科目も多くて、毎日課題を消費しては降ってきて消費しては降ってきての繰り返しで一向にタスクゼロにはなりませんでした。学科に入るための点数、いわゆる底点が高い学科ということもあってかみんなこなしていましたが、さすがにキツかったですね。
ここで私特有の事情が入ってくるのですが、サークル活動でダンスを一生懸命やっていて...。そのおかげで毎週平日のどこかに深夜練をしていたんです。深夜練というのは深夜0時〜朝6時くらいまでスタジオ借りて練習するものです。つまり徹夜でダンス。午前中に授業がないメンバーがほとんどでしたが、私は当然のように毎日1限があるのでその日は徹夜して大学行ってました。それでいて膨大な課題と試験をこなしていたんだから今考えてみると自分すごい。
学科での勉強
先ほども言いましたが2年前期は勉強なんてほとんどしていません。好きなプログラミングにちょっと触れて簡単なホームページやゲームを作成して遊んでいた程度です。それなのに突然毎日4コマ、7時間分の授業を教室で座って聞かなくてはならなくなりました。シャーペン握るの久しぶりだしこんな長時間座ったの受験期以来じゃ?という感じで本当にできるのか?という不安がありましたが、始まってみると意外とできるものでした。元から常時教授の話に耳を傾けるようなことできる人ではないので程良く聞いて、程良く自分で理解して、という感じでした。側から見たら授業も課題も試験も多くてブラック生活すぎないか?という印象でしょうが、不思議とそんなに苦ではなかったです。自分のやりたい分野の勉強をできているからなのか分かりませんが、どの授業もある程度面白く、辞めたいと思ったことは一度もありませんでした。
自然と勉強時間も増え、友達と遊ぶ時間は減りましたが人といることが大好きな私はので夜に予定を詰め込んでいました。サークル活動したり飲み会に行ったりして、夜遅く帰り、翌朝なんとか起きて授業に出席する、という日々を繰り返していました。これを好むか嫌うかは人それぞれでしょうが、私は昼は勉強して頭良くなり、夜は楽しく遊ぶ、という毎日が充実していて楽しかったです。けれど周りからは「体力ありすぎ」「その活力はどこから」などと化け物扱いされてました(笑)自分の活動につては次の記事にまとめようと思います。
勉強に対する考え方
教養学部を抜け出したことでいよいよ自分の好きな分野の勉強しかしなくて良くなり、語学や文系科目が大嫌いだった私はとてもハッピーでした。しかし、それと同時に学科のみんなが同じ分野で競い合っているライバルに見えてきました。それまでは周りと比べて数学も物理も出来るし、プログラミングもそれなりに触ったことはある、という気持ちがあったのですが、この学科に来るとそうも言っていられません。いわゆる“ガチプロ”がたくさんいるのです。絶対勝てない相手が身近にいて能力の差を見せつけられ、自分はどうやったらこの人たちに勝てるのだろう、、。という感情になりました。「地方で自分は天才だと思っていた人が東大に合格し、自分より頭いい人の存在に気づく」みたいな話をよく聞きますが、似たような感じです。まあもちろん私は自分より頭いい人なんてたくさんいることには気づいていたし、なんならその人たちと同じ環境で勉強できることを楽しみにしていましたが、改めて思い知らされたというか、なんとも言えない気分でした。
でもその中にも「プログラミングやったことない」という人も一定数はいて、本当にレベルは幅広かったです。私も上位層は取れなくても遅れない程度には頑張ろうと思いそれなりに勉強して過ごしました。サークルもゼミもバイトもインターンもしていたのでそんなにたくさんの時間を勉強に割けた訳ではないのですが、それでも勉強時間は圧倒的に増えました。一番感じたことは、他学科の人たちより圧倒的に自分は成長しているということです。半年間で本当に伸びました。2年後期に一番成長する学科じゃないですかね。(理情とかの勝手に勉強して頭良くなっていく人々は別として。)教養学部の2年間よりこの半年の方が伸びたと思います。なんか、人生で初めて勉強らしい勉強をした時期だった気がします。
おわりに
自分の好きな分野の勉強なのにたっくさん壁に当たりました。離散フーリエ変換理解できなくて一日溶かしたり、どうしてもプログラム書けなくてエンジニア目指すの嫌になったり、本当にしんどいこともありましたし、これから先もずっとこれを繰り返していくんだと思います。自分の勉強に対する姿勢や気持ちの変化を理解して、しっかり受け止めて、それでも頑張って努力して成長していくものなんですよね、きっと。心折れずに頑張り続けたらいつか優秀なエンジニアになれるのでしょうか。10年後の自分が楽しみです。
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