Gorgonn(G36/Devilman/Dokkebi Q) インタビュー
3月2日渋谷Circusにて開催されるMURDER CHANNEL VOL.29に出演するGorgonnのインタビューを公開。去年リリースされたアルバム『Six Paths』についてや最近のライブセット、サウンドシステムのエンジニアリング、ドイツでの生活など興味深い話を聞かせてくれました。
MURDER CHANNEL VOL.29のADVをご予約してくださった方には特典としてGorgonn、CycheoutsG、Dubcontractor、codesight.の新曲が入手できるDLコードをプレゼント。こちらからADV予約を受け付けています。(DLコードはADV予約をしてくださった方にのみプレゼントとなります)
Gorgonnは東京以外にも京都や大阪でのライブも控えているので、お近くの方は是非足を運んでみてください。Gorgonnの日本ツアーの詳細はInstagramからチェックを。
MURDER CHANNEL Vol.29
at CIRCUS Tokyo
https://circus-tokyo.jp/
OPEN 15:00 – CLOSE 21:00
ADV: 3,000yen(別途1D) DOOR: 3,500yen(別途1D)
B1
Gorgonn (G36 / Devilman / Dokkebi Q)
CycheoutsG feat DIE-SUCK
GOTH-TRAD
BABA a.k.a. “BB”SHOT (THINK TANK)
ENA
黒電話666 [PROTOTYPE027]
codesight.
Miyuki Omura
1F
L?K?O
Riddim Chango (1TA & Element)
100mado b2b Prettybwoy
栄免組
DJ YEW
Three-CODE
Gorgonn
プロデューサー/オーディオエンジニア。
Sci-fiステッパスサウンドをモチーフに、強度にコンプレッションされた低周波、ドローンやホワイトノイズ、ダブが混在一体となった終末的な電子音楽を制作している。
Kiki HitomiとのDokkebi Q, Shigeru Ishihara (DJ Scotch Egg)と Taigen Kawabe (Bo Ningen)とのDevilman, Kevin Martin (The Bug)とのG36などのプロジェクトで活動。
2021年にG36とJK FleshとのスプリットアルバムをPressureより発表。2023年にはSvbkvltよりGorgonn名義でのソロアルバムを発表した。
その他ミックス、ライブサウンドのエンジニアとし活動している。千葉県出身。2005年に渡英、2013年より拠点をイギリスからドイツに移し、現在ベルリン在住。
Q. 『Six Paths』発表後、ご自身の活動やアルバムに対してどんな反応がありましたか?
アルバムの発表後は、メタルとかのバンドの人やオカルト系などからのフィードバックもあって、予想外だったし励みになりました。
自分の好きな音楽の、ノイズやダブ、実験的な電子音楽やドローンメタル的なのを要素に制作していたので、この方向性をより尖らせて次回の作品に繋げたいなと思ってます。
Q. アルバム発表後はドイツでのPRESSURE、オーストリアでのDonau Festival、イギリスでのSVBKVLT主催イベントなどに出演されていましたが、その中で特に印象深かったのは?コロナ以後、フェスやイベントに以前とは違った変化などは起きていますか?
どれもとても印象深かったけど、やっぱりベルリンでのPRESSUREのイベントが一番感慨深かったです。特に当日のラインナップは自分の中で音楽の先生みたいな人達ばかりだったので、教えを請う気分で望みました!
コロナ後のドイツや西ヨーロッパは、2022年からほぼ通常営業だったので、クラブやイベント会場はコロナ以前と同じ雰囲気になっています。
Q. 最近はどういったライブセットになられていますか?
最近チャレンジしている事は、持ち時間の中で制作した曲を使ってなるべくフローを保つ事、DJ的な流れを作る事を意識しています。まだ足りない部分が多いんだけど、新しい曲を作る時にはセットの中でフローを保つのに足りない部分を、新しい曲で補完出来ないかな?と考えています。今迄は制作中全くそういう事は考えてなかったので。
ライブのセットアップは、曲の上にハードウェアのドローンシンセ、サイレンマシーン、ディレイペダルを重ねるのと、プラグインのエフェクトやシェパードトーンジェネレーターとかを使ったりしていて、アナログとデジタル両方使っています。
Q. アルバム収録曲「Life as a Beast」のMVが公開されましたが、このMVのコンセプトは?
最初に映像アーティストのUtku Önalに、仏教の六道のコンセプトを話して、現世の行いの内容によっては死後に犬や猫に生まれ変わり畜生道に落ちる、と言うのを説明しました。そこから、彼が日本の地獄感が分かる映画を観たり、それと車体や車の事故とかのイメージなんかを持ってきて、それらをStable Diffusionで素材を生成して彼の感じた音楽からのイメージと、転生や苦痛のイメージを映像化した感じだったと思います。
最初にこの曲とGreedって曲、どちらで作ろうかって話してたのですが、Life as a beastの方がより地獄感が出そうだなと言う事になり、この曲の映像を作る事になりました。
Q. Dokkebi Q/Devilmanの活動を含めてGorgonnさんの音楽にはDUBが欠かせませんが、以前よりもDUBの要素が表面的に少なくなっているように感じます。近年、楽曲制作をされる際にDUBの要素はどのように反映されているのでしょうか?
Dokkebi Qの時はよりジャマイカのダブミックスにとても影響を受けていたと思いますが、今でも音を加工する時にまずはディレイとリバーブのエフェクトでイメージに近づけないか試します。それとダブってエフェクト的なアプローチや抜き差しの側面もあるけど、オリジナルのミックスよりもよりキックやサブ、それと高音を過剰にした音楽的に破綻しそうでしないギリギリなミックスバランスもタブの醍醐味だと思っていて、今でもそういう部分から影響を多く受けてます。
Q. 現在はドイツのベルリンを拠点にされてますが、ドイツの音楽環境にいるとテクノからの影響はやはり受けられるのでしょうか?
テクノで好きなアーティストは沢山いるけども、制作にあたってはそこまでドイツのテクノの影響はないかもしれないです。ドイツに住んでからは、バンドをよく聞きに行ったり、それと即興や実験音楽のイベントに行ったりする機会が増えました。
ベルクハインではテクノだけじゃなくて、実験的な音楽のイベントも多く催されていて、そういうアーティストをベルクハインのメインフロアの巨大なFunktion Oneのシステムで体感出来るのはとても楽しいし、そういうイベントからの影響は多いと思います。最近サウンドシステムがアップデートされたみたいで、32インチの巨大サブウーファーが導入されたみたいです。
Q. 現在、ドイツ国内で注目しているレーベル/コレクティブや面白い場所などはありますか?
Morphine Recordsという素晴らしい電子音楽をリリースしているレーベルが、数年前からMorphine Raumという名前でコンサート会場兼レコーディング/ミックススペースを作って、そこで演奏するミュージシャンは皆興味深くて、エクストリームな音楽が聞けます。それとPankeやArkaodaといった会場で開催されてるCodex Clubってイベントが面白いです。過激なダンスミュージック、ノイズ、ドローンなどなど、毎回アンダーグラウンドのエッジーな音楽に焦点を当てたラインナップです。
Q. Kevin Martinが所有するPressure Sound Systemのシステムエンジニアリングを担当されているとのことですが、エンジニアリングとはどういった仕事なのでしょうか?独学でエンジニアリングをされているとのことですが、どのようにしてエンジニアリングを学ばれていったのですか?
サウンドシステムのエンジニアリングは、コンサート用の大規模サウンドシステムは音域毎に担当するスピーカーとパワーアンプが違っていて、Pressure Sound Systemでは5帯域を担当する5つの異なったサイズのスピーカーで音楽を再生していて、それらがバラバラに聴こえない、一つの音として再生させる事を目的にしています。
一番最初はマンチェスターのNeuron Pro Audioのカイルと言う人がチューニングしてくれて、そのセッティングを基に更に試行錯誤して、イベント毎にアップデートさせています。
チューニングの仕方は、コンピュータのソフトウェアと測定用マイクを使ってデータを取って、その結果を基に耳で聴いて判断して調整する、の繰り返しです。そして分からない事は人に聞いて教えて貰う、YouTubeや文献、フォーラムを漁る。またサブベースと全体の音圧感が特に重要なので、スピーカーやアンプの特性と会場の共振を理解して、いかにヘビーに、そして出し過ぎて壊さない!が重要ですね。
Q. もうすぐ日本でのツアーが開始されますが、共演されるアーティストで注目している人は?滞在中楽しみにしていることなどはありますか?
友人の為に、血反吐とかを吐いているキティちゃんを探すミッションがあります。
共演者で楽しみな人は沢山居ます!特にロンドンに住んでいた時の友人のヒロシ君ことElementと2度も一緒に出来るのと、京都では彼のライブセットを初めて体験出来るので楽しみです。
Q. 今後のスケジュールを教えてください。
今更だけどレゲトンをここ1年良く聴いていて、ノイジーなレゲトンを作ってEPにしたくて今作業中です。日本ツアー後の予定は、4月にベルリンでPressureのイベントと、5月にRuinsとZuのコラボレーションのイベントに出演します。
エンジニアとしては、プロデューサーのPoponのSmall But Hardから春頃に出る音源のマスタリングを終えたのと、ベルリンの即興シーンのアーティストErcklentz & Neumannのレコードのミックス作業をもうすぐ終える所です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?