梅ヶ谷雄太

Murder Channel主宰 。書籍『ブレイクコア・ガイドブック』『ハードコア・テ…

梅ヶ谷雄太

Murder Channel主宰 。書籍『ブレイクコア・ガイドブック』『ハードコア・テクノ・ガイドブック』『History of Japanese Hardcore Techno』著者 https://murderchannel.bandcamp.com/

最近の記事

MOKUM IN TOKYO - 30 YEARS ANNIVERSARY -

オランダの老舗ガバ/ハードコア・レーベルMokum Recordsの設立30周年を記念したイベントが7月13日に中野heavySICK ZEROで開催される。 Mokum RecordsといえばTechnohead「I Wanna Be A Hippy」やParty Animals「Have You Ever Been Mellow」の特大ヒットチューンをリリースしたレーベルとしてガバ/ハードコアのリスナー以外からも広く知られており、ダンスミュージックの歴史において重要なレ

    • デジタルハードコア再考 - Coakira(Fujimi Industry Records)インタビュー

      パンクのメンタリティをもとにブレイクビーツ・ハードコア~ジャングル~ハードコア・テクノ~インダストリアル~ヒップホップ~ノイズを力技で組み合わせた攻撃的かつ知的なジャンル「デジタルハードコア」の魅力に迫る特集記事を公開。 デジタルハードコアは90年代前半にドイツのRAVEシーンで活躍していたAlec Empireによって生み出されたジャンルであり、1994年に始動したレーベルDigital Hardcore Recordings(以降DHR)に所属していたAlec Empi

      • Meat Beat Manifesto & Merzbow『Extinct』

        老舗インダストリアル・レーベルCold Springから日本が世界に誇る電子音楽家/ノイズミュージシャン秋田昌美ことMerzbowと、ブレイクビーツの魔術師Jack DangersことMeat Beat Manifestoによるコラボレーション作『Extinct』が4月末に発売された。 「¡FLAKKA!」「Burner」という長尺の2曲で構成されており、これらの曲は2023年11月から2024年1月に掛けて作られたものだという。「¡FLAKKA!」はJack Danger

        • yumeo - Wild Tale

          パンクな姿勢をもとに優れた技術と現代的な視点でインダストリアル・テクノを軸にエレクトロ~EBM~ノイズ~インダストリアル~リズミックノイズ~ブレイクコア~IDM~ハイパーポップなど、様々なジャンルをごちゃ混ぜにしたカオスなダンスミュージックをクリエイトするyumeoのニューアルバム『Wild Tale』を6月7日にMURDER CHANNELから発表する。 今作『Wild Tale』はコンセプチュアルなアルバムとなっており、それぞれの曲に意味が込められている。CD盤には『W

        MOKUM IN TOKYO - 30 YEARS ANNIVERSARY -

          History of Japanese Hardcore Techno - Mixed by Savage States / インタビュー公開

          『History of Japanese Hardcore Techno』ミックス・シリーズ第三弾は、大阪を拠点にグローバルに活動するSavage StatesのT4TSUYAさんに参加していただきました。 ハードテック~UKハードコア~ジャングル~ドラムンベース~Tekno~トランスの要素を高度な技術でミックスしたトラックにエモーショナルで高揚感のあるメロディが合わさったハイブリッドかつ一貫性のあるハードコア・トラックをリリースしているSavage States。Nigh

          History of Japanese Hardcore Techno - Mixed by Savage States / インタビュー公開

          CycheoutsG feat DIE-SUCK『LIVE@MURDER CHANNEL VOL.29』

          今年3月2日に渋谷Circusで開催されたMURDER CHANNEL VOL.29で披露されたCycheoutsG feat DIE-SUCKのライブを完全収録したCDの発売が決定した。 サイケアウツ時代に数々の伝説的なライブを繰り広げていた大橋アキラ(サイケアウツG)とDIE-SUCKが20年以上の時を経て再び共演するというのは奇跡的なことであった。この共演ライブを打診して実現させるまでには数年掛かったが、実際に行われたライブは自分が想像していた何十倍も素晴らしく、彼等

          CycheoutsG feat DIE-SUCK『LIVE@MURDER CHANNEL VOL.29』

          レフトフィールド・ドラムンベース/ポスト・インダストリアルとしてのImaginary Forces

          アブストラクトなジャングル/ドラムンベースを中心に実験的なダンスミュージックのリリースで大活躍中のBasic Rhythmことイギリスの実験電子音楽家Anthoney J Hartが10年以上前に発表していた隠れた名盤について。 まず、Basic Rhythmについて簡単に説明しよう。2016年にType Recordingsから発表したアルバム『Raw Trax』で注目を集めて以降、Future Retro London、Sneaker Social Club、Plane

          レフトフィールド・ドラムンベース/ポスト・インダストリアルとしてのImaginary Forces

          ドゥーム/サイケデリック・ラップ

          ロック~ハードコア~ノイズを飲み込んだ鬼ドープでヘヴィーウエイトなヒップホップを追求しているアメリカのDälekが5月10日にデビュー作『Negro Necro Nekros』の再発盤を発表する。1998年にCD/LPでリリースされた『Negro Necro Nekros』に6曲のボーナストラックが追加され、LPには12PGのブックレットが付いてくるという豪華仕様。現在、DälekのBandcampにて予約が開始している。 今作は90'sアンダーグラウンド・ヒップホップにお

          ドゥーム/サイケデリック・ラップ

          UKハードコアとジャングル

          今年2月29日にOblivion UndergroundからリリースされたThe DJ Producerの復帰作『Metaphysical EP』はUKハードコア・ファンの期待に完璧に応えてくれた素晴らしい作品であり、The DJ Producerが真の意味でUKハードコアのパイオニアであることを証明してくれた。 昨年、The DJ Producerは脳卒中となってしまい一時期は危険な状態にあったというが、治療期間を経て少しづつ現場でのDJプレイを復帰され、遂に『Metaph

          UKハードコアとジャングル

          D-JUNGLE/ドイツのジャングルとブレイクコア

          先月末、ブレイクコアとレフトフィールドなドラムンべース/ジャングルの発展に多大な影響を与えたドイツのChristoph de Babalonが新作『Ach, Mensch』を発表した。1994年にレコード・デビューを果たして以来、Christoph de Babalonの音楽は常にジャングルとアンビエントがコアパートにあったが、『Ach, Mensch』でも現代的なドラムンベース/ジャングル〜アンビエント/ネオクラシックの要素を巧みに取り込みながら彼が長年に渡って追求していた

          D-JUNGLE/ドイツのジャングルとブレイクコア

          今のハードコア・テクノが存在しなかったら?

          先日、FacebookにあるPCP / Planet Core Productionsのファンが集う公開グループに興味深い投稿があった。それは、1990年にドイツのPlanet Core Productions(以降PCP)が発表したハードコア・テクノの始まりとされるMescalinum United(Marc Acardipane)の「We Have Arrived」が存在しなかった場合、誰がハードコア・テクノ・サウンドを作っていたか、という投稿。それに対してハードコア・テ

          今のハードコア・テクノが存在しなかったら?

          企画盤再考

          ヒップホップとロックのコラボレーションを実現させた企画盤『Judgment Night』(1993年作)は、後に爆発的に流行化するミクスチャー・ロックの土台を作り、ヒップホップ/ロックの最良なクロスオーバーを生み出せた奇跡的な作品として語り継がれている名盤だ。収録曲はどれも素晴らしいが、特にHelmet & House of Pain「Just Another Victim」やBiohazard & Onyx「Judgment Night」は双方のコアなサウンド/スタイルがぶ

          企画盤再考

          BABA a.k.a. “BB”SHOT (THINK TANK)インタビュー

          いよいよ来週3月2日(土)に渋谷Circusで開催されるMURDER CHANNEL VOL.29。 今回はTHINK TANKのオリジナル・メンバーであり、MUROCHIN(WRENCH)とのユニットDOOOMBOYSとしても活躍するBABA a.k.a. “BB”SHOTのインタビューを公開します。 BABAさんとは個人的にも付き合いが長く、THINK TANKの頃から追いかけていて、自分が10代の頃からずっと憧れ続けている本当にカッコいい人です。MURDER CHA

          BABA a.k.a. “BB”SHOT (THINK TANK)インタビュー

          G36(The Bug+Gorgonn)

          The BugとGorgonnによるアナーコ・ダブ・コレクティブG36。これまでに2枚の12"レコード、JK Fleshとのスプリット・アルバムをリリースしており、パンクな反骨精神を激らせたノイジーでヘヴィーウエイトな彼等の曲は世界中のコアヘッズから絶賛された。 2018年にPressureから発表されたジャマイカのダブポエットNazambaのソロデビュー作『Vex』のプロデューサーとしてクレジットされたのがG36の始まりであり、当初はThe BugとGorgonnのユニッ

          G36(The Bug+Gorgonn)

          Selected 10 song of DJ SHARPNEL classics

          『History of Japanese Hardcore Techno』発売記念の第三弾として、本書におけるキーパーソンの一人であるDJ SHARPNEL氏の特集記事を公開。 SHARPNEL氏といえばナードコアの代表的なアーティストであり、J-Coreのパイオニアとしてハードコア・テクノに限らず、国内外の様々なジャンルのアーティストに多大な影響を与えた偉大な人物。国内でいち早くニュースタイルやハードテックを取り入れた作品を発表し、2010年代中頃には既にVRへと活動の拠

          Selected 10 song of DJ SHARPNEL classics

          Gorgonn(G36/Devilman/Dokkebi Q) インタビュー

          3月2日渋谷Circusにて開催されるMURDER CHANNEL VOL.29に出演するGorgonnのインタビューを公開。去年リリースされたアルバム『Six Paths』についてや最近のライブセット、サウンドシステムのエンジニアリング、ドイツでの生活など興味深い話を聞かせてくれました。 MURDER CHANNEL VOL.29のADVをご予約してくださった方には特典としてGorgonn、CycheoutsG、Dubcontractor、codesight.の新曲が入手

          Gorgonn(G36/Devilman/Dokkebi Q) インタビュー