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book-go-around #001 東京都: 滝口浩史(40代)

book-go-aroundは本を買ってる人に本を買うことや本をコレクションすることの楽しみを語ってもらうflotsambooksのインタビュー記事です。
今度あなたにもインタビューさせてください。

#001 東京都: 滝口浩史さん(40代)

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写真家として、写真の勉強をしなくてはというのがきっかけ。
写真の世界が独学だったので、誰にも聞くことができずに、最初は基本の巨匠関係から買い始め、徐々に自分の好きな写真家が出来て、今度は流行りの写真集が欲しくなり、手に入りにくい写真集も買わなきゃになって、しばらくすると空いてる本棚をなんとかして埋めたくなってきて手に入りやすいものを手当たり次第に買い、似たようなのが増えてきたのでちょっと変わった路線が欲しくなり、より広くアートブックを買うようになってきたら、本棚がいっぱいになって悩んでいる。

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・コレクションジャンルでは、
①flotsambooksおすすめで、これは買わなきゃダメっすよというアドバイスを参考にしながら騙されてる系
②自分の中で、気になる写真家のはついつい
③アートブックとしてデザイン的に刺激的なもの
④教育的視点で、参考資料となりそうなもの

とにかく新刊は余程必要に迫られない時以外は直ぐには買わない。
じっくりと考えてから購入するか、安いセールになってきたら買う。
古本関係は、色々な書店の値段状況を把握して、もっとも安いものを買う。探す行為と思わぬ出会いが好き。
本の状態にあまりこだわりはなく、初版かどうかもあまり気にはしないので、復刻でも満足。

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旅先での某古本チェーン店古書店は、できる限り覗いてみる。
ここにはないだろうと思う場所ほど発見がある。
特に車でしか行けないような場所。
部数が多い本は、基本安くなるので、待ち続ける。

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左上から時計回りに
1:自分の写真集にタイトルの「窓」と荒木経惟さんのサインを頂いた家宝。Koji Takiguchi: SOU (Little Big Man 2014)
2:下のエピソードの1冊。
Christina de Middel: The Afronauts 1st edition (Self-published 2012)
3:写真集を集め始めた時の一生懸命探していた写真家の一人。
Paul Graham: A Shimmer of Possibility (steidlMACK 2009)
4:2005年写真新世紀で、来日したエグルストンと息子さんからサインもらった思い出深い1冊。
William Eggleston: (Fondation Cartier pour l'Art Contemporain 2001)
5:下のエピソードの衝動買い
JH. Engström: Trying to Dance(Journal 2003)
6:レコードとかでもそうだけど、ジャケ違いって嬉しい。そんなAlec Sothの表紙違い。
Alec Soth: Sleeping by the Mississippi 2nd edition (steidl 2004)

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全然写真集を集めようと思ってもいなかった頃、当時は画集を集めるのが好きだったが、どうしても気になる写真集があり、衝動買いしてしまったが、今はその写真集がレアものになっていた。
他にもflotsambooksに頼み込んで、唯一残っていた1冊を定価で買ったら、そのあと一気に値段が跳ね上がってしまったなど、若い人の写真集などはその後が未知数であるので、そういったエピソードが生まれるのもコレクションの楽しみ。

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色んなコレクションにはそれぞれ段階があり、その都度快感があると思う。
最初は、思い入れがあるものを買ったので、とても大事にその1冊を楽しむが、少しずつ集めてくると欲が生まれて、あれも欲しいなって考えていくようにる。
しばらくすると、人からお前いっぱい持ってんなって言われて始め、いやいやそんなにないよと答えるようになり、徐々におや?案外持ってるのかもなって思うようになる。
コレクション自体はキリがないので、自分なりの集め方でいいと思う。
楽しみ方も人それぞれ。

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音楽のコレクションでもそうだけど、困ったらオススメガイドを調べて買うようにしている
名写真集やその年のベストセレクションは、やはり安定していると思うので、ひとまず気にして目を通しておくのが楽。
本棚にぎっしりと埋まった状態が、若い頃からの理想だったのでとにかく埋めたいなと思っていた。
ただ実際に埋まってきてしまうと、収拾がつかないので逆に不安が募っていく。

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常に買い逃してる気がしてる。
新しい写真集とかアートブックなんて、もう生み出されなくても良いのにって思うことすらある。
でも、買い逃しても、案外再販や復刻がされてしまうことも多い現在。
昔のような脱力感はない。

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便利さと所有欲というかコレクション癖は別かな。
図書館行って本借りたり、検索して作品見たり、音楽をストリーミングで聴いたりの便利さは分かるけど、自分の中での実感が足りない。
結局図書館で借りたものでも、良かったものは読まないのにまた買ってしまうし、作品も本物見て再確認したくなるし、音楽はアルバム単位で聴かないと気が済まないし、レコード売ってはCD買い直してとか意味不明なことばかり。
写真集とかも変な視点があって、写真を直に触れるのって写真集だけなんで、フェチ的な要素もあるのかな?
タルコフスキーの「サクリファイス」という映画で、イコン画の画集を触って見てるシーンがあって分かるわ〜って思った。

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僕は、音楽や写真集、芸術表現は、日々生み出される膨大な作品の中で、どこかに自分の人生を変えるような感動を与えてくれるものがあると思ってる。
店頭にあるCDやアートブックが並んでいる棚を見るたびに、一生かかっても全てを体験することが出来ないんだなと悔しい気持ちになることもある。
誰もそれを全て体験できないので、結局他人の目なんか気にしないで、自分が楽しんでいけるコレクションを、一生続けていくことがいいと思う。

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info@flotsambooks.com


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