見出し画像

『イカ室たぎった』 #毎週ショートショートnote【行ってみた編】


もぉ!
思い出しただけでイライラする!

「部長!私ちょっとイカ室行ってきます!」
「おぉ、思う存分たぎってこい」


 パワハラ等のコンプライアンスが厳しくなった現代の日本で、全ての企業に設置が義務付けられている、怒りをたぎらせる部屋。通称イカ室

そこは薄暗い防音の個室で、マイクやサンドバッグ、バッド、古紙等の怒り解消グッズが備えられており、そこに行きたいと申し出た人を引き止めてはならない。

そこで思いっきり怒りをたぎらせることで
実際に人に当たることを減らせるからだ。

私はバッドを握り壊れた電化製品に思いっきりぶつける。

「ウンチの時にもオムツくらい替えろ!こっちは離乳食作ってる最中なんだよ!」

「えー俺が迎えに行くの?じゃねぇよ!あんたも父親だろ!」


ふぅ…スッキリ!仕事しよ!


「部長、やっぱり子育てママさんは大変なんですかね?」
「さあな。でもおかげでゴミ処理にかかるコストが減ったという報告もあるぞ」
「へえ…怒りも使い方次第ですね」


 イカ室に行かせて! イカ室を活かして!
な作品です。パニックを起こしやすいお子さんのためにクールダウンする部屋を設けることがあるように(海外にはスヌーズレンといって暗闇で感覚を楽んだり、リラックスしたりできる空間もあり、少しずつ日本でも取り組みが進んでいるんですよ~! 最初は障がい児のある方向けではありましたが、徐々に対象者の幅も広がっているようです。※参考資料)(なので画像のイカはそちらをイメージしています。私もスヌーズレンもどきを体感したことがあったので…)

大人も一度クールダウンできるような部屋が職場にあるといいのでは? ということで、こんなお話になりました。イカ室たぎったのため、怒りがメインではありますが……(実際にストレス発散として機器を壊す施設もあるんですよ~)

 この世にゃストレスが溜まることが山ほどあるけど、怒りがいいことにもつながることもあるんだぜ! ってことで今回は育児と仕事を両立しているママさんを主役に書きましたが、このストレス社会を生きているみなさんにエールよ、届け~!!

※今回のイメージソングはシンプルに
BUMP OF CHICKENの『いか』です。
(隠しトラックなんですが、好きな曲!)


 よかったらこちらもどうぞ~

この記事が参加している募集

#眠れない夜に

69,534件

#私のプレイリスト

10,850件

最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。よろしければ、サポートいただけますと大変うれしいです。いただいたサポートは今後の創作活動に使わせていただきます!